ヘプタン酸エチル(ヘプタンさんエチル : ethyl heptanoate)は、ヘプタン酸エステルの一種。エナント酸エチル(enantic ether)とも呼ばれる。ワインに似た強い果実香を持ち、食品香料などに用いられる。消防法による第4類危険物 第3石油類に該当する[2]

ヘプタン酸エチル
ethyl heptanoate[1]
識別情報
CAS登録番号 106-30-9
特性
化学式 C9H18O2
モル質量 158.24
示性式 C6H13COOC2H5
外観 無色ないし淡黄色の液体
匂い ワイン様果実香
融点

-66℃

沸点

188.6℃

屈折率 (nD) 1.411-1.416
危険性
引火点 71℃
半数致死量 LD50 5g/kg以上(ラット経口・ウサギ経皮とも)
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

用途 編集

主に食品香料としてリンゴアンズパイナップルなどの果物系、バターチーズコーヒーナッツ洋酒フレーバーに、0.06~350ppmほど使用される。調合香料として使用されることは少ないが、香水にフルーツ感やシトラス感を与えるために使用されることがある[1]

関連項目 編集

出典 編集

  1. ^ a b 『合成香料 化学と商品知識』印藤元一著 2005年増補改訂 化学工業日報社 ISBN 4-87326-460-X
  2. ^ 法規情報 (東京化成工業株式会社)