ベン=ユスフ・メイテ(Ben-Youssef Méité, 1986年11月11日 - )はコートジボワールの男子陸上競技選手。専門は短距離走ラギューヌ州アビジャン出身。 室内60m100m200mの元コートジボワール記録保持者。

ベン=ユスフ・メイテ Portal:陸上競技
選手情報
ラテン文字 Ben-Youssef Méité
国籍 コートジボワールの旗 コートジボワール
競技 陸上競技短距離走
種目 100m, 200m
生年月日 (1986-11-11) 1986年11月11日(37歳)
出身地 コートジボワールの旗 ラギューヌ州アビジャン
身長 180cm
体重 84kg
成績
オリンピック 100m:6位(2016年
200m:予選棄権(2012年
世界選手権 100m:準決勝1組3着(2017年
200m:2次予選3組7着(2009年
地域大会決勝 アフリカ競技大会
100m:優勝(2015年)
200m:2位(2011年)
4x100mR:優勝(2015年)
自己ベスト
50m 5秒80(2011年)
60m 6秒55(2018年)
100m 9秒96(2016年)
9秒84w(2017年)
200m 20秒37(2009年)
獲得メダル
陸上競技
コートジボワールの旗 コートジボワール
アフリカ競技大会
2015 ブラザヴィル 100m
2015 ブラザヴィル 4x100mR
2011 マプト 100m
2011 マプト 200m
アフリカ選手権
2010 ナイロビ 100m
2012 ポルトノボ 200m
2016 ダーバン 100m
2010 ナイロビ 200m
2016 ダーバン 4x100mR
フランス語圏競技大会
2005 ニアメ 200m
2005 ニアメ 4x100mR
2009 ベイルート 100m
2009 ベイルート 200m
イスラム諸国連合競技大会
2005 メッカ 4x100mR
アフリカジュニア選手権
2005 チュニス 200m
2005 チュニス 100m
アフリカ
コンチネンタルカップ
2010 スプリト 200m
編集 テンプレートのヘルプを表示する

主な経歴 編集

2005年にニジェールニアメで開催されたフランス語圏競技大会の200mと4×100mリレーで金メダルを獲得し、2冠を達成した。

2009年にレバノンベイルートで開催されたフランス語圏競技大会の100mで金メダル、200mでもモーリシャスステファン・バックランドらを破って金メダルを獲得し、2冠を達成した。同大会における200mでの金メダル獲得はコートジボワール初、2連覇は大会初だった。

2010年にケニアナイロビで開催されたアフリカ陸上競技選手権大会で100mで金メダル、200mで銀メダルを獲得している。100mでの金メダルは、同大会同種目においてコートジボワール初の快挙だった[1]

2012年にベナンポルトノボで開催されたアフリカ陸上競技選手権大会では、200mでコートジボワール初の金メダルを獲得した。

2012年ロンドンオリンピックの開会式ではコートジボワール選手団の旗手を務めた。出場した100m予選で10秒06のコートジボワール記録(当時)を樹立した。

2013年はロンドンオリンピック100m準決勝で負傷した左足爪先の治療に専念。2連覇がかかっていた2014年のアフリカ陸上競技選手権大会200mはマラリアにかかったため出場できず、2年間国際大会から遠ざかった[2]

2015年にコンゴ共和国ブラザヴィルで開催されたアフリカ競技大会では、100m決勝で10秒04のコートジボワール記録(当時)を樹立して金メダルを獲得[3]。アンカーを務めた4×100mリレーは38秒93をマークしての金メダル獲得に貢献し、100mとの2冠を達成した。

2016年6月6日にチェコ共和国プラハで開催されたヨゼフ・オドロジル記念 (enの100mで9秒99のコートジボワール記録(当時)を樹立し、10秒の壁を突破した初のコートジボワール人となった[4]

2016年8月にリオデジャネイロで開催されたオリンピック100mに出場すると、14日の準決勝において自身の持つコートジボワール記録を0秒02更新する9秒97(+0.2)をマークし、この種目のコートジボワール男子としては、1964年東京オリンピックで6位に入ったGaoussou Koné以来、52年ぶり史上2人目のファイナリストとなった。迎えた決勝では準決勝のタイムを更に0秒01更新する9秒96(+0.2)をマークし、Gaoussou Konéと並ぶ過去最高成績を記録した[5][6]

2016年8月27日のダイヤモンドリーグミーティング・ド・パリの100mを9秒96(-0.1)の自己ベストタイで制し、今シーズンのダイヤモンドリーグ100mのツアーチャンピオンの座をかけ、ポイント対象最終レースとなる9月1日のヴェルトクラッセチューリッヒに臨んだ。獲得ポイント20でトップに立っていたジャスティン・ガトリンが出場しなかったため、16ポイントで2位につけていたメイテは優勝すれば無条件でツアーチャンピオンに決まり、2位に入ってもマイク・ロジャース(獲得ポイント13)かチュランディ・マルティナ(獲得ポイント8)が優勝しなければツアーチャンピオンになることができたが、結果はアサファ・パウエル(9秒94)、アカニ・シンビネ(9秒99)に次ぐ9秒99(+0.4)の3位に終わり、2位とはわずか0秒004差でツアーチャンピオンを逃した[7]

家族 編集

父は1978年アフリカ競技大会100m金メダリストのアマドゥ・メイテ英語版、10歳年の離れた兄は16歳と277日の若さで1993年シュトゥットガルト世界選手権の4×100mリレーファイナリストに輝いたイブラヒム・メイテである[8]

自己ベスト 編集

記録欄の( )内の数字は風速m/s)で、+は追い風を意味する。

種目 記録 年月日 場所 備考
屋外
100m 9秒96(+0.2) 2016年8月14日   リオデジャネイロ 元コートジボワール記録
9秒96(-0.1) 2016年8月27日   パリサン=ドニ
9秒84w(+4.8) 2017年6月18日   ストックホルム 追い風参考記録
200m 20秒37(-0.2) 2009年10月5日   ベイルート 元コートジボワール記録
室内
50m 5秒80 2011年2月3日   サスカトゥーン
60m 6秒55 2018年2月11日   メス 元室内コートジボワール記録

主要大会成績 編集

備考欄の記録は当時のもの

大会 場所 種目 結果 記録 備考
2003 世界ユース選手権   シェルブルック 100m 予選 11秒21 (+2.1)
200m 予選 22秒33 (-1.7)
アフリカジュニア選手権 (en   ガルア 100m 予選 10秒95 (+2.0)
200m 準決勝 21秒81 (+3.0)
アフリカ競技大会 (en   アブジャ 4x100mR 7位 40秒81 (1走)
2004 アフリカ選手権 (en   ブラザヴィル 200m 予選 22秒18 (-2.7)
2005 イスラム諸国連合
競技大会 (en
  メッカ 100m 7位 10秒63 (+0.8)
4x100mR 3位 40秒87 (1走)
アフリカジュニア選手権 (en   チュニス 100m 3位 10秒74 (-0.8)
4x100mR 決勝 DQ (1走)
200m 2位 21秒32 (-1.5)
フランス語圏競技大会 (en   ニアメ 100m 6位 10秒64 (+0.4)
200m 優勝 20秒99 (+1.0)
4x100mR 優勝 39秒79 (3走)
2006 アフリカ選手権 (en   バンブース 100m 準決勝 DNF
2007 アフリカ競技大会 (en   アルジェ 100m 準決勝 10秒52 (0.0)
200m 準決勝 21秒18 (+1.2)
4x100mR 決勝 DQ (3走)
2009 世界選手権   ベルリン 100m 1次予選 10秒41 (-0.1)
200m 2次予選 20秒78 (-0.3)
フランス語圏競技大会 (en   ベイルート 100m 優勝 10秒15 (+4.6)
200m 優勝 20秒37 (-0.2)
4x100mR 4位 39秒91 (4走)
2010 世界室内選手権   ドーハ 60m 予選 6秒76
アフリカ選手権 (en   ナイロビ 100m 優勝 10秒08 (+1.9)
4x100mR 6位 40秒77 (2走)
200m 2位 20秒39 (+1.3)
コンチネンタルカップ (en   スプリト 100m 5位 10秒32 (+0.7) アフリカ代表
200m 3位 20秒51 (+0.2) アフリカ代表
2011 世界選手権   大邱 100m 予選 10秒45 (-1.3)
200m 予選 20秒97 (+0.4)
アフリカ競技大会 (en   マプト 100m 2位 10秒28 (-0.4)
200m 2位 20秒76 (+1.7)
2012 世界室内選手権   イスタンブール 60m 準決勝 6秒71
アフリカ選手権 (en   ポルトノボ 100m 予選 DQ
4x100mR 4位 40秒10 (4走)
200m 優勝 20秒62 (-1.4)
オリンピック   ロンドン 100m 準決勝 10秒13 (+0.7) 予選10秒06 (+1.5):コートジボワール記録
200m 予選 DNS
2015 世界選手権   北京 100m 準決勝 10秒17 (-0.4) 予選10秒05 (-0.3):コートジボワール記録
アフリカ競技大会 (en   ブラザヴィル 100m 優勝 10秒04 (-2.1) コートジボワール記録
4x100mR 優勝 38秒93 (4走)
2016 アフリカ選手権 (en   ダーバン 100m 優勝 9秒95 (+2.4)
4x100mR 2位 38秒98 (4走)
オリンピック   リオデジャネイロ 100m 6位 9秒96 (+0.2) コートジボワール記録
2017 世界選手権   ロンドン 100m 準決勝 10秒12 (-0.5)
2018 世界室内選手権   バーミンガム 60m 準決勝 6秒59

ダイヤモンドリーグ 編集

ダイヤモンドリーグの総合成績を記載。獲得ポイント欄の( )内は出場したポイント対象レースの数を意味する。

種目 総合順位 獲得ポイント
2016 100m 2位 24(3レース)

優勝したダイヤモンドリーグ個人種目の成績を記載。金色の背景はポイント対象レースを意味する。

大会 場所 種目 記録 備考
2016 ミーティング・ド・パリ   パリサン=ドニ 100m 9秒96(-0.1) 自己ベストタイ
2017 ミーティング・ド・パリ   パリ 100m 9秒99(-0.1)

脚注 編集

  1. ^ Meite, Okagbare take 100m titles, Cheruiyot over Defar again in the 5000m - African champs Day 2”. 国際陸上競技連盟 (2010年7月29日). 2014年10月10日閲覧。
  2. ^ That moment when... Meite broke his toe at the 2012 Olympics”. 国際陸上競技連盟 (2017年7月15日). 2017年7月21日閲覧。
  3. ^ Ivorian sprint double for Meite and Ta Lou at All-African Games”. 国際陸上競技連盟 (2015年9月15日). 2016年3月31日閲覧。
  4. ^ South Africa: Bruintjies Blasts to Yet Another Olympic Qualifying Time in Czech Republic”. allAfrica.com (2016年6月7日). 2016年6月9日閲覧。
  5. ^ Report: men's 100m semi-finals – Rio 2016 Olympic Games”. 国際陸上競技連盟 (2016年8月15日). 2016年8月15日閲覧。
  6. ^ Report: men's 100m final – Rio 2016 Olympic Games”. 国際陸上競技連盟 (2016年8月15日). 2016年8月15日閲覧。
  7. ^ Thompson wins thrilling 200m contest in Zurich – IAAF Diamond League”. 国際陸上競技連盟 (2016年9月1日). 2016年9月2日閲覧。
  8. ^ Berrabah’s 8.40m Moroccan Long Jump record highlights - Francophone Games, Day 2”. 国際陸上競技連盟 (2009年10月3日). 2014年10月10日閲覧。

外部リンク 編集

記録
先代
Jean-Olivier Zirignon
(10秒07)
1997年9月3日
男子100m
コートジボワール記録保持者
(10秒06)

2012年8月4日 - 2014年8月11日
次代
ウア・ウィルフリード・コッフィ
(10秒05)
2014年8月11日
先代
ウア・ウィルフリード・コッフィ
(10秒05)
2014年8月11日
男子100m
コートジボワール記録保持者
(10秒05 - 10秒04)

2015年8月22日 - 2016年4月9日
次代
ウア・ウィルフリード・コッフィ
(10秒01)
2016年4月9日
先代
ウア・ウィルフリード・コッフィ
(10秒01)
2016年4月9日
男子100m
コートジボワール記録保持者
(9秒99 - 9秒96)

2016年6月6日 -
次代
未定
先代
イブラヒム・メイテ
(20秒64)
1994年6月19日
男子200m
コートジボワール記録保持者
(20秒37)

2009年10月5日 - 2014年8月13日
次代
ウア・ウィルフリード・コッフィ
(20秒32)
2014年8月13日
先代
Arthur Gue Cissé
(6秒57)
2018年1月31日
男子60m
室内コートジボワール記録保持者
(6秒55)

2018年2月11日 -
次代
未定
オリンピック
先代
アフエ・アマディン・アルー
(女子陸上競技選手)
2008 北京
コートジボワール選手団
旗手
(開会式*)

2012 ロンドン
次代
ミュリエル・アウレ
(女子陸上競技選手)
2016 リオデジャネイロ

*閉会式はPhilippe Kouassi(男子アーチェリー選手)