フェンバレレート: Fenvalerate)は、ピレスロイド殺虫剤の一種。市販品は、4種の光学異性体の混合物である。

フェンバレレート
Fenvalerate
Fenvalerate molecule{{{画像alt1}}}
識別情報
CAS登録番号 51630-58-1 チェック
PubChem 3347
ChemSpider 3230 チェック
UNII Z6MXZ39302 チェック
KEGG C10988 チェック
ChEBI
ChEMBL CHEMBL492491 チェック
RTECS番号 CY 1576350
特性
化学式 C25H22ClNO3
モル質量 419.9 g mol−1
外観 黄色ないし茶色の粘稠液体
密度 1.175 g/cm3
融点

39.5-53.7 °C, 313-327 K, 103-129 °F [1]

沸点

(沸点以下で分解)[1]

への溶解度 2 μg/L
危険性
半数致死量 LD50 451 mg/kg(ラット、経口)[1]
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

用途 編集

住友化学が開発した薬剤で、昆虫中枢神経系及び末梢神経に作用し、反復興奮及び伝導抑制などによって異常興奮と痙攣を起こすものと考えられている[2]

農業用としては野菜のアブラムシアオムシヨトウガ、果樹のアブラムシやシンクイムシ、花卉のアブラムシに適用される。商品名には単剤の「スミサイジン」のほか数種類の混合剤がある[3]乳牛を含むウシの外皮の寄生虫駆除を目的とした動物用薬品の承認がなされている国もある[2]

日本の食品安全委員会農薬専門調査会及び動物用医薬品専門調査会は本物質の一日摂取許容量(ADI)を0.017mg/kg 体重/日と設定した[2]。日本の毒物及び劇物取締法では劇物に区分される[3]

脚注 編集

  1. ^ a b c フェンバレレート” (PDF). 日本食品分析センター. 2018年8月19日閲覧。
  2. ^ a b c 農薬・動物用医薬品評価書(案)” (PDF). 食品安全委員会農薬専門調査会 (2013年6月). 2018年8月19日閲覧。
  3. ^ a b (植村 2002, pp. 165–166)

参考文献 編集

  • 植村振作・河村宏・辻万千子・冨田重行・前田静夫著『農薬毒性の事典 改訂版』三省堂、2002年。ISBN 978-4385356044