フィータス[1]Foetus)は、オーストラリア出身のミュージシャンであるJGサールウェルのソロ・音楽プロジェクト[2]。このプロジェクトには多くの似た名義が存在し、それぞれに「Foetus」という単語が含まれているnote。プロジェクトの「メンバーたち」は、すべてサールウェルの別名。それらには、フランク・ワント、フィリップ・トス、クリント・ルインが含まれている。サールウェルは他のアーティストとコラボレーションすることもあるが、彼らをフィータスのメンバーとは考えていない。

フィータス
Foetus
フィータスことJGサールウェル(1985年)
基本情報
別名 Foetus Under Glass
You've Got Foetus on Your Breath
Scraping Foetus Off the Wheel
Foetus Interruptus
その他諸々
出身地 イングランドの旗 イングランド ロンドン
ジャンル ポストロック実験音楽前衛音楽インダストリアル
活動期間 1981年 -
レーベル Thirsty Ear、Some Bizzare、Entopic Entertainment、Self Immolation
公式サイト foetus.org
メンバー JGサールウェル

1981年、PragVEC解散後、サールウェルは「Foetus Under Glass」名義で自身のソロ・音楽プロジェクトを開始した。その後、「Foetus」という単語が含まれる様々な名義を使用してきたが、アルバム『Thaw』の後、サールウェルは名義を変更することをやめた。その後は単に「フィータス」のままとなっている。

1983年11月、フィータスはマーク・アーモンドニック・ケイヴリディア・ランチとともに「ジ・イマキュレート・コンサンプティヴ (The Immaculate Consumptive)」として知られるすぐに解散することとなった「パートナーシップ」によるツアーを行った[2]。サールウェルは、ザ・ザアインシュテュルツェンデ・ノイバウテンナース・ウィズ・ウーンド、アン・ホーガンのレコーディングしたアルバムにも参加している[2]

1985年10月、サールウェルはアルバム『ネイル』を制作し、これは史上最も人気のあるフィータスのアルバムとなった。

アルバム『ガッシュ』が1995年に発表され、これにより音楽ジャーナリストはインダストリアルの発展におけるフィータスの役割を認めるようになった[2]

コンセプト的なテーマ 編集

フィータスのフル・アルバムのタイトルはすべて4文字1音節の単語となっており、多くの場合複数の意味合いを含んでいる[2]

フィータスからリリースされる作品のアートワークは、意図的に色の変化を示している。初期のリリースは白黒だが、アルバム『デフ』では赤が追加され、『釘』ではさらに黄色が追加されている。フルカラー・アートは『ガッシュ』で導入された[3]。『Flow』から、主なアルバムのアートワークは黒/白/赤に戻ったが、他のリリースでは引き続きフルカラーとなっている。

ディスコグラフィ 編集

スタジオ・アルバム 編集

  • 『デフ』 - Deaf (1981年) ※You've Got Foetus on Your Breath名義、日本盤はフィータス名義
  • 『エイク』 - Ache (1982年) ※You've Got Foetus on Your Breath名義、日本盤はフィータス名義
  • 『ホウル』 - Hole (1984年) ※Scraping Foetus Off the Wheel名義、日本盤はジム・フィータス名義
  • 『釘』 - Nail (1985年) ※スクレイピング・フィータス・オフ・ザ・ウイール名義
  • Thaw (1988年) ※Foetus Interruptus名義
  • 『ガッシュ』 - Gash (1995年)
  • Flow (2001年)
  • Love (2005年)
  • Vein (2007年)
  • Hide (2010年)
  • Soak (2013年)

ライブ・アルバム 編集

  • Rife (1998年)
  • Male (1992年)
  • 『ボイル』 - Boil (1996年)
  • York (First Exit to Brooklyn) (1997年) ※The Foetus Symphony Orchestra名義

コンピレーション・アルバム 編集

  • Sink (1989年)
  • Damp (2006年)
  • Limb (2009年)

付記 編集

フィータスの名称のバリエーション ^a Foetus in Your Bed (1981年)、You've Got Foetus on Your Breath (1981年)、Jim Foetus and the Transvestites from Hell (1983年)、Scraping Foetus Off the Wheel (1984年)、The Foetus of Excellence (1985年)[4]、Foetus Über Alles (1985年)、Foetus Flesh (1985年)、Foetus on the Beach (1985年)、Foetus Interruptus (1988年)、Foetus Eruptus (1989年)、Foetus (1995年)、The Foetus Symphony Orchestra (1997年)、Foetus Under Glass、Phillip & His Foetus Vibrations、Foetus Over Frisco、Foetus Art Terrorism、Foetus Über Frisco、The Foetus All Nude Revue、Foetus, Inc.、Foetus Corruptus、Foetus in Excelsis Corruptus Deluxe

脚注 編集

  1. ^ 日本語の片仮名表記を、ジャケット上に意匠として多く使用している。言葉の意味は「胎児」。
  2. ^ a b c d e Colin Larkin, ed (1997). The Virgin Encyclopedia of Popular Music (concise ed.). Virgin Books. p. 475. ISBN 1-85227-745-9 
  3. ^ The Pizz (1995). “Locomotion Abortion: The Foetus Interview”. Axcess Magazine 3 (4): 99. http://now-im-sane.tumblr.com/post/98730959923/vomiting-loco-motion-abortion-the-foetus. 
  4. ^ Foetus Of Excellence, The* - The Foetus Of Excellence”. Discogs. 2024年1月26日閲覧。

外部リンク 編集