ブラックバーン リンコック

ブラックバーン リンコック(Blackburn F.2 Lincock)は1920年代後期のイギリスの戦闘機である。イギリス空軍には採用されなかったが少数が製造され中国空軍、日本陸軍に少数機が納入された。

リンコック II

1928年にブラックバーンは、アームストロング・シドレー リンクス IVCエンジンを装着した軽戦闘機を自主開発した。木製構造の複葉機で1928年5月に完成した。性能は良好であったがイギリス空軍の受注は得られなかった。カナダ政府が興味を示し金属構造に改められたリンコック IIが製作され、1930年にテストされた。高等練習機としての採用が検討されたが、採用されず試作機は1933年、1934年に曲技飛行を公開した[1]

最終型のリンコック IIIは5機が製作され、2機は中国空軍に、2機が日本陸軍に輸出され、1機はデモ機として残された。イタリア空軍も興味を示し、ピアジオが2座席練習機として生産するライセンス契約を結び、1機のピアジオP.11が生産されたが量産されることはなかった。

派生型 編集

  • リンコック I - 木製構造試作機、1機製作
  • リンコック II - 金属構造試作機、1機製作
  • リンコック III - 生産型5機製作

仕様 編集

 
ブラックバーン リンコック
  • 乗員: 1 名
  • 全長: 5.94 m
  • 全幅: 6.86 m
  • 全高: 2.24 m
  • 空虚重量: 601 kg
  • 総重量: 944 kg
  • エンジン: アームストロング・シドレー リンクス IVC 270 hp × 1 基
  • 最高速度:264 km/h
  • 航続距離:612 km

出典 編集

  1. ^ Mason, Francis K (1992). The British Fighter since 1912. Naval Institute Press. ISBN 1-55750-082-7