ヘリカーオーン古希: Ἑλικάων, Helikāōn)は、ギリシア神話の人物である。長母音を省略してヘリカオンとも表記される。トロイアの老臣アンテーノールテアーノーの子で[1]アルケロコス[2][3]アカマース[2][4][3]ラーオドコス[5]ポリュボス[6]アゲーノール[6][7]イーピダマース[8]コオーン[9]ラーオダマース[10]デーモレオーン[11]エウリュマコス[12]グラウコスメドーン、テルシロコス[13]ヒッポロコス[14]、クリノーと兄弟[15]。またペーダイオスと異母兄弟[16]

ホメーロスによると、ヘリカーオーンはトロイアの王プリアモスの娘ラーオディケーと結婚していた[1][17]レスケスによると、ヘリカーオーンが夜戦で負傷したときオデュッセウスに助け出された[18]。トロイア陥落後はアンテーノール、ポリュダマースとともに脱出し、北イタリアに赴いた[19]。またデルポイにはヘリカーオーンが奉納した短剣が残っていた[19]

脚注 編集

  1. ^ a b 『イーリアス』3巻123行。
  2. ^ a b 『イーリアス』2巻823行。
  3. ^ a b 『イーリアス』12巻100行。
  4. ^ 『イーリアス』11巻60行。
  5. ^ 『イーリアス』4巻87行。
  6. ^ a b 『イーリアス』11巻59行。
  7. ^ 『イーリアス』21巻545行。
  8. ^ 『イーリアス』11巻221行。
  9. ^ 『イーリアス』11巻248行。
  10. ^ 『イーリアス』15巻516行-517行。
  11. ^ 『イーリアス』20巻395行。
  12. ^ スミュルナのクイントゥス、14巻。
  13. ^ ウェルギリウス『アエネーイス』6巻483行。
  14. ^ 高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』p.204b。
  15. ^ パウサニアース、10巻27・4。
  16. ^ 『イーリアス』5巻69行。
  17. ^ パウサニアース、10巻26・7。
  18. ^ パウサニアース、10巻26・8。
  19. ^ a b 高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』p.249a。

参考文献 編集