ベルリン北部線 (ベルリンほくぶせん、ドイツ語: Berliner Nordbahn)とは、ドイツ連邦共和国の首都ベルリンベルリン・ボルンホルマー・シュトラーセ駅からブランデンブルク州を経てメクレンブルク=フォアポンメルン州シュトラールズントシュトラールズント中央駅に至る全長222.6kmのドイツ鉄道の路線である。

ベルリン北部線
基本情報
ドイツの旗 ドイツ
起点 ベルリン
終点 シュトラールズント
路線番号 200.1、200.85、205、209.12
開業 1877年
運営者 ドイツ鉄道
路線諸元
路線距離 222.6 km
軌間 1,435 mm
線路数 複線(ノイシュトレリッツ中央駅以南)
単線(ノイシュトレリッツ中央駅 - シュトラールズント中央駅)
電化方式 交流15,000V 16.7Hz(長距離線)
第三軌条方式 直流750V(ベルリンSバーン)
最高速度 160 km/h
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停車場・施設・接続路線
eABZg+r
S-R線、旧シュトラールズント - トリップゼース線
BHF
222.6 シュトラールズント中央駅
ABZgl+l
シュトラールズント - ザスニッツ線
ABZgl
シュトラールズント - アンゲルミュンデ線
HST
214.7 ツァレンドルフ
BHF
211.2 エルメンホルスト
HST
208.3 ヴィッテンハーゲン
ABZg+l
旧グライフスヴァルト - トリップゼース線
BHF
199.6 グリメン
eABZgr
旧グライフスヴァルト - トリップゼース線
HST
192.7 トイツ・ルスト
eABZgl
旧トイツ・ルストー - ロイツ線
eABZgr
Militäranschluss
eABZgr
zur Zuckerfabrik
WBRÜCKE1
ペーネー川
BHF
176.1 デニム
WBRÜCKE1
トレントゼー川
HST
169.8 ウツェデル
BHF
165.2 シュテルンフェルト
HST
161.4 グネヴコー
BHF
149.1 アルテントレップトー
WBRÜCKE1
トレンゼー川
WBRÜCKE1
ダッツ川
eABZg+l
旧ノイブランデンブルク - フリートラント線
ABZg+r
ビューティ - シュチェチン線
eABZg+r
旧パルヒム - ノイブランデンブルク線
BHF
133.7 ノイブランデンブルク
ABZg+r
ビュツトー - シュチェチン線
BHF
125.4 ブルク・シュタルガルト(メクレンブルク)
HST
117.6 カミン(メクレンブルク)
BHF
113.4 ブランケンゼー(メクレンブルク)
ABZg+r
ノイシュトレーリッツ - ヴァルネミュンデ線
BS2+l BS2+r
BHF STR
98.5 ノイシュトレーリッツ中央駅
STR KDSTxe
旧ノイシュトレーリッツ南駅
ABZgl xABZg+r
KRZo xABZgr
ヴィッテンベルゲ - シュトラースブルク線
BS2l eBS2r
STR+GRZq
メクレンブルク=フォアポンメルン州 / ブランデンブルク州
ABZg+l
ブリッツ - フュルステンベルク線
BHF
78.0 フュルステンベルク(ハーヴェル)
WBRÜCKE1
ハーヴェル川
HST
65.4 ダネンヴァルデ
eABZg+r
旧グランゼー - ノイグロプソー線
BHF
56.2 グランゼー
ABZgxr+r
レーベンベルク - ヘルツベルク線
ABZg+l
レーベンベルク - プランツラウ線
BHF
44.3 レーヴェンベルク(マルクト)
HST
40.8 グリュネベルク
BHF
34.8 ナッセンハイデ
WBRÜCKE1
ハーヴェル川
eABZgl
nach Berlin-Karow
ABZg+l
von Berlin-Karow
BHF
29.5 ザクセンハウゼン北部線駅
BS2c1 BS2+r
KSBHFa BHF
27.4 オラニエンブルク S1終着駅
eABZg+l eABZgr
eABZgr STR
旧ナウエン - オラニエンブルク線
hKRZWae hKRZWae
オーデル=ハーヴェル運河
SHST STR
25.7 レーニッツ
SHST STR
22.5 ボルクスドルフ
WBRÜCKE1 WBRÜCKE1
ブリーゼー川
SBHF BHF
19.4 ビルケンヴァルダー(ベルリン近郊)
STR ABZgl
KRZo ABZgr
外環状線連絡
KRZu KRZu
ベルリン外環状線
SBHF STR
17.1 ホーエンノイエンドルフ(ベルリン近郊)
ABZgl xABZgl
外環状線連絡線、Sバーン緩行線
STR+GRZq exSTR+GRZq
ブランデンブルク州 / ベルリン
SBHF exSTR
13.1 ベルリン・フローナウ
SHST exBHF
11.1 ベルリン・ヘルムスドルフ
WBRÜCKE1 exWBRÜCKE1
テーゲル小川
SBHF exSTR
9.5 ベルリン・ヴァイトマンルスト
SHST exSTR
8.2 ベルリン・ヴィッテナウ
STR exABZg+l
ハイデクラウト線
SHST exSTR
5.6 ベルリン・ヴィルヘルムスルー
ABZg+r exABZg+r
クレーメン線
SBHF DST
3.8 ベルリン・ショェンホルツ
SHST STR
2.9 ベルリン・ヴォランク街
ABZg+l ABZg+l
ベルリン - シュチェチン線
SBHF STR
1.6 ベルリン・ボルンホルム街
ABZqlr xhkABZg23
Sバーン緩行線
xKRZo+k14
ベルリン環状線
exKDSTe
0.0 旧ベルリン・エバースヴァルト街 旧北駅(~1950)

概要 編集

今日では長距離列車および地域列車はホーエン・ノイエンドルフ駅からベルリン外環状線に入りベルリン=リヒテンベルク駅方面に向かう。ベルリン・ボルンホルマー・シュトラーセ駅 - ホーエン・ノイエンドルフ駅間はSバーンのみが運行されている。ノイシュトレーリッツ中央駅からはロストック方面に向かうノイシュトレーリッツ-ヴァーネミュンデ線が分岐する。

歴史 編集

19世紀半ばからベルリンから北に鉄道を敷設する計画は存在し、ベルリン北部鉄道株式会社(ドイツ語: Berliner Nord-Eisenbahn-Gesellschaft)がプロイセンメクレンブルク=シュトレーリッツの双方から鉄道敷設の免許を取得したが、財政的理由により1875年12月15日に解散した。最終的にはプロイセン政府が鉄道を建設することになり、1877年7月10日にはベルリン - オラニエンブルク - ノイシュトレリッツ - ノイブランデンブルク(134 km)、同年12月1日にはノイブランデンブルク - デミン(42 km)、翌1878年1月1日にデミン - シュトラールズント(47 km)が開業した。

ベルリン側のターミナル駅は当初エバースヴァルダー通り、現在のマウアーパルク付近にあったが貨物専用であった。旅客列車はパンコウ地区にあるヴォランクシュトラーセ駅発着であった。19世紀末には旅客列車はインヴァリーデン通り付近のシュテッティナー駅(後の旧ベルリン北駅、現在は廃止)発着に変更された。

1912年までに近郊線と長距離線 ゲズントブルンネン - フローナウ間の線路が近郊線と長距離線に分離され、同時に連続立体交差化された。1926年にはフローナウ - ボルクスドルフ間も同様の工事が完成した。1925年にゲズントブルンネン - オラニエンブルク間が直流電化され、この区間は後にベルリンSバーンの一部になった。

1950年にはシュテッティナー駅は北駅(ドイツ語: Nordbahnhof)に改称された。1961年8月13日ベルリンの壁が建設されてフローナウ駅 - ホーエン・ノイエンドルフ駅間が廃止されるまでは電化設備は存続していた。ベルリン北駅の長距離線は1952年5月18日に既に廃止されていた。

壁建設後はSバーンのオラニエンブルク - ホーエン・ノイエンドルフ間は孤立した区間になった。1961年11月にホーエン・ノイエンドルフ - ブランケンブルク間にベルリン外環状線に沿ってSバーンの電化路線が建設された。フローナウ駅への路線をはじめ、Sバーンの西ベルリン区間は1984年1月9日東ドイツ国鉄からベルリン市交通局ドイツ語版に移管された。当初は運休していたが、1984年10月1日に運行が再開された。1985年に行われたSバーンの線路の修復工事で長距離線の復活は困難になった。 ドイツ再統一後の1992年にはフローナウ - ホーエン・ノイエンドルフ間が復旧し、オラニエンブルク駅へのSバーンの運行が再開された。

2013年までにビルケンヴェルダー - ノイシュトレーリッツ間の最高速度を160km/hに引き上げることでベルリン - ロストック間の所要時間を短縮することが決定された[1]。同時に、ヨーロッパにおける統一列車制御システムであるETCSが採用が決定された。

工事は段階的に進められ、最初の区間として2007年11月にレーヴェンベルク - グランセ間が完成した[2]。ダネンヴァルデ - フュルステンベルク間は2009年3月から11月、グランセ - ダネンヴァルデ間は2011年7月から翌12年8月にかけて工事が行われた。2012年9月10日から翌13年6月9日にオラニエンブルク - ノイシュトレーリッツ間の工事が行われた。ナッセンハイデ - レーヴェンベルク間の湿原地帯では7200本の杭基礎が下層土深くに打ち込まれた。

次の区間としてオラニエンブルク - ナッセンハイデ間が2017年から高速化される予定である。オラニエンブルク - フュルステンベルク/ハーフェルおよびノイシュトレーリッツ間の工事は2019年から2021年頃に延期される見込みとなった。

参考文献 編集

  • Peter Bley (2002) (ドイツ語). Berliner Nordbahn – 125 Jahre Eisenbahn Berlin–Neustrelitz–Stralsund. Berlin: Neddermeyer. ISBN 3-933254-33-7 
  • Königlich Preussischer Minister der Öffentlichen Arbeiten, ed (1982) (ドイツ語). Berlin und seine Eisenbahnen : 1846–1896. Berlin: Verlag Ästhetik und Kommunikation. ISBN 3-88245-106-8 

脚注 編集

関連項目 編集