ベスブ石(ベスブせき、vesuvianite、ベスビアナイトとも)は、鉱物ケイ酸塩鉱物)の一種。名前は最初に発見されたイタリアのベスビオ火山に由来する。別名のアイドクレーズ(idocrase)は、ギリシャ語の"Eidos"(見かけ)と"Krasis"(混交)にちなんでルネ=ジュスト・アユイにより命名されたもので、結晶の形がジルコンなどと紛らわしいことによる。

ベスブ石
ベスブ石
ベスブ石
分類 ケイ酸塩鉱物
化学式 Ca19(Fe,Mn)(Al,Mg,Fe)8Al4
(F,OH)2(OH,F,O)8(SiO4)10(Si2O7)4
結晶系 正方晶系
へき開 なし
モース硬度 6.5
光沢 ガラス光沢〜樹脂光沢
緑、黄〜褐、赤、紫、青、白など
条痕
比重 3.4
プロジェクト:鉱物Portal:地球科学
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スカルン中に含まれる代表的鉱物で、共生する柘榴石に似ている。

含有する元素により多彩な発色を示すことから、数多くの別名が付けられている。そのうち、を含むシプリン英語版と、ホウ素を含み、光学的性質が異なるウィルアイト英語版(旧称:ビリュイ石 Viluite)は独立種に昇格した。これらを含むベスブ石グループ[1]2019年に定義され、10種が認められているが、組成が酷似しているため区別するには詳細な分析が必要となる。

参考文献 編集

関連項目 編集

脚注 編集

  1. ^ Vesuvianite group, mindat.org

外部リンク 編集