フェニルヒドロキシルアミン

フェニルヒドロキシルアミン (Phenylhydroxylamine) は、化学式 C6H5NHOH で表される有機化合物である。C6H5NH2C6H5NO酸化還元ペアの中間体である。フェニルヒドロキシルアミンは、その異性体であるα-フェニルヒドロキシルアミンまたは O-フェニルヒドロキシルアミンと混同してはいけない。

フェニルヒドロキシルアミン
識別情報
CAS登録番号 100-65-2
PubChem 7518
ChemSpider 7237
特性
化学式 C6H7NO
モル質量 109.13 g mol−1
外観 黄色針状晶
融点

80 - 81°C

特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

調製

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フェニルヒドロキシルアミンは、NH4Clの存在下、ニトロベンゼン亜鉛で還元することによって調製される[1][2]

あるいは、ロジウム触媒上でH2源としてヒドラジンを使用してニトロベンゼンを移動水素化することによって調製することもできる[3]

 
無機定性分析用試薬のクペロン (N-ニトロソ-N-フェニルヒドロキシルアミン) は、フェニルヒドロキシルアミンから調製される

反応

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フェニルヒドロキシルアミンは、熱に対して不安定であり、強酸の存在下、バンバーガー転位により容易に4-アミノフェノールに転移する。フェニルヒドロキシルアミンを二クロム酸塩で酸化するとニトロソベンゼンが得られる。フェニルヒドロキシルアミンは、ベンズアルデヒドと縮合して、よく知られている1,3-双極子であるジフェニルニトロンを形成する[4]

C6H5NHOH + C6H5CHO → C6H5N(O)=CHC6H5 + H2O

フェニルヒドロキシルアミンは、NO+ソースによって攻撃を受けてクペロンを生成する[5]

C6H5NHOH + C4H9ONO + NH3 → NH4[C6H5N(O)NO] + C4H9OH

脚注

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  1. ^ E. Bamberger “Ueber das Phenylhydroxylamin” Chemische Berichte, volume 27 1548-1557 (1894). E. Bamberger, "Ueber die Reduction der Nitroverbindungen" Chemische Berichte, volume 27 1347-1350 (1894) (first report)
  2. ^ O. Kamm (1941). “Phenylhydroxylamine”. Organic Syntheses 4: 57. doi:10.15227/orgsyn.004.0057. 
  3. ^ P. W. Oxley, B. M. Adger, M. J. Sasse, M. A. Forth (1989). “N-Acetyl-N-Phenylhydroxylamine via Catalytic Transfer Hydrogenation of Nitrobenzene using Hydrazine and Rhodium on Carbon”. Organic Syntheses 67: 187. doi:10.15227/orgsyn.067.0187. 
  4. ^ I. Brüning, R. Grashey, H. Hauck, R. Huisgen, H. Seidl (1966). 2,3,5-Triphenylisoxazolidine. 46. pp. 127. doi:10.15227/orgsyn.046.0127. 
  5. ^ C. S. Marvel (1925). “Cupferron”. Organic Syntheses 4: 19. doi:10.15227/orgsyn.004.0019.