フェラーリF2001 (Ferrari F2001) は、スクーデリア・フェラーリ2001年のF1世界選手権参戦用に開発したフォーミュラ1カー2001年の開幕戦から最終戦まで実戦投入された。フェラーリとしてのコードナンバーは652。

フェラーリ・F2001
2001年のカナダGPでモントリオールサーキットを走行するF2001(ドライバーはミハエル・シューマッハ)
2001年のカナダGPモントリオールサーキットを走行するF2001(ドライバーはミハエル・シューマッハ
カテゴリー F1
コンストラクター フェラーリ
デザイナー ロリー・バーン
先代 フェラーリ・F1-2000
後継 フェラーリ・F2002
主要諸元
シャシー カーボンファイバー ハニカム コンポジット
サスペンション(前) 独立, プッシュロッド, トーションスプリング
サスペンション(後) 独立, プッシュロッド, トーションスプリング
エンジン フェラーリ Tipo050 2998cc NA 90度 V10
トランスミッション フェラーリ製 7速 縦置き セミAT シーケンシャル
燃料 シェル
タイヤ ブリヂストン
主要成績
チーム スクーデリア・フェラーリマールボロ
ドライバー 1. ミハエル・シューマッハ
2. ルーベンス・バリチェロ
出走時期 2001年 - 2002年
コンストラクターズタイトル 2 (2001年, 2002年)
ドライバーズタイトル 2 (2001年, 2002年)
初戦 2001年オーストラリアグランプリ
初勝利 2001年オーストラリアグランプリ
最終戦 2002年ブラジルグランプリ
出走優勝ポールFラップ
2010133
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2001年最終戦(ミハエル・シューマッハのみ)から2002年第3戦(ルーベンス・バリチェロのみ)まではF2001Bが実戦投入された。

F2001 編集

2000年シーズンにおいて、ミカ・ハッキネンマクラーレンを下してタイトルを獲得という接戦を制したフェラーリは、F1-2000を新レギュレーションにあわせて発展させる形をとった。

F2001で特徴的なのは、先端の垂れたスラントノーズや、中央部が穏やかに下がっているフロントウイングである。この年、レギュレーション改正でフロントウイング左右部分の最低地上高が引き上げられた。フェラーリは規定外の中央部を低く設定し、左右に向けて緩やかに持ち上げていく形状とした。それを支えるノーズはF1-2000とは対照的に先端の位置が低くされた。ただし、モノコック先端はF1-2000同様高く持ち上げられており、ノーズコーンより前が急激に下垂する格好だった。これらのデザインはこの後、各チームに模倣されていった。

シューマッハは開幕2連勝で前年からの連勝を6まで伸ばした。最大のライバルであったハッキネンの不運もあり、17戦中9勝、11ポールポジションという成績で、4戦を残して早々とダブルタイトルを決めてしまった。一方、チームメイトのバリチェロは1勝も挙げられず、ランキング3位となった。

スペック 編集

 
F2001(2008年ラグナ・セカにて撮影)

シャーシ 編集

エンジン 編集

結果 編集

No. ドライバー 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 ポイント ランキング
AUS
 
MAL
 
BRA
 
SMR
 
ESP
 
AUT
 
MON
 
CAN
 
EUR
 
FRA
 
GBR
 
GER
 
HUN
 
BEL
 
ITA
 
USA
 
JPN
 
2001 1   シューマッハ 1 1 2 Ret 1 2 1 2 1 1 2 Ret 1 1 4 2 1 179 1位
2   バリチェロ 3 2 Ret 3 Ret 3 2 Ret 5 3 3 2 2 5 2 15 5

F2001B 編集

フェラーリはF2001の強さに確信を持っており、2002年シーズンの序盤も使用できると踏んだ。そこで2002年に施行される、クラッシュテストの基準値強化のレギュレーションに対応させ、軽量化を施したF2001B(214)を2001年最終戦の日本GPで出走させた(ただしシューマッハのみ)。

2002年シーズンに向けて開発されたF2002は革新的なマシンであったため、信頼性確保に時間を割くため、ヨーロッパラウンドが開幕する第4戦からデビューする予定だった。2002年開幕戦はシューマッハがF2001Bで制したが、第2戦のマレーシアGPウィリアムズBMWの1-2フィニッシュを許してしまい、第3戦ブラジルGPから急遽シューマッハのみF2002を投入することとなった。

スペック 編集

シャーシ 編集

  • シャーシ名 F2001B
  • 全長 4,445 mm
  • 全幅 1,796 mm
  • 全高 959 mm
  • ホイールベース 3,010 mm
  • 前トレッド 1,450 mm
  • 後トレッド 1,405 mm
  • クラッチ ザックス・AP
  • ブレーキキャリパー ブレンボ
  • ブレーキディスク・パッド ブレンボ
  • ホイール BBS
  • タイヤ ブリヂストン
  • ギアボックス 7速+リバース1速セミオートマチック/チタン・カーボンファイバー製ケーシング
  • 重量 605kg

エンジン 編集

  • エンジン名 Tipo050D
  • 気筒数・角度 V型10気筒・90度
  • 排気量 2,997cc
  • スパークプラグ NGK
  • 燃料・潤滑油 シェル

結果 編集

No. ドライバー 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 ポイント ランキング
AUS
 
MAL
 
BRA
 
SMR
 
ESP
 
AUT
 
MON
 
CAN
 
EUR
 
FRA
 
GBR
 
GER
 
HUN
 
BEL
 
ITA
 
USA
 
JPN
 
2001 1   シューマッハ 1 179 1位
2   バリチェロ
AUS
 
MAL
 
BRA
 
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CAN
 
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USA
 
JPN
 
2002 1   シューマッハ 1 3 221* 1位
2   バリチェロ Ret Ret Ret
  • 太字ポールポジション斜字ファステストラップ
  • 2001年:10ポイント獲得、2002年:14ポイント獲得。
  • ミハエル・シューマッハ 2勝 2PP(2001年結果含む)
  • ルーベンス・バリチェロ 1PP 完走なし