ブリルアンの定理
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量子化学において、ブリルアンの定理(ブリルアンのていり、英: Brillouin's theorem)は、セルフコンシステントに最適化されたハートリー–フォック波動関数を考えると、基底状態と1電子励起状態(すなわち、占有された軌道aが仮想軌道rによって置き換えられている)の行列式間のハミルトニアンの行列要素がゼロでなければならない、と述べる。
1934年にフランスの物理学者レオン・ブリルアンによって提唱された。
この定理は、数ある応用の中でも、配置間相互作用法を構築するうえで重要である。つまり、HF基底状態は1電子励起状態の混合によって改善されず、2電子励起状態が最初の補正を与える。
定理の別の解釈は、(HFあるいはDFTといった)1粒子法によって解かれた基底電子状態がすでに1電子励起配置と基底状態配置の配置間相互作用を暗黙的に含む、というものである。
証明 編集
系の電子ハミルトニアンは1電子演算子
これは、ハートリー–フォック方程式
出典 編集
- ^ Tsuneda, Takao (2014). “Ch. 3: Electron Correlation”. Density Functional Theory in Quantum Chemistry. Tokyo: Springer. pp. 73–75. doi:10.1007/978-4-431-54825-6. ISBN 978-4-431-54825-6
- ^ Surján, Péter R. (1989). “Ch. 11: The Brillouin Theorem”. Second Quantized Approach to Quantum Chemistry. Berlin, Heidelberg: Springer. pp. 87–92. doi:10.1007/978-3-642-74755-7_11. ISBN 978-3-642-74755-7
推薦文献 編集
- Cramer, Christopher J. (2002). Essentials of Computational Chemistry. Chichester: John Wiley & Sons, Ltd.. pp. 207–211. ISBN 978-0-471-48552-0
- Szabo, Attila; Neil S. Ostlund (1996). Modern Quantum Chemistry. Mineola, New York: Dover Publications, Inc. pp. 350–353. ISBN 978-0-486-69186-2