ベネラ15号(露:Венера-15)は、ソビエト連邦が計画した、金星を目指した惑星探査機である。この無人探査機の目的は金星表面の詳細な地表図を作成する事だった。探査機は次のベネラ16号と共に以前のベネラ計画の探査機を改造したものが用いられている。

ベネラ15号
Venera 15 trajectory.png 
ベネラ15号の軌道
所属 ソビエト連邦
国際標識番号 1983-053A
カタログ番号 14104
状態 運用終了
観測対象 金星
打上げ機 プロトンロケット
打上げ日時 1983年6月2日
GMT 02:38:39
最接近日 1983年10月10日
質量 4000 kg
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概要 編集

ベネラ15号は1983年6月2日に打ち上げられ、同年10月10日に金星軌道に到達した。数日の間をおいてベネラ16号も追従し、これらの探査機は互いに約4°ずれた軌道平面で金星を周回した。探査機は金星の北半球で近地点1000km°遠地点65000kmになる24時間周期の軌道を取っていた。 ベネラ15号は16号と共に金星の北半球北緯30°付近(金星表面の約25%)を8ヶ月間スキャンした。

構造 編集

ベネラ15号と16号は共にベネラ9号から14号の探査機をベースにした共通の構造になっていた。これらは長さ5m、直径60cmのボディの片方に1.4mの高さの弓形の合成開口レーダーが載っていて、さらに同じ箇所に直径1mの電波高度計用のパラボラアンテナも搭載されていた。ラジオ高度計のアンテナの電気軸はボディの軸にリンクしており、もう一つの合成開口レーダーの方は10度外側に向けて取り付けられていた。観測中は電波高度計が惑星表面に鉛直に向くように機体の向きが調整され、その間合成開口レーダーは10度外側を見るようになっていた。アンテナが付いている部分の反対側は燃料タンクと推進機関が搭載された円柱形の構造になっていた。ボディの両端には太陽電池パネルが翼状に広がっている。さらにボディの側面には直径2.6mの地球との通信用のパラボラアンテナが付いていた。15号、16号も共に重量は4000kgであった。

ベネラ15号と16号は共に合成開口レーダーを備え、これにより金星の厚い雲を通して地表を観測する事を目的としていた。観測されたデーターはイメージが完全になるまで観測器内部に搭載されたコンピューターに保存された。

以下に探査機に搭載された機材を示す。

  • Polyus-V合成開口レーダー
  • オメガレーダー高度計
  • 赤外線スペクトラムレーダー
  • 宇宙線探知機(6つのセンサー)
  • 太陽プラズマ採取機

関連項目 編集

外部リンク 編集