フォード・エクスプローラー

フォード エクスプローラー車/Ford Explorer көлігі

エクスプローラーExplorer ) は、アメリカの自動車メーカー、フォードが製造・販売しているSUVである。

フォード・エクスプローラー
6代目
概要
製造国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ベネズエラの旗 ベネズエラ
ロシアの旗 ロシア
販売期間 1990年-
ボディ
ボディタイプ 3/5ドアSUV
駆動方式 FR/FF/4WD
系譜
先代 フォード・ブロンコII
後継 フォード・ブロンコ(6代目)
フォード・テリトリー(オセアニア)
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本国アメリカではSUV売り上げ14年間連続ナンバーワンセールス記録を誇る。 日本国内においては、2016年1月26日にフォード・ジャパンが日本市場からの撤退を表明し、2016年下半期で日本国内の事業から撤退。これにより、日本国内における販売は終了となった。

初代(1990年-1994年)UN46型 編集

フォード・エクスプローラー(初代)
UN46型
 
概要
製造国   アメリカ合衆国
  ベネズエラ
販売期間 1990年2月 - 1994年11月[1](生産終了)
ボディ
乗車定員 5/7名
ボディタイプ 3/5ドアSUV
駆動方式 後輪駆動/四輪駆動
パワートレイン
エンジン 4.0L OHV Cologne V型6気筒
変速機 5速MT
4速AT
車両寸法
ホイールベース 2,595mm(3ドア)
2,840mm(5ドア)
全長 4,420mm (3ドア)
4,675mm (5ドア)
全幅 1,780mm
全高 1,715mm (3ドア)
1,710mm (5ドア)
系譜
先代 フォード・ブロンコII
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1990年フォード・ブロンコIIの後継車として登場。4.0L V6OHVエンジンを搭載した強靭なラダーフレームを持つSUVであり、4WDシステムはパートタイム方式を採用。ブロンコIIを継承した2ドアモデルとホイールベースを延長した4ドアモデルが発売された。また、2ドアモデルに限り北米市場においてマツダへ「ナバホ」(Navajo)としてOEM供給されていた。

日本へは1991年より2ドアモデルの「sport」と4ドアモデルの「XL」「エディー・バウアー」の3グレードが導入された。翌年には「XL」の輸入が廃止され、1993年モデルでは4ドアの「XL-T」が導入された。

2代目(1994年-2003年)UN105/UN150型 編集

フォード・エクスプローラー(2代目)
UN105/UN150型
 
概要
製造国   アメリカ合衆国
  ベネズエラ
販売期間 5ドア:1994年11月 - 2000年12月[2](生産終了)
3ドア:1994年11月 - 2003年7月(生産終了)
デザイン ボブ・アイキンス
ボディ
乗車定員 5/7名
ボディタイプ 3/5ドアSUV
駆動方式 後輪駆動
四輪駆動
パワートレイン
エンジン 4.0L V型6気筒
5.0リッター V型8気筒
変速機 5速MT
4/5速AT
車両寸法
ホイールベース 2,565-2,570mm (3ドア)
2,830-2,835mm (5ドア)
全長 4,535-4,560mm (3ドア)
4,825mm (5ドア)
全幅 1,780mm
全高 1,715mm (3ドア)
1,710mm (5ドア)
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1994年それまでの角張ったフロントマスクから当時フォードが推し進めていたオーバルデザインコンセプトに基づき、空力的にもデザイン的にもあか抜けたものに変更された。ただし、ドアパネルや窓ガラスなど一部は初代と共通である。また同時にフロントアクスルが従来のツイントラクションビーム+コイルスプリングからダブルウィッシュボーン+トーションバーに変更された。4WDシステムはコントロールトラックAWD[注釈 1]が採用された。1996年では一部グレードに4.0L V6SOHCエンジンが搭載された[注釈 2]。グレードはリミテッド/エディバウアー/XLT/XL。

日本へは継続して輸入されたが1996年から4ドアモデルは右ハンドル化された。これはプローブに続く北米フォード車としては2台目の右ハンドルモデルである。また2ドアショートモデルは1994年からエクスプローラー・エクスペディションという名称で日本へ輸入されていたが2ドアモデルゆえの使い勝手の悪さや、この頃流行したキャンパーキットを搭載して8ナンバー(特種用途車)に改造するのに室内寸法が足りない等の理由で売れ行きが芳しくなかったため、1997年モデルで輸入が終了した。エクスペディションという名称が付いているが上級車種のエクスペディションとは関係ない。3ドアショートは左ハンドル仕様のみであった。また1997年には姉妹車のマーキュリー・マウンテニアが登場した。2001年モデルで、4ドアモデルをベースに、荷室から屋根を取り払ったピックアップトラック型の派生モデル、フォード・エクスプローラー スポーツトラックが登場した。リミテッドグレードは1997年まで販売された。

北米モデルはサイドミラーの折りたたみが手動であったが、日本仕様では電動格納ミラーを装備。日産シーマのミラーを流用している(外観が酷似)との噂もあった。日本同様左側通行の英国および豪州モデルのサイドミラーは北米モデルと同形状である。

1998年モデルでは、リヤゲート・リヤランプ・リヤバンパーの形状が変更された。1999年モデルより、フロントバンパー・オーバーフェンダーの形状が変更され、下位グレードのXL−スポーツがラインアップに加わった。1999年式エディバウアーは、ランニングボード(サイドステップ)左右両端にアプローチランプ(足元灯)が装備された(翌年モデルでは撤去)。2001年モデルでは、限定車のブラックエディバウアーが発売された。

リコール問題 編集

2000年、標準装着されていたファイアストンタイヤリコール訴訟問題が発生。米国高速道路交通安全局がフォード及びファイアストンに対し、タイヤの破裂によるエクスプローラーの事故発生率が高いことを指摘した。調査の結果、フォードはタイヤのリコール・無料交換プログラムの実施、ファイアストンは問題となったタイヤの自主回収を実施し、大問題となった。その後、責任の所在について両社は泥仕合を展開することになる。

しかし2005年10月に、ファイアストンが実施したタイヤ自主回収、およびフォードが行ったタイヤ交換プログラムに関連する費用精算を含む事項などで、ファイアストンとフォードの間で和解が成立した。これによりファイアストンはフォードに対し2億4,000万ドルを支払うことになった。

また、この問題を契機にアメリカ合衆国ではタイヤ空気圧監視システムの装備が義務付けられた。

3代目(2000年-2005年)U152型 編集

フォード・エクスプローラー(3代目)
U152型
 
概要
製造国   アメリカ合衆国
  ベネズエラ
販売期間 2000年11月 - 2005年6月(生産終了)
デザイン エドワード・ゴールデン
ボディ
乗車定員 7名
ボディタイプ 5ドアSUV
駆動方式 後輪駆動/四輪駆動
パワートレイン
エンジン 4.0L V型6気筒
4.8L V型8気筒
変速機 5速MT/5速AT
車両寸法
ホイールベース 2,890mm
全長 4,800mm
全幅 1,830mm
全高 1,800mm
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キープコンセプトで登場した3代目は四輪独立懸架サスペンションの採用、4.6LV8SOHCエンジン(リンカーン、マーキュリーにも搭載されるいわゆるモジュラーエンジン)搭載モデルの登場など、大きく商品力アップがなされた。4WDシステムは先代と同じくコントロールトラックAWDを採用。また4輪独立サスおよび1,000項目以上にもおよぶNVH対策が施されたシャシーはSUVとしてはトップクラスの静粛性や走行性能を誇る。

日本へは2001年より4.6L V8SOHCエンジン搭載のエディー・バウアーと4リッターV6エンジン搭載のXLTが輸入開始。当初より右ハンドルモデルであるが、2005年2月に特別仕様車として200台限定で左ハンドルモデルが販売されている。

2004年頃、ドラマ「冬のソナタ」で主人公のイ・ミニョン(ペ・ヨンジュン)の愛車として登場したことを発端として白のエクスプローラーに関する問い合わせが殺到した時期があった[3]

4代目(2005年-2010年)U251型 編集

フォード・エクスプローラー(4代目)
U251型
 
概要
製造国   アメリカ合衆国
  ベネズエラ
販売期間 2005年7月 - 2010年12月(生産終了)
デザイン ジェフ・ナワク
ボディ
乗車定員 7名
ボディタイプ 5ドアSUV
駆動方式 後輪駆動/四輪駆動
パワートレイン
エンジン 4.0L V型6気筒
4.6L V型8気筒
変速機 5/6速AT
車両寸法
ホイールベース 2,890mm
全長 4,900mm
全幅 1,855mm
全高 1,800-1,850mm
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2005年秋に2006年モデルとしてビッグマイナーチェンジが行なわれ、大幅なフェイスリフトが実施された。メッキを多用した外観やエディー・バウアーには6速ATが採用されるなど、さらに商品力のアップに磨きをかけている。また、同時にオーストラリアへの輸出が中止され、右ハンドル仕様の生産も終了した。そのため日本仕様も左ハンドルのみとなった。

2010年5月11日、アメリカンなイメージをテーマとした特別仕様車「XLT ADVENTURE AMERICA(アドベンチャー・アメリカ)」を設定。最量販機種「XLT」をベースに、外板色にアメリカの国旗“Stars and Stripes”をイメージしたレッド、ブルー、ホワイトの3色をラインアップ。内装色は全車ともブラックを採用した。 またウインカー内蔵クロームドアミラーカバーやスポーツテールエンドパイプ、シルバープレート付きスプラッシュガード、さらにサイドガーニッシュを装備するなどシルバーのアクセサリーを装着しアメリカンなイメージを強調させている。 価格はベースモデルに対し据え置き。430万円で限定50台。

5代目(2010年-2019年)U502型 編集

フォード・エクスプローラー(5代目)
U502型
 
概要
製造国   アメリカ合衆国
  ベネズエラ
  ロシア
販売期間 2010年12月 - 2019年3月(生産終了)
デザイン 前期型:ブライアン・イザードジョージ・ブッチャー
後期型:マイク・アーボー
ボディ
乗車定員 7名
ボディタイプ 5ドアSUV
駆動方式 前輪駆動/四輪駆動
パワートレイン
エンジン 2.0/2.3L 直列4気筒
3.5/3.7L V型6気筒
変速機 6速AT
車両寸法
ホイールベース 2,860mm
全長 5,010mm
全幅 2,000mm
全高 1,790mm
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前期型 編集

2010年7月にフルモデルチェンジを行い、5代目に移行。このモデルではこれまでのモデルから大胆な転換が行われ、トーラスをベースとしたFFならびにFFベースの4WDに変更された。エンジンも大幅に見直され、V6・3.5Lに加え直噴可変バルブ機構ターボチャージャーを組み合わせた「エコブースト」エンジンの直列4気筒2.0L版を搭載する[4]ほか、トラックベースのシャーシに代わってユニボディ構造を採用するなどの変更によって現行モデル比で25%の大幅な燃費向上を図るとしている[4]。また、新しいテレイン・マネージメント・システムも導入される。これはランドローバーのテレイン・レスポンスとよく似たもので、ダイヤル式のスイッチで5種類の路面状況(ノーマル、雪道、砂地、泥、岩場)に応じて車両のセッティングを最適化する[5]

2011年に発売されるポリスインターセプター・ユーティリティーは、エクスプローラーがベースとなる。エンジンはV6の自然吸気に6速オートマチックを組み合わせ、駆動方式は前輪駆動と四輪駆動が選べる。

日本国内ではV6・3.5Lの2グレードの導入を2011年5月に発表、9月より輸入が開始される。翌2012年からはエコブーストも導入。

後期型 編集

2014年11月、ロサンゼルスオートショーに2016年モデルとして後期型が発表された。フロントマスクはヘッドライト、バンパー、グリル、フェンダーの全てが新造形となり、表情を一新。併せて、LEDヘッドランプも新採用し、リヤコンビネーションレンズも新意匠としている。

インテリアについても素材を見直すことで質感を向上させ、テレイン・マネージメント・システムはタッチパネル方式からボタン式に変更して操作性を向上させた。

装備面においてもアップデートが図られており、スマートキーレスエントリーシステム、ウォッシャー機能付きリアビューカメラを全モデルに標準採用したほか、クーガ等で採用済のハンズフリーパワーリフトゲートを新たに搭載した。

エコブーストは排気量を2.0Lからマスタングと同じ2.3Lに変更することで、出力を向上。同時に、トーラスで採用済のV6・3.5Lエコブーストを2016年に追加する予定があることも発表した。

日本においては、2015年10月7日に発表(発売開始は同月31日)されている。フォードは日本市場から撤退したため、残りは在庫限りとなった。

6代目(2019年-)U625型 編集

フォード・エクスプローラー(6代目)
U625型
 
概要
製造国   アメリカ合衆国
販売期間 2019年5月 -
ボディ
乗車定員 7名
ボディタイプ 5ドアSUV
プラットフォーム フォード・CD6プラットフォーム
パワートレイン
エンジン 2.3L 直列4気筒
3.0/3.3L V型6気筒
変速機 10速AT
車両寸法
ホイールベース 3,030mm
全長 5,050mm
全幅 2,000mm
全高 1,780mm
車両重量 1,971 – 2,144kg
その他
姉妹車 リンカーン・アビエーター
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2019年1月、デトロイトモーターショーにて6代目モデルを発表[6]、同年5月に販売を開始。リンカーン・アビエーターとの兄弟車種とすべく、先代のFFベースのプラットフォームから、4代目まで採用したFRベースのプラットフォームに回帰した。

車名の由来 編集

「Explorer」は英語で探検家という意味である。

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ ボルグワーナー製。2代目いすゞ・ビッグホーンに1995年5月から採用された「トルク・オン・デマンド」と同じもの。
  2. ^ 排気量が4,000ccをわずかに上回るため、自動車税は4,001 - 4,500ccの税額である76,500円になる。

出典 編集

  1. ^ Ford Explorer Rollover History Tire Recall Chronology”. Willis Law Firm. 2015年9月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年9月17日閲覧。
  2. ^ SPORT-UTILITY VEHICLES : Enduring style or 'flash in pan'?”. Nl.newsbank.com. 2017年3月27日閲覧。
  3. ^ “『冬のソナタ』効果、白のエクスプローラーに大ヒットの予感”. Response.. (2004年7月23日). http://response.jp/article/2004/07/23/62378.html 
  4. ^ a b FORD ADDS THREE MORE ECOBOOST ENGINES IN 2010”. フォード・モーター (2010年4月12日). 2010年4月13日閲覧。
  5. ^ Zach Bowman (2010年4月15日). “2011 Ford Explorer will debut new four-mode terrain management tech [w/video]”. Autoblog. 2010年4月16日閲覧。
  6. ^ 「ザ・アメリカンSUV」の「フォード・エクスプローラー」が新型に”. CARSMEET (2019年1月15日). 2019年9月25日閲覧。

関連項目 編集