ヘウニ(혜은이[注釈 1]、本名:金承珠、キム・スンジュ[1][2]、1956年9月23日[注釈 2][3] - )は、大韓民国の女性歌手。美貌と歌唱力に恵まれ[4]、1970年代後半から80年代前半にかけて絶大な人気を誇った[5]。代表曲は「カムスグァン」「第三漢江橋」など。チルソンサイダーロッテバターココナッツなどCMソングも数多く歌った[6]

ヘウニ
혜은이
出生名 キム・スンジュ(金承珠)
生誕 (1956-09-23) 1956年9月23日(67歳)
出身地 大韓民国の旗 大韓民国済州道済州市
ジャンル 大衆歌謡、トロット、童謡
職業 歌手
活動期間 1975年 -

略歴 編集

済州道済州市楽浪区域出身の弁士金星擇(キム・ソンテク)と楽劇団員ジョン・スンシルの娘として生まれ、幼少期に大田市に移住する。

父が主催する「楽浪楽劇団[注釈 3]」で少女歌手として活動[3]。事業の失敗で家計が傾き、高校卒業後に歌手活動を始める[7]

1975年に「あなたは知らないの(당신은 모르실 거야)」で正式に歌手デビューし、一躍トップスターとなる。その後もヒット曲を連発した。また、キム・ヨンホ率いる楽劇団「AAA」専属歌手としても活動した[1]

1977年、ヤマハ主催世界歌謡祭に出場し、「あなただけを愛して」の歌唱で予選を勝ち抜いた[8]

1984年、実業家と結婚。5年後に離婚し、娘とも別離した[9]

1990年、キム・ドンヒョン (俳優)朝鮮語版と再婚。夫が映画製作事業で被った借金の返済に追われたため、第一線から退く[10]。第2子(息子)が誕生。2020年に30年連れ添ったキム・ドンヒョンと離婚した[11]

主な楽曲 編集

  • 「あなたは知らないの(당신은 모르실 거야)」1975年、作詞・作曲:吉屋潤 ※2001年にアイドルグループのピンクルがカバー。
  • 「カムスグァン(감수광)(カンスガンと表記することがある[12])」1977年、作詞・作曲:吉屋潤 ※済州方言で「行きますか?」を意味する。2014年に済州山地川噴水広場に歌碑が建立された[13]
  • 「あなただけを愛して(당신만을 사랑해)」1977年、作詞・作曲:吉屋潤
  • 「本当に本当に好きよ(진짜 진짜 좋아해)」1977年、作詞:文如松、作曲:吉屋潤
  • 「ティティパンパン(뛰뛰빵빵)」1977年、作詞・作曲:吉屋潤
  • 「第三漢江橋(제3한강교)」1979年、作詞・作曲:吉屋潤 ※2010年代の映画「江南1970」や「タクシー運転手」に使用された[6]
  • 「夜明けの雨(새벽비)」1979年、作詞・作曲:吉屋潤
  • 「熱情(열정)」1986年、作詞:梁仁子、作曲:金熙甲
  • 「青い国(파란나라)」1986年、作詞:池明吉、作曲:金明坤

※邦題はJASRACデータより(カムスグァンを除く)

出演 編集

映画 編集

ラジオ 編集

KBS第2ラジオ「ヘウニとチョン・ヒョンムのオジンオ」(2009年 - )[14]

注釈 編集

  1. ^ 世界歌謡祭公式サイトでの表記は「Hey Eunee (恵銀姫) ヘウニー」である。朝鮮語では子音で終わる名の場合は会話などで親しみを込めてイを付けて呼ぶ。一般的にヘウニはヘウンの愛称。
  2. ^ 戸籍上は1956年生まれだが、実際は1954年生まれである。(届けが遅れたため)
  3. ^ 1950年代に隆盛し、歌手のゴ・ボンサン、アン・ダソン、ユン・ボッキ、コメディアンのイ・ギドン、ナム・ソンナムなどを輩出した。

出典 編集

  1. ^ a b 혜은이Neo Music Communication IZM
  2. ^ “담배는 청자, 노래는 추자”新東亜 2005年4月22日
  3. ^ a b 가수 혜은이, 다시 열정에 불을 붙이다브라보마이라이프 2018年10月10日
  4. ^ [(주)경주신문사] 15일 경주서 ‘열정’의 DIVA 혜은이 리사이틀慶州新聞 2018年12月7日
  5. ^ ‘같이삽시다’ 혜은이, 눈물의 과거사 고백…“세월이 빨리 흘렀으면 했다”アジア経済 2018年7月22日
  6. ^ a b ;"요즘 흥행 영화 속에도 제 노래가 흐르는 건 그 자체로 영광" 다음스포츠 2017年12月13日
  7. ^ [그때 그 인터뷰] 평범한 샐러리맨과의 결혼 꿈꾸던 24세의 가수 혜은이interview365 2008年11月20日
  8. ^ 第8回世界歌謡祭YAMAHA
  9. ^ 김동현과 재혼 혜은이, 사업가 전 남편과 결혼 5년 만에 이혼한 사유는?釜山新聞 2018年9月3日
  10. ^ 혜은이·김동현씨 부부, “우린 아직도 서로 보면 마음이 짠해요”미주 중앙일보 2009年11月23日
  11. ^ 혜은이·김동현, 결혼 30년 만에 이혼…지난해 7월 각자의 길로” (朝鮮語). 한경닷컴 (2020年4月29日). 2022年9月25日閲覧。
  12. ^ 「韓国メロディー・ベスト・コレクション」ビクターエンタテインメント
  13. ^ 혜은이 히트곡 '감수광' 노래비, 22일 제주서 제막京郷新聞 2014年2月20日
  14. ^ 아저씨·아줌마에게 말을 걸다, 구수해진 라디오中央日報 2009年11月9日