ホームゲートウェイ: home gateway : HGW)またはレジデンシャルゲートウェイ: residential gateway : RGW)とは、モデム等を介してLANのホストからWANへのネットワークアクセスを提供する小型の消費者向けルーターである。モデムはホームゲートウェイのハードウェアに統合されている場合と、されていない場合とがある。WANは、より大きなコンピュータネットワークであり、ホームゲートウェイの接続の対象となるWANは一般にインターネットサービスプロバイダ(ISP)によって運営されている。

ホームゲートウェイ。ブロードバンドルータ、無線LAN、電話機能等を有する。(右側はWi-Fiルーター)

デバイス 編集

 
典型的なホームゲートウェイ。単一のインターネット接続が、LANを介して接続された複数の機器によって共有される。

複数の種類のデバイスが「ホームゲートウェイ」と呼ばれている。

モデムDSLモデム英語版ケーブルモデム)は、それ自体ではルータの機能を一切提供しない。それは単にATMイーサネットPPPのトラフィックが電話線、ケーブルワイヤ、光ファイバー、無線によって送受信されるのを可能にするだけである。受信側には、伝送フォーマットをデジタルデータパケットに再変換する別のモデムがある。これにより、電話、ケーブル、光、無線の接続方法を使用したネットワークブリッジングが可能になる。モデムは認証プロトコルも提供するので、接続の両端にあるデバイスは互いに認識できる。ただし、モデムは一般に他のネットワーク機能をほとんど提供しない。

  • USBモデムは1台のPCに接続し、接続した1台のPCのみをWANに接続できる。正しく設定されていれば、PCは家庭内LANのルータとしても機能する。
  • 内蔵モデムを単一のPC(例えばPCIカードで)に取り付けることもできる。これにより、そのPCをWANに接続することができる。また、PCを家庭内LAN用のルータとして機能するように構成することもできる。

無線アクセスポイントは、モデムと同じように機能する。無線ルータまたはアクセスポイントがWAN上にも存在する場合は、ホームLANからWANへの直接接続を許可できる。

ただし、現在では多くのモデムが下記の機能を組み込んでおり、現在では「ホームゲートウェイ」と言えば下記の機能を持ったもののことを指す。

機能 編集

一般にホームゲートウェイは下記の機能を提供する。

また、ダイナミックDNSなどの他の機能を提供するものもある[4]

ほとんどのルータは、内蔵されたファームウェアを使用する自己完結型のコンポーネントである。それらは一般的にオペレーティングシステム(OS)に依存しない。すなわち、どんなOSからでもアクセスすることができる。

無線ルータ英語版はルータと同じ機能を持つが、無線デバイスをLANに接続したり、無線ルータと別の無線ルータ間で接続することもできる(無線ルータ間の接続は、同一LAN内であってもLANとWANの間であっても良い)。

セキュリティ 編集

低コストの生産性と使いやすさの要求のため、ホームゲートウェイはネットワーク攻撃に対して脆弱になっている。これまでは、そのような脆弱なデバイスによる大規模なクラスタが、DDoS攻撃を実行するために使用されていた[5]。この脆弱性の大部分はルータのWeb管理コンソールに存在し、デフォルトパスワード英語版、ベンダのバックドアWebの脆弱性英語版のいずれかを介した不正な制御が可能となっていた[6]

関連項目 編集

脚注 編集

  1. ^ 無線ルータは、有線ルータと無線アクセスポイントを組み合わせたものである。
  2. ^ Can’t access 192.168.1.1: how to change router settings including Wi-Fi password”. PC Advisor. 2015年12月21日閲覧。
  3. ^ NAT Router Security Solutions”. Gibson Research Center. 2015年12月22日閲覧。
  4. ^ Make your home PCs accessible anywhere with Dynamic DNS for free”. Techrepublic. 2015年12月21日閲覧。
  5. ^ Gayer, Ofer. “Lax Security Opens the Door for Mass Scale Abuse of SOHO Routers | Incapsula.com”. www.incapsula.com. 2015年6月16日閲覧。
  6. ^ Owning Your Home Network: Router Security Revisited”. Arxiv.org.

外部リンク 編集