クイントリス・ロペス・ジョーンズ・ジュニアQuintorris Lopez "Julio" Jones,Jr.1989年2月8日 - )は、アメリカ合衆国アラバマ州フォーリー出身のアメリカンフットボール選手。現在NFLフィラデルフィア・イーグルスに所属している。ポジションはワイドレシーバー(WR)。プロボウルに7回出場している。

フリオ・ジョーンズ
Julio Jones
refer to caption
フィラデルフィア・イーグルス #80
ポジション ワイドレシーバー
生年月日 (1989-02-08) 1989年2月8日(35歳)
出身地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
アラバマ州フォーリー
身長: 191cm
体重: 100kg
経歴
大学 アラバマ大学
NFLドラフト 2011年 / 1巡目全体6位
初出場年 2011年
初出場チーム アトランタ・ファルコンズ
所属歴
2011 - 2020 アトランタ・ファルコンズ
2021 テネシー・タイタンズ
2022 タンパベイ・バッカニアーズ
2023 - フィラデルフィア・イーグルス
受賞歴・記録
オールプロ選出(2回)
2015年、2016年
プロボウル選出(7回)
2012年、2014年-2019年
その他受賞・記録
オールプロセカンドチーム選出3回 (2017年、2018年、2019年)
NFLレシービングヤードリーダー(2015年、2018年)
NFLレシーブリーダー(2015年)
BCSナショナルチャンピオン(2009年)
NFL2010年代オールディケイドチーム
NFL 通算成績
(2021年終了時点)
レシーブ数 879回
レシーブ獲得ヤード 13,330ヤード
平均獲得ヤード 15.2ヤード
TDレシーブ 61回
Player stats at NFL.com
Player stats at PFR

経歴 編集

プロ入りまで 編集

高校時代はワイドレシーバーとディフェンシブエンドとしてプレーした。高校3年次の2006年には75回のレシーブで1306ヤードを獲得、16TDをあげた。2007年にルイジアナ州バトンルージュで行われたナイキキャンプでは40ヤード走で4.55秒、垂直跳びで98.0cmを記録した。アメリカンフットボール以外にもバスケットボール陸上競技チームにも所属しており、走幅跳で7m40cm、三段跳で14m52cmを記録するなど、2006年、2007年の州のチャンピオンとなった。走高跳でも1m98cmを記録、州の2007年屋内チャンピオンとなっている。短距離走でも100m走で自己ベスト11秒13を記録した。

Rivals.comからは5つ星をつけられ、2008年の全米ナンバーワンWRに評価された[1]。2008年2月6日、アラバマ大学に進学することを公表した。

1年次の2008年より彼は活躍、全米3位のジョージア大学との対戦では5回のレシーブで94ヤードを獲得、22ヤードのTDレシーブをあげた。ライバル校のテネシー大学戦では6回のレシーブで103ヤードを獲得した。さらに2週後の全米16位のルイジアナ州立大学戦では7回のレシーブで128ヤードを獲得、オーバータイムには23ヤードの決勝TDパスをキャッチした。フロリダ大学とのサウスイースタン・カンファレンス選手権では64ヤードのTDパスをキャッチするなど活躍したが、チームは20-31で敗れた。この年彼58回のレシーブで924ヤードを獲得、4TDをあげて、カンファレンスのセカンドチーム及び最優秀新人に選ばれた。1年目の活躍に対してESPNダラス・カウボーイズで活躍したマイケル・アービンと比較を行った。またNFLのスカウトはアリゾナ・カージナルスラリー・フィッツジェラルドとの比較を行った。

2年次の2009年にはジョージアドームで行われたバージニア工科大学との開幕戦ではこの年ハイズマン賞を受賞するマーク・イングラム・ジュニアによるラン攻撃で相手を圧倒するなど、4回のレシーブで46ヤードを獲得するにとどまった。シーズン初TDをあげたのは9月下旬のことであった。メディアからは2年目のジンクスと書き立てられたが、ルイジアナ州立大学戦で決勝となる73ヤードのTDレシーブをあげるなど、102ヤードを獲得、オーバーン大学では第4Qに同じドライブで、3回の第3ダウンを更新するキャッチを成功するなどの活躍を見せた。

チームはレギュラーシーズンを12戦無敗で終え、カンファレンス選手権でフロリダ大学を32-13、BCSナショナル・チャンピオンシップ・ゲームテキサス大学を37-21で破り、カレッジフットボール全米チャンピオンとなった。

3年次の2010年は78回のレシーブで1133ヤードを獲得、7TDをあげた。3シーズンで彼は大学歴代2位の179レシーブ、2653ヤード、歴代4位の15TDをあげた。この年彼はチームメートのマーク・バロンマーセル・ダリウスバレット・ジョーンズとともに、AP通信よりオールアメリカンに選ればれた[2]

2011年1月7日、彼はチームメートのマーク・イングラム・ジュニアグレッグ・マッケロイマーセル・ダリウスとともに、最終学年には進学せずにNFLドラフトにアーリーエントリーすることを決定した。

大学での通算成績 編集

年度 チーム 試合 ラン レシーブ パントリターン キックオフリターン
出場 先発 回数 獲得
ヤード
損失
ヤード
Net 平均
獲得
ヤード
TD 最長
獲得
ヤード
Avg/G 回数 獲得
ヤード
平均
獲得
ヤード
TD 最長
獲得
ヤード
Avg/G 回数 獲得
ヤード
平均
獲得
ヤード
TD 最長
獲得
ヤード
回数 獲得
ヤード
平均
獲得
ヤード
TD 最長
獲得
ヤード
2008 アラバマ 14 14 0 0 0 0 0 0 0 0 58 924 15.9 4 64 66 2 11 5.5 0 10 1 21 21 0 21
2009 13 13 2 5 1 4 2 0 5 0.3 43 596 13.9 4 73 45.8 5 75 15 0 33 1 12 12 0 12
2010 13 13 8 135 0 135 16.9 2 56 10.4 78 1,133 14.5 7 68 87.2 5 44 8.8 0 41 5 129 25.8 0 36
通算 40 40 10 140 1 139 13.9 2 56 3.5 179 2,653 14.8 15 73 66.3 12 130 10.8 0 41 7 162 23.1 0 36

アトランタ・ファルコンズ 編集

プレドラフト測定結果
身長 体重






40Yrd



20Yrd



3

















6 ft 2+34 in
(190 cm)
220 lb
(100 kg)
33+34 in
(86 cm)
9+34 in
(25 cm)
4.39 s 4.25 s 6.66 s 42 in
(107 cm)
11 ft 7 in
(3.53 m)
17 回
All values from 2011年のNFLドラフト[3]
 
2012年のプレーオフ

2011年のNFLドラフト1巡全体6位でアトランタ・ファルコンズに指名された。彼の指名をするため、ファルコンズはトレードアップを行い、2011年の1巡27位、2巡59位、4巡124位、2012年のドラフト1巡、4巡の5つの指名権をクリーブランド・ブラウンズに渡した[4]。同年7月28日、4年1620万ドルの契約を結んだ。第9週のインディアナポリス・コルツ戦でプロ初TDをあげた。この年54回のレシーブ(新人3位)で959ヤード(新人2位)を獲得、新人最多の8TDをあげた。

2012年、79回のレシーブで1198ヤードを獲得、10TDをあげて、初のプロボウルに選ばれた。この年チームメートのロディ・ホワイトも1000ヤード以上を獲得、ファルコンズにとっては第33回スーパーボウルに進出した1998年以来2人のレシーバーが1000ヤード以上を獲得したシーズンとなった。チームは13勝3敗でNFC第2シードでプレーオフに進出した。ディビジョナルプレーオフのシアトル・シーホークス戦では試合最後のプレーでヘイルメアリーパスをインターセプトした。

2013年、第5週のニューヨーク・ジェッツ戦での足の負傷により、10月9日シーズン残り試合を欠場することが発表された。

2014年4月29日、ファルコンズは5年目の契約オプションを行使した[5]。第13週の試合では10回のレシーブで自己ベストとなる189ヤードを獲得した。翌週のグリーンベイ・パッカーズとのマンデーナイトフットボールではその記録を更新する259ヤードを獲得した。この年1試合を怪我で欠場したものの104回のレシーブでチーム記録となる1593ヤードを獲得した[6]

2015年8月29日、ファルコンズと5年7150万ドル(保証額4700万ドル)の契約を結んだ。この年2012年にカルビン・ジョンソンが記録した1964ヤードに次ぐ、NFL史上2位となる1871ヤードを獲得した。またピッツバーグ・スティーラーズアントニオ・ブラウンと並ぶNFLトップの136回のレシーブを記録、レシーブ回数も2002年インディアナポリス・コルツマービン・ハリソンが記録した143回に次ぐNFL歴代2位の記録であった。3度目のプロボウルに選ばれるとともに、オールプロファーストチームにも初めて選出された。この年の活躍でNFLトップ100選手の8位にランクされた[7]

2016年、第4週のカロライナ・パンサーズ戦では12回のレシーブで300ヤードを獲得、1TDをあげた。NFLの試合で300ヤード以上獲得したのはジョーンズで6人目のことであった。この試合でQBマット・ライアンは503ヤードを獲得した[8]。この年彼は83回のレシーブで1409ヤードを獲得、6TDをあげて、3年連続4回目のプロボウルに選ばれるとともに、オールプロファーストチームにも2年連続で選ばれた[9]ニューイングランド・ペイトリオッツとの第51回スーパーボウルでは4回のレシーブで87ヤードを獲得、チームは28-34で敗れてスーパーボウルリング獲得はならなかった。

2018年11月のクリーブランド・ブラウンズ戦で104試合目の出場にして、レシーブ獲得10000ヤードを超えた。これはNFL史上最速の記録であり、これまでの記録保持者は、115試合目で達成したカルビン・ジョンソンであった[10]

 
2019年のジョーンズ

2019年シーズン開幕前に3年6,600万ドルでファルコンズと契約延長した[11]。 このシーズンでは、第4週のテネシー・タイタンズ戦で通算127試合目にしてレシーブ獲得が11000ヤードを超え[12]、第16週のジャクソンビル・ジャガーズ戦では142試合目にしてレシーブ獲得12000ヤードを超えた。いずれもNFL史上最速の記録となっている[13]

2020年はハムストリングの怪我の影響もあり[14]、9試合の出場に留まった。ジョーンズはこのシーズン終了後にファルコンズを退団する意向を示した[15]

テネシー・タイタンズ 編集

2021年6月、ドラフト指名権とのトレードでテネシー・タイタンズへ移籍した[16]

シーズンでは怪我に悩まされ、10試合の出場に留まり、パスキャッチ31回・434獲得ヤード・レシーブTD1回はそれぞれキャリアワーストの数字であった。 2022年3月16日にリリースされた[17]

タンパベイ・バッカニアーズ 編集

2022年7月27日にタンパベイ・バッカニアーズと1年契約を結んだ[18]

フィラデルフィア・イーグルス 編集

2023年10月17日にフィラデルフィア・イーグルスと1年契約を結んだ[19]

レギュラーシーズン 編集

年度 チーム

試合 レシーブ ラン ファンブル
出場 先発 回数 獲得
ヤード
平均
獲得
ヤード
Y/G 最長
ヤード
TD 回数 獲得
ヤード
平均
獲得
ヤード
Y/G 最長
ヤード
TD ファン
ブル数
ロスト
2011 ATL 11 13 13 54 959 17.8 73.8 80 8 6 56 9.3 4.3 19 0 1 1
2012 16 15 79 1,198 15.2 74.9 80 10 6 30 5.0 1.9 19 0 0 0
2013 5 5 41 580 14.1 116.0 81 2 1 7 7.0 1.4 7 0 2 1
2014 15 15 104 1,593 15.3 106.2 79 6 1 1 1.0 0.1 1 0 2 1
2015 16 16 136 1,871 13.8 116.9 70 8 3 1
2016 14 14 83 1,409 17.0 100.6 75 6 0 0
2017 16 16 88 1,444 16.4 90.3 53 3 1 15 15.0 0.9 15 0 0 0
2018 16 16 113 1,677 14.8 104.8 58 8 2 12 6.0 0.8 11 0 2 2
2019 15 15 99 1,394 14.1 92.9 54 6 2 0 0.0 0.0 1 0 1 0
2020 9 9 51 771 15.1 85.7 44 3 0 0
2021 TEN 2 10 10 31 434 14.0 43.4 51 1 0 0
NFL:11年 145 144 879 13,330 15.2 91.9 81 61 19 120 6.2 1.0 19 0 11 6
  • 2021年度シーズン終了時
  • 太字は自身最高記録
  • は各年度のリーグ最高記録
  • はNFL記録

ポストシーズン 編集

年度 チーム 試合 レシーブ ラン ファンブル
出場 先発 回数 獲得
ヤード
平均
獲得
ヤード
最長
ヤード
TD 回数 獲得
ヤード
平均
獲得
ヤード
最長
ヤード
TD ファン
ブル数
ロスト
2011 ATL 1 1 7 64 9.1 20 0 1 13 13.0 13 0 0 0
2012 2 2 17 241 14.2 46 2 1 −1 −1.0 −1 0 0 0
2016 3 3 19 334 17.6 73 3 0 0 0
2017 2 2 18 195 10.8 27 1 1 13 13.0 13 0 0 0
2021 TEN 1 1 6 62 10.3 16 0 0 0
通算 9 9 67 896 13.4 73 6 3 25 8.3 13 0 0 0

脚注 編集

  1. ^ 2008 Prospect Ranking”. Rivals.com (2008年). 2017年4月22日閲覧。
  2. ^ Izzy Gould (2010年12月14日). “AP All-American teams include four from Alabama”. al.com. 2017年4月22日閲覧。
  3. ^ “Julio Jones Combine Profile”, NFL.com, オリジナルのMarch 3, 2011時点におけるアーカイブ。, https://web.archive.org/web/20110303044004/http://www.nfl.com/combine/profiles/Julio-Jones?id=2495454 2021年3月4日閲覧。 .
  4. ^ ADams Stites (2017年1月22日). “Julio Jones trade worked out for the Falcons while the Browns screwed up everything”. sbnation.com. 2017年4月22日閲覧。
  5. ^ Jay Adams (2014年4月29日). “Falcons Exercise Fifth Year on Jones”. アトランタ・ファルコンズ. 2017年4月22日閲覧。
  6. ^ Vaughn McClure (2015年8月30日). “Lifetime guarantee? Julio Jones, Falcons reach 5-year, $71.25M deal”. ESPN. 2017年4月22日閲覧。
  7. ^ TOP 100 PLAYERS OF 2016”. nfl.com (2016年). 2017年4月22日閲覧。
  8. ^ Chris Wesseling (2016年10月2日). “Matt Ryan, Julio Jones set records in win over Panthers”. nfl.com. 2017年4月22日閲覧。
  9. ^ Three rookies, Matt Ryan among players named to All-Pro team”. nfl.com (2017年1月6日). 2017年4月22日閲覧。
  10. ^ Julio Jones becomes fastest receiver to 10,000 yards”. ESPN (2018年11月12日). 2020年1月9日閲覧。
  11. ^ “ファルコンズWRジョーンズが3年約70億円で契約延長へ”. NFL JAPAN. (2019年9月9日). https://nfljapan.com/headlines/43193 2021年6月13日閲覧。 
  12. ^ Julio Jones becomes fastest receiver to reach 11,000 yards”. Atlanta Falcons (2019年9月29日). 2021年6月13日閲覧。
  13. ^ Julio Jones surpasses Jerry Rice as fastest player to 12,000 receiving yards”. Atlanta Falcons (2019年12月22日). 2021年6月13日閲覧。
  14. ^ “ファルコンズWRジョーンズのハムストリングは第2週に悪化”. NFL JAPAN. (2020年9月24日). https://nfljapan.com/headlines/56125 2021年6月13日閲覧。 
  15. ^ “ファルコンズ離脱を示唆したWRジョーンズ”. NFL JAPAN. (2021年5月25日). https://nfljapan.com/headlines/64567 2021年6月9日閲覧。 
  16. ^ “ファルコンズがWRフリオ・ジョーンズをタイタンズにトレードへ”. NFL JAPAN. (2021年6月9日). https://nfljapan.com/headlines/64851 2021年6月13日閲覧。 
  17. ^ “タイタンズが1シーズンでWRフリオ・ジョーンズをリリース”. NFL JAPAN. (2021年3月17日). https://nfljapan.com/headlines/74976 2022年8月24日閲覧。 
  18. ^ “バッカニアーズがWRフリオ・ジョーンズと1年契約”. NFL JAPAN. (2022年7月27日). https://nfljapan.com/headlines/78430 2022年8月24日閲覧。 
  19. ^ “Eagles sign Julio Jones”. (2023年10月17日). https://www.philadelphiaeagles.com/news/eagles-sign-julio-jones }

外部リンク 編集


先代
ショーン・ウェザースプーン
アトランタ・ファルコンズ
ドラフト1巡指名
2011年
次代
デズモンド・トルファント