フォンダン・オ・ショコラ

フォンダン・オ・ショコラフランス語: fondant au chocolat)は、フランスチョコレートケーキである[1]

フォンダン・オ・ショコラの例

日本語ではフォンダン・ショコラと表記されることもある[2][3]

概要 編集

小麦粉バター鶏卵、溶かしたチョコレートを混ぜて焼くだけという簡単な菓子であるが、中心部まで焼ききらずに作るので、中心部がとろっとしたクリーム状になっているのが特徴である[1][3]。同時に中心部がクリーム状になっていることが最大の魅力ともなっている[3]

fondantフォンダン)は「溶ける」という意味の動詞 fondre現在分詞に由来する語であり、「口溶けの良いもの」という意味合いの名詞である[1]

類似するチョコレートケーキ 編集

 
一般的なイメージのフォンダン・オ・ショコラ

使用する材料は同じで、調理法も同じであり、レシピによってフォンダン・オ・ショコラ、ガトー・オ・ショコラ、モワルー・オ・ショコラの呼び名が変わる[1][4]

ガトー・オ・ショコラGâteau au chocolat
フォンダン・オ・ショコラよりも粉が多く、食感はバターケーキに近い。日本では「ガトーショコラ」の呼称が定着している。
モワルー・オ・ショコラ(Moelleux au chocolat
「モワルー」は「やわらかいもの」の意[1]。フォンダン・オ・ショコラよりも柔らかいものと言われることもあるが、フォンダン・オ・ショコラとの境界は明確ではない[2][3]

また、テリーヌ型で焼き、カットしても流れ出すことはなく、口の中に入れたときに溶けだすのが本物のフォンダン・オ・ショコラとする意見もある[5]。この場合、口内で溶けださないのがガトー・オ・ショコラで、カットして流れ出すのがモワルー・オ・ショコラとなる[5]

この混同は、有名シェフが テレビでモワルー・オ・ショコラをフォンダン・オ・ショコラと紹介してしまい、それが爆発的に広まったのが所以とされる[5]

出典 編集

  1. ^ a b c d e 山本ゆりこ「フォンダン・オ・ショコラ」『フランス伝統菓子図鑑 お菓子の由来と作り方: 定番菓子から地方菓子まで132種を網羅した決定版』誠文堂新光社、2019年、145頁。ISBN 978-4416519646 
  2. ^ a b 「読めばもっと好きになる!チョコレートタウンへようこそ。」『an・an』2017年1月18日号No.2036、マガジンハウス、2017年、55頁。 
  3. ^ a b c d 『チョコレート検定公式テキスト』(2022年版)学研プラス、2022年、108頁。ISBN 978-4059199038 
  4. ^ 酒巻洋子『パン屋さんのフランス語』三修社、2006年、50頁。ISBN 978-4384053562 
  5. ^ a b c 本物のフォンダンショコラとは?”. 神楽坂イタリアン (2018年7月3日). 2023年6月29日閲覧。

外部リンク 編集