ペ・ドゥナ

韓国の女優(1979-)

ペ・ドゥナ: 배 두나裵斗娜[4]1979年10月11日[1][2] - )は、韓国女優ソウル特別市出身。GOODMAN STORY所属[5]漢陽大学校演劇映画科中退、建国大学校映画芸術学科卒業。

ペ・ドゥナ
裵斗娜
ペ・ドゥナ 裵斗娜
生年月日 (1979-10-11) 1979年10月11日(44歳)
出生地 大韓民国の旗 韓国ソウル特別市
身長 171 cm[1][2]
血液型 O型[1][2]
職業 女優[3]
ジャンル 映画テレビドラマ
活動期間 1998年[3] -
活動内容 1998年 モデルデビュー[2]
1999年 映画とテレビドラマでデビュー
著名な家族 母:キム・ファヨン(김화영
事務所 GOODMAN STORY
公式サイト doona.net
主な作品
映画
ほえる犬は噛まない
復讐者に憐れみを
リンダ リンダ リンダ
グエムル-漢江の怪物-
空気人形
クラウド アトラス
ベイビー・ブローカー
テレビドラマ
センス8
最高の離婚〜Sweet Love〜
キングダム
 
受賞
日本アカデミー賞
優秀主演女優賞
2009年空気人形
その他の賞
2000年 青龍映画賞最優秀新人女優賞
ほえる犬は噛まない
2001年 韓国批評家連盟賞最優秀女優賞
2001年 春史大賞映画祭最優秀女優賞
2002年 百想芸術大賞最優秀女優賞
2002年 釜山映画批評家賞最優秀女優賞
子猫をお願い
2005年 クロトルディス賞助演女優賞ノミネート 『リンダ リンダ リンダ
2009年 日本映画プロフェッショナル大賞主演女優賞 『空気人形
2009年 東京スポーツ映画大賞主演女優賞 『空気人形
2010年 アジア・フィルム・アワード主演女優賞ノミネート 『空気人形
2010年 高崎映画祭最優秀主演女優賞 『空気人形
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ペ・ドゥナ
各種表記
ハングル 배 두나
漢字 裵斗娜
発音: ペ ドゥナ
ローマ字 Bae Doo-na
RR式 Bae Duna
MR式 Pae Duna
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人物・来歴 編集

1979年10月11日、ソウル特別市に生まれる。

母は演劇俳優のキム・ファヨン、兄はCM監督のペ・ドゥハン[6]。母の影響を受け、幼い頃から俳優への夢を持っていた。母とは映画『子猫をお願い』で、兄とはユニクロのCMで共演を果たしている。

ルイ・ヴィトンのミューズを務めており、2016年春・夏のグローバルキャンペーンでは韓国人で初めてルイ・ヴィトンの全世界向けの広告に起用された[7]

周星馳(チャウ・シンチー)のファンであることを公言している[8]

シリアスな作品からコメディーまでこなす実力派・個性派である。

韓国での活動 編集

1998年、19歳のとき、衣料カタログのモデルとしてデビュー。その後、ファッション雑誌モデルやCMモデル、テレビタレントを経て、1999年、日本映画『リング』の韓国リメイク映画『リング・ウィルス』で貞子役を演じ、映画女優としてデビューした。

2000年、ポン・ジュノ監督の長編デビュー作『ほえる犬は噛まない』で正義感の強い主人公を演じると、百想芸術大賞最優秀女優賞などを受賞し高い評価を受け、ブレイクを果たす[9]

2003年にはパク・チャヌク監督の『復讐者に憐れみを』に出演。この作品や『グエムル-漢江の怪物-』、『麻薬王』などソン・ガンホと共演することが多く、2021年に是枝裕和監督が手掛けた『ベイビー・ブローカー』でも共演を果たした[10]

映画女優として国際的な活躍を見せる一方で、2017年には『秘密の森〜深い闇の向こうに〜』で7年ぶりに韓国ドラマにも復帰し国内外を問わず活躍の場を広げている[11]

日本での活動 編集

『ほえる犬は噛まない』を観た山下敦弘監督からのオファーを受け、2005年に日本映画『リンダ リンダ リンダ』で韓国人留学生役を主演した[12]。『リンダ リンダ リンダ』特写フォトを担当したプロカメラマン・東野翠れんに影響を受け、写真撮影を趣味としている。2009年には是枝裕和監督の映画『空気人形』でも主演を務め、第33回日本アカデミー賞優秀主演女優賞を獲得している。

もともと海外進出を考えていたわけではなく外国語で演技することはハードルが高かったというが、『リンダ リンダ リンダ』や『空気人形』で日本語で演技をしたことで、「映画と演技には国境はないんだ」と考えるようになり、後にハリウッド作品に出演するきっかけにもなったという[13]

2009年3月から放映のサントリー「I love vegi」の「野菜の恋篇」で、日本CM初出演を果たす。同年10月13日、文芸誌『ユリイカ』が、「10月臨時増刊号」でペ・ドゥナを総特集した[14]

ハリウッド進出 編集

『空気人形』を観たウォシャウスキー姉妹からのオファーで、2012年、映画『クラウド アトラス』に出演しハリウッドデビュー[15]トム・ハンクスハル・ベリーらとともにメインキャストを演じた。2015年にもSFアクション映画『ジュピター』に出演。

2015年には同じくウォシャウスキー監督のNetflixドラマシリーズ『センス8』に出演。世界9都市を舞台としたSFスリラーで、ソウルの大企業の社長令嬢で元キックボクサーのサンを演じ本格的なアクションにも挑戦した[16]

出演作品 編集

映画 編集

日本語題 朝鮮語題 英語題 監督 製作年 備考
リング・ウィルス The Ring Virus キム・トンビン 1999年 第16回東京国際映画祭で公開
ほえる犬は噛まない 플란다스의 개 Barking Dogs Never Bite ポン・ジュノ 2000年
プライベートレッスン 青い体験 청춘 Plum Blossom aka Youth クァク・チギュン 2000年
子猫をお願い 고양이를 부탁해 Take Care of My Cat チョン・ジェウン 2001年
復讐者に憐れみを 복수는 나의 것 Sympathy for Mr. Vengeance パク・チャヌク 2002年
頑張れ! グムスン 굳세어라 금순아 Saving My Hubby ヒョン・ナムソプ 2002年
TUBE チューブ 튜브 Tube ペク・ウナク 2003年
春の日のクマは好きですか? 봄날의 곰을 좋아하세요? Spring Bears Love ヨン・イ 2003年
リンダ リンダ リンダ 린다린다린다 Linda Linda Linda 山下敦弘 2005年 日本映画
Tea Date (티 데이트) Tea Date パク・ミナ 2005年 短篇映画、日本未公開
グエムル-漢江の怪物- 괴물 The Host ポン・ジュノ 2006年
空気人形 공기인형 Air Doll 是枝裕和 2009年 日本映画
人類滅亡計画書 인류멸망보고서 Doomsday Book キム・ジウン 2012年 第25回東京国際映画祭では『人類滅亡報告書』のタイトルで公開
ハナ 〜奇跡の46日間〜 코리아 Korea ムン・ヒョンソン 2012年
クラウド アトラス Cloud Atlas トム・ティクヴァ 2012年 米国映画
私の少女 도희야 A Girl at My Door チョン・ジュリ 2014年
ジュピター Jupiter Ascending ラナ・ウォシャウスキー
&アンディ・ウォシャウスキー
2015年 米国映画
トンネル 闇に鎖された男 터널 Tunnel キム・ソンフン 2016年
麻薬王 마약왕 The Drug King ウ・ミンホ 2018年
ベイビー・ブローカー 브로커 Broker 是枝裕和 2022年
あしたの少女 다음 소희 Next Sohee チョン・ジュリ 2022年
REBEL MOON: パート1 炎の子 Rebel Moon: Part One - A Child of Fire ザック・スナイダー 2023年 米国映画、Netflix配信
REBEL MOON: パート2 傷跡を刻む者 Rebel Moon - Part Two: The Scargiver ザック・スナイダー 2024年予定 米国映画、Netflix配信

テレビドラマ 編集

日本語題 朝鮮語題 英語題 局名 放映年 備考
学校 학교 School KBS 1999年
クァンキ 광끼 Ad Madness KBS 1999年
ミス・ヒップホップ&ミスター・ロック 러브스트리 - 미스 힙합 미스터 록 Love Story: Miss Hip-hop and Mr. Rock SBS 1999年
怒った顔で振り返れ 성난 얼굴로 돌아보라 Turn Your Angry Face KBS 2000年
사랑의 유람선 Love Cruise KBS 2000年 日本未公開
RNA RNA KBS 2000年 日本未公開
母よ姉よ Twins 엄마야 누나야 Mothers and Sisters MBC 2000-2001年
자꾸만 보고 싶네 I Want To Keep Seeing You SBS 2001年 日本未公開
あなたは愛と言う 私は欲望だと思う 넌 사랑이라고 말하지난 욕망이라 생각해 You say it's love, but I think it's desire SBS 2001年
威風堂々な彼女 위풍당당 그녀 Country Princess MBC 2003年
ローズマリー 로즈마리 Rosemary KBS 2003年
心ふるわせて 떨리는 가슴 Beating Heart MBC 2005年
サムデイ 썸데이 Someday OCN 2006年
完璧な恋人に出会う方法 완벽한 이웃을 만나는 법 How to Meet a Perfect Neighbor SBS 2007年
ドラゴン桜〈韓国版〉 공부의 신 The legend of Study KBS 2010年
グロリア 글로리아 Gloria MBC 2010年
センス8 シーズン1 Sence8 Netflix 2015年 米国ドラマ
センス8 シーズン2 Sence8 Netflix 2016-2017年 米国ドラマ
秘密の森〜深い闇の向こうに〜 비밀의 숲 Stranger tvN 2017年
最高の離婚 최고의 이혼 Matrimonial Chaos KBS 2018年
秘密の森2 비밀의 숲 2 Stranger 2 tvN 2020年
静かなる海 고요의 바다 The Silent Sea Netflix 2021年

Webドラマ 編集

日本語題 朝鮮語題 英語題 局名 放映年 備考
チャンオクの手紙 2017年 日韓合作(監督:岩井俊二
キングダム Netflix 2019年- 韓国

ゲーム 編集

日本語題 朝鮮語題 英語題 監督 製作年 日本吹替
Tomak〜Save the Earth〜Love Story 토막 Tomak: Save the Earth Love Story キム・クン 2001年 金月真美

ミュージックビデオ 編集

歌手 曲名 監督 発売年
Every Little Thing 冷たい雨 オースミ ユーカ 2009年

CM 編集

著書 編集

  • 두나's 런던놀이 (朝鮮語) ドゥナ's ロンドンノリ - ドゥナのロンドン遊び、2006年。 ISBN 899584390X
  • 두나's 도쿄놀이 (朝鮮語) ドゥナ's トキョノリ - ドゥナの東京遊び、2007年。 ISBN 8995843950
  • 두나's 서울놀이 (朝鮮語) ドゥナ's ソウルノリ - ドゥナのソウル遊び、2008年。 ISBN 8961887653

脚注 編集

  1. ^ a b c ペ・ドゥナ(BaeDooNa. 배두나)”. Innolife.net. 2019年1月31日閲覧。
  2. ^ a b c d 人物情報 NAVER(朝鮮語)2011年6月29日閲覧。[リンク切れ]
  3. ^ a b 石飛 (朝日新聞)
  4. ^ ペ・ドゥナ”. 2023年2月16日閲覧。
  5. ^ ペ・ドゥナ プロフィール”. WoW!Korea. 2023年12月11日閲覧。
  6. ^ ペ・ドゥナ”. ワウコリア. 2021年2月4日閲覧。
  7. ^ 女優ペ・ドゥナ、LOUIS VUITTONのモデルに抜擢!”. WoW!Korea (2016年1月9日). 2021年2月4日閲覧。
  8. ^ “女優ペ・ドゥナ、ニュース番組出演でキャスターに逆質問” (日本語). WoW!Korea (エイアイエスイー). (2015年9月10日). http://www.wowkorea.jp/news/enter/2015/0910/10151984.html 2015年12月22日閲覧。 
  9. ^ ほえる犬は噛まない”. 映画.com. 2021年2月4日閲覧。
  10. ^ 是枝裕和監督が韓国映画を手がける意義とは? 映画界の風土と作家性の化学反応に期待”. リアルサウンド (2020年9月3日). 2021年2月4日閲覧。
  11. ^ 俳優チョ・スンウ-ペ・ドゥナ、新ドラマ「秘密の森」台本読みの現場公開”. WoW!Korea (2017年4月11日). 2021年2月4日閲覧。
  12. ^ 山下敦弘監督「沢尻エリカは怖かった」と『リンダ リンダ リンダ』オーディション時を振り返る”. MOVIE WALKER PRESS (2011年2月23日). 2021年2月4日閲覧。
  13. ^ 『キングダム』出演の韓国人女優ペ・ドゥナに、看護師ゾンビ役の秘話をインタビュー”. SWEET WEB.JP (2019年3月29日). 2021年2月4日閲覧。
  14. ^ 『ユリイカ』 2009.10
  15. ^ ハリウッドが虜になった『クラウド アトラス』の女優ペ・ドゥナの魅力(1)”. 中央日報 (2012年10月30日). 2021年2月4日閲覧。
  16. ^ ペ・ドゥナ、アクション初挑戦のNetflixドラマ「センス8」で思わぬ“代償”!”. 映画.com (2015年9月8日). 2021年2月4日閲覧。

参考文献 編集

インタヴュー : ペ・ドゥナ、対談 : 是枝裕和山下敦弘
執筆 : 野崎歓佐々木敦木村満里子北小路隆志宇野常寛石川義正田中秀臣木村立哉池本幸司古谷利裕横田創越川道夫松井周
  • 石飛徳樹. “変幻自在 天性の役者”. 朝日新聞 2005年6月10日(夕刊) 

外部リンク 編集