フランシスコ・デ・アビラ

フランシスコ・デ・アビラ(Francisco de Avila、1573年 - 1647年)は、南アメリカで活動した司祭である。

彼は「偶像崇拝撲滅運動家[1]」でありつつも、インディオの儀式と慣習に関しての、彼の時代における最も活動的な調査員の一人であった。

経歴 編集

アビラが自分自身について語るには、捨て子として (quorum parentes ignorantur) 生まれたという。

著作 編集

1608年に、アビラは『ワロチリ、ママ、およびチャクラ地方のインディオたちが、過去および現在においても、信じかつ行い、彼らの魂の大いなる堕落の元になっているところの、もろもろの罪、えせの神々、その他のさまざまなる迷信、邪悪な祭儀に関する記録[3]』(題 "Errors, False Gods, and Other Superstitions of the Indians of the Provinces of Huarochiri, Mama, and Chaclla")を書いた。それについては、まず6つの章だけがあり、そして英語に翻訳された[注釈 1]ことが知られている。それは、ペルーのインディオと彼らの伝承に関する知識についての寄稿である[4]

1611年、アビラはペルー東部のワヌコのインディオについての報告書を書いた。それについて、公にされなかった稿本が現存している。

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ ペルー・インカの神話』198頁の説明によると、1873年にイギリスの著述家クレメンツ・マーカムによる英訳がハクルート協会英語版から出版された。

出典 編集

  1. ^ インカの神話』102頁。
  2. ^ 谷口智子 2000, p. 44頁脚注.
  3. ^ ペルー・インカの神話』198頁。
  4. ^ インカの神話』102頁によると、1608年にアビラの指示によりまとめられた、おそらくは地元の人々の手でケチュア語で書かれた文書は『ワロチリの記録』とされている。

参考文献 編集

  • アートン, ゲイリー『インカの神話』佐々木千絵訳、丸善〈丸善ブックス 098〉、2002年11月。ISBN 978-4-621-06098-8 
  • オズボーン, ハロルド『ペルー・インカの神話』田中梓訳、青土社、1992年11月。ISBN 978-4-7917-5219-5 
  • 谷口智子『新世界の悪魔 : 植民地ペルーにおける文化接触の宗教学的考察』 筑波大学〈博士(文学) 乙第1663号〉、2000年。doi:10.11501/3188076NAID 500000209624https://doi.org/10.11501/3188076。"記事中の固有名詞のカタカナ表記は当該論文に拠った"。 
  • 本稿は、パブリックドメインの1913年刊行『Catholic_Encyclopedia』の項目Francisco de Avilaの内容を含む。

関連項目 編集