ボバ・フェット/The Book of Boba Fett

ボバ・フェット/The Book of Boba Fett』(The Book of Boba Fett)は、配信サービスのDisney+向けに製作されたアメリカ合衆国の連続テレビドラマである。『スター・ウォーズ』フランチャイズの一編であり、『マンダロリアン』のスピンオフでもあるこの番組は、それまでの『スター・ウォーズ』関連作に登場したバウンティハンターのボバ・フェットを主役とする。

ボバ・フェット/The Book of Boba Fett
ジャンル
原作 ジョージ・ルーカス
スター・ウォーズ
出演者
作曲 ルドウィグ・ゴランソン
国・地域 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作
製作総指揮
撮影地 カリフォルニア州ロサンゼルス
撮影監督 ディーン・カンディ
製作 ルーカスフィルム
配給 ディズニー・プラットフォーム・ディストリビューション英語版
公式ウェブサイト
配信
配信サイトDisney+
映像形式4K (Ultra HD)
配信国・地域世界中
配信期間2021年12月29日 - 2022年2月9日
番組年表
関連番組マンダロリアン
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概要 編集

『マンダロリアン』や過去の『スター・ウォーズ』関連作と同様にボバ・フェットはテムエラ・モリソンフェネック・シャンド英語版ミンナ・ウェンにより演じられる。ルーカスフィルムは以前からボバ・フェットの単独映画に幾度か取り組んでいたが、その後『マンダロリアン』を優先させた。モリソンは『マンダロリアン』の第2シーズン英語版でウェンと共にフェット役で出演し、2020年11月にスピンオフシリーズの可能性が初めて報じられた。『ボバ・フェット/The Book of Boba Fett』は2020年12月にモリソンとウェンの出演と共に正式に発表された。撮影はその時点で既に始まっており、2021年6月まで続いた。

シリーズ初回は2021年12月29日に配信され、2022年2月9日まで計7話が順次配信された。

あらすじ 編集

ストーリーは惑星タトゥイーンを主な舞台とし、『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』でボバ・フェットサルラックに呑み込まれた直後からの出来事と、それから5年後にボバ・フェットがジャバ・ザ・ハットの縄張りを手に入れ守ろうとする出来事を行き来する。サイドストーリーとして『マンダロリアン』の主人公の"マンダロリアン"(ディン・ジャリン)および彼が引き取った孤児グローグーとのかかわりが描かれる。

5年前、ボバ・フェットは何とかサルラックから脱出するも、タスケン・レイダーに捕まり奴隷とされる。やがてタスケン・レイダーの信頼を得て部族の一員となるが、他種族との抗争により部族を皆殺しにされてしまう。重傷を負ったところを救ったフェネック・シャンド英語版と組んで復讐を遂げるが、失った自分のアーマーは見つからない。かつてジャバ・ザ・ハットの支配していた縄張りを手に入れようとする[1]

それから5年後、『マンダロリアン』で描かれているとおり、ボバ・フェットはアーマーを取り戻し、フェネック・シャンドとともに、ジャバ・ザ・ハットの右腕だったビブ・フォーチュナを殺している。乗っ取りに成功したジャバ・ザ・ハットの縄張りを守るため、"スパイス"取引を行うパイク・シンジケートとの抗争となる。グローグーと離れ、ヘルメットを脱いだために「背教者」となった"マンダロリアン"はフェネック・シャンドに誘われてボバ・フェットの軍に加わる。モス・エスパの町で戦いが始まり、ボバ・フェットの軍は劣勢となるが、ジェダイの修行を諦めてやってきたグローグーの助けもあって逆襲し勝利する。"マンダロリアン"とグローグーはタトゥイーンを去り、ボバ・フェットとフェネック・シャンドがジャバ・ザ・ハットの元の縄張りを引き続き支配する。

キャストとキャラクター 編集

※ 演、声の括弧内は日本語吹き替え。

メイン 編集

ボバ・フェット
演 - テムエラ・モリソン金田明夫[2]
ジャンゴ・フェットの息子のバウンティハンター[3]。モリソンはこのシリーズがキャラクターの過去を探り、『帝国の逆襲』(1980年)から『マンダロリアン』第2シーズンの間に彼が何が起こったのかを示す機会だと述べている[4]
フェネック・シャンド英語版
演 - ミンナ・ウェン花藤蓮[2]
フェットの相棒の傭兵暗殺者[3]
マンダロリアン / ディン・ジャリン
演 - ペドロ・パスカル阪口周平[5]
マンダロリアンのバウンティハンターにしてボバの戦友。人前でヘルメットを取らないカルトに属する。

リカーリング 編集

8D8
声 - マット・ベリー山橋正臣
ボバの身の回りの世話をするドロイド。
執事長
演 - デヴィッド・パスクエジ荻野晴朗
市長の執事長を勤めるトワイレックの男。
ガーザ・フウィップ英語版
演 - ジェニファー・ビールス八十川真由野
タトゥイーンのモス・エスパで酒場サンクチュアリを経営するトワイレックの女性。
ブラック・クルルサンタン英語版
演 - キャリー・ジョーンズ
ジャバのいとこの双子に仕えるバウンティ・ハンターのウーキー
キャド・ベイン英語版
声 - コーリー・バートン多田野曜平[6]
保安官コブ・ヴァンスを決闘で倒すデュロスの賞金稼ぎ。

その他 編集

ドク・ストラッシ
演 - ステファン・オヨン、声 - ロバート・ロドリゲス菊池通武
タトゥウィーンの闇医者。
ガモリアン ガード
演 - フランク・トリッグコリン・ハイムズ
ジャバとビフに仕えていた衛兵。
モク・シェイーズ
声 - ロバート・ロドリゲス(武藤正史
惑星タトゥイーンのモス・エスパの街を治める市長。犯罪組織のボス「大名」になったボバを良く思っていない。
ローサ・ピール
演 - スティーヴン・ルート田中英樹
ボバ・フェットに陳情するモス・エスパの水売りの男性。
ランコアの飼育人
演 - ダニー・トレホ廣田行生
ジャバのいとこから贈られてきたランコアの子供を世話するために雇われた男。
ドラッシュ
演 - ソフィー・サッチャー内藤有海
惑星タトゥイーンにあるモス・エスパの街のサイボーグのギャングの女性。
スカッド
演 - ジョーダン・ボルジャー朝比奈拓見
惑星タトゥイーンにあるモス・エスパの街のサイボーグのギャングの男性。
アーマラー英語版
演 - エミリー・スワロー藤貴子
マンダロリアンのアーマー職人。
パズ・ヴィズラ英語版
演 - タイット・フレッチャー[注 1]、声 - ジョン・ファヴロー[注 1]宮本崇弘
ディン・ジャリンと決闘するマンダロリアンの男性。
ペリ・モットー
演 - エイミー・セダリス定岡小百合
惑星タトゥイーンのモス・アイズリー宇宙港にあるハンガー3-5を経営するエンジニアにして商人。
カーソン・テヴァ
演 - ポール・サン=ヒョンジュ・リー丸山壮史
ディン・ジャリンを何度か尋問した新共和国のT-65B Xウイング・スターファイターのパイロット。
ルーク・スカイウォーカー
演 - マーク・ハミルグラハム・ハミルトン[注 2]須田祐介[6]
ジェダイマスター。帝国との戦争に終止符を打った後にグローグーを弟子にする。
アソーカ・タノ
演 - ロザリオ・ドーソン伊藤静[6]
ルークの父アナキンのかつての弟子。ルークとも交流がある。
コブ・ヴァンス英語版
演 - ティモシー・オリファントさかき孝輔
惑星タトゥイーンにあるモス・ペルゴの街の保安官。
グローグー
ヨーダと同じ種族の50歳の赤子。強いフォースをふるう。

エピソード 編集

通算
話数
シーズン
話数
タイトル監督脚本公開日
11"チャプター1:異星のはぐれ者"
"Chapter 1: Stranger in a Strange Land"
ロバート・ロドリゲスジョン・ファヴロー2021年12月29日 (2021-12-29)
5年前、ボバ・フェットは呑み込まれたサルラックから逃げるが、ジャワに鎧を盗まれてデューン・シーに放置される。タスケン・レイダーに捕らえられて奴隷とされる。砂漠でブラック・メロンを掘らされていた時に巨大な怪物に襲われるも、子供を救ったことで尊敬を勝ち得る。現在、ボバ・フェットとフェネック・シャンドはジャバ・ザ・ハットの縄張りを奪って大名となっている。地元から二人のガモーリアンを貢納されて警備に加える。フェットとシャンドはガーザ・フウィップの経営する酒場サンクチュアリに行くも襲撃される。シャンドは襲撃者の一人を捕らえる。負傷したフェットはバクタ・タンクに入り、5年前のことを思い出す。
22"チャプター2:タトゥイーンの部族"
"Chapter 2: The Tribes of Tatooine"
ステフ・グリーンジョン・ファヴロー2022年1月5日 (2022-01-05)
5年前、フェットのいるタスケン・レイダーのグループはパイク・シンジケートの列車に襲われる。フェットはニクトからスピーダー・バイクを盗み、タスケン・レイダーに乗り方を教えて列車を襲撃し勝利する。生き残りにこれからは通行料を払うよう求める。宿主を導くトカゲを頭に入れられて砂漠をさまよった末に枝を持ち帰り、タスケン・レイダーの部族に受け入れられる。現在、フェットとシャンドは襲撃者の生き残りを尋問し、モス・エスパの市長に雇われたと聞く。市長は否定し、再びサンクチュアリに行くよう促す。フウィップはジャバのいとこの双子が縄張りを取り戻そうとしていると教える。双子が現れて脅すも、フェットはひるまない。
33"チャプター3:モス・エスパの町"
"Chapter 3: The Streets of Mos Espa"
ロバート・ロドリゲスジョン・ファヴロー2022年1月12日 (2022-01-12)
5年前、フェットはパイク・シンジケートのところに出かけてみかじめ料を取ろうとするが、ニクトと二重払いはしたくないと断られる。キャンプに帰ると、ニクトに全滅させられている。現在、フェットはサイボーグのギャングが水を盗むと言う陳情をローサ・ビールから受ける。ギャングに会い、仕事がないと聞いて雇い、ビールには価格を下げるよう命令する。バクタ・タンクで治療中のフェットを、双子の手下であるウーキーのクルルサンタンが襲い、シャンド、ガモリアン・ガード、サイボーグたちが戦って地下牢に捕らえる。双子が謝罪にやってきてランコアの仔を贈り、市長モク・シェイーズが縄張りを既にパイク・シンジケートに売ったので自分たちはタトゥイーンを去ると言う。フェットはクルルサンタンを解放する。パイク・シンジケートとフェットは双方とも戦争に備える。
44"チャプター4:迫りくる嵐"
"Chapter 4: The Gathering Storm"
ケヴィン・タンチャローエンジョン・ファヴロー2022年1月19日 (2022-01-19)
5年前、フェットはかつてジャバ・ザ・ハットが今ではビブ・フォーチュナが治める宮殿から自分の武装船を取り戻そうとするも、警備が固いと知る。腹を撃たれて瀕死のファネック・シャンドを見つけ、サイボーグ修理店で修理する。返礼として、シャンドの助けで宮殿から自船を取り戻す。ジャバの後釜として一家を構えようとするフェットは、シャンドに暗殺者家業を止め右腕となることを求める。二人はタスケン・レイダーのキャンプを襲ったニクトのスピーダー・バイクの集団を皆殺しにし、フェットのアーマーを取り戻すためにサルラックを殺すも、アーマーは見つからない。現在、フェットはバクタ・タンクから出る。サンクチュアリでクルルサンタンがトランドーシャンと戦うのを見て雇う。モス・エスパの他のギャングの指導者を食事に呼び、パイク・シンジケートと一緒に戦うことを求めるも同意は得られない。ランコアの脅しもあって、中立を保つことは承諾される。
55"チャプター5:マンダロリアンの帰還"
"Chapter 5: Return of the Mandalorian"
ブライス・ダラス・ハワードジョン・ファヴロー2022年1月26日 (2022-01-26)
現在、グローグーを手放した"マンダロリアン"(ディン・ジャリン)はお尋ね者を探し出し、その首を依頼者に渡す。対価としてチルドレン・オブ・ザ・ウォッチの隠れ家の場所を教わり、アーマラーおよびパズ・ヴィズラに会う。アーマラーはダークセーバーを調べ、その所持者はマンダロアの支配者となる予言を語る。ベスカー鋼の槍から、グローグーへの贈り物を作る。ダークセーバーの作り手の子孫であるバズ・ヴィズラがその所有権を求めて"マンダロリアン"と決闘するも敗れる。"マンダロリアン"はヘルメットを脱いで素顔を曝したことを告白し、背教者として追放される。"マンダロリアン"はタトゥイーンに行ってペリ・モットーに会い、破壊されたレイザー・クレストの代わりに古い"ナブー N-1 スターファイター"を提案される。二人は協力してスターファイターを修理する。フェネック・シャンドが現れて戦いに加わることを求め、"マンダロリアン"は承諾する。
66"チャプター6:砂漠から来た流れ者"
"Chapter 6: From the Desert Comes a Stranger"
デイブ・フィローニジョン・ファヴロー、デイブ・フィローニ2022年2月2日 (2022-02-02)
現在、フリータウンと改名されたモス・ペルゴの保安官コブ・ヴァンスは、パイク・シンジケートによる"スパイス"の取引を取り締まる。"マンダロリアン"はグローグーに会うために森の惑星に行く。だがR2-D2は"マンダロリアン"をアソーカ・タノに会わせ、アソーカ・タノは"マンダロリアン"と会うことがグローグーの修行の妨げになると断る。贈り物であるベスカー鋼の鎖帷子を預かり、グローグーのフォースの訓練をするルーク・スカイウォーカーに渡す。ルークはグローグーがオーダー66によりジェダイがコルサントの寺院で虐殺された記憶をよみがえらせる。ルークはグローグーに、鎖帷子を手にして"マンダロリアン"のもとに戻ることか、ヨーダのライトセーバーを手にしてジェダイになるために訓練することを選ばせる。タトゥイーンに戻った"マンダロリアン"はボバ・フェットの戦力不足を知り、フリータウンに行ってコブ・ヴァンスに会い、ボバ・フェット対パイク・シンジケートの戦争への参加を求める。傭兵のキャド・ベインがフリータウンに来て戦争で中立を求め、コブ・ヴァンスと保安官代理を殺す。パイクはモス・エスパのサンクチュアリを爆破する。
77"チャプター7:名誉のために"
"Chapter 7: In the Name of Honor"
ロバート・ロドリゲスジョン・ファヴロー2022年2月9日 (2022-02-09)
モス・エスパで戦いが始まる。キャド・ベインは、タスケン・レイダーの部族を全滅させたのはニクトのスピーダー・バイクの集団ではなくパイク・シンジケートであることをボバ・フェットに教える。中立を保つことを約束した町のギャングたちは寝返り、ボバ・フェット側は劣勢となる。執事長に交渉させるふりをしてボバ・フェットと"マンダロリアン"は奇襲をかけるも、2体のスコーペネク・ドロイドが現れて圧倒される。ボバ・フェットは飼っていたランコアを連れ出し、R2-D2によって運ばれてきたグローグーが助けに入ってスコーペネク・ドロイドを破壊する。キャド・ベインが現れ、ランコアを炎で狂乱させるも、ボバ・フェットに殺される。"マンダロリアン"はランコアを静められないが、グローグーがおとなしくさせる。フェネック・シャンドがモス・アイズリーにいたパイク・シンジケート幹部やモス・エスパ市長を殺す。"マンダロリアン"とグローグーはタトゥイーンから旅立ち、ボバ・フェットとフェネック・シャンドがモス・エスパの町を治める。

製作 編集

背景 編集

ディズニーCEOのボブ・アイガーは2013年2月に『スター・ウォーズ』の単発のスピンオフ映画の企画を発表した。そのうちの1本はバウンティハンターのキャラクターであるボバ・フェットが中心となり、『新たなる希望』(1977年)と『帝国の逆襲』(1980年)、もしくは『帝国の逆襲』と『ジェダイの帰還』(1983年)の間が舞台になると報じられた[7]。また『帝国の逆襲』に登場する他のバウンティハンターについても探求されると報じられた[8]。2014年初頭、サイモン・キンバーグジョシュ・トランクに『スター・ウォーズ』の映画の製作を打診し、トランクは『スター・ウォーズ』の製作であるルーカスフィルムにボバ・フェットの映画を提示し[9]、同年6月に監督に就任した[10]。トランクは2015年4月のスター・ウォーズ セレブレーション・アナハイムで映画を告知し、プロジェクトのティーザーも公開する予定であったが[11]、ルーカスフィルム側がトランクの映画『ファンタスティック・フォー』(2015年)の製作中の問題を把握したために直前で中止された[9]。2015年5月時点でトランクはもう企画に取り組んでいなかった[12]。2017年8月時点でルーカスフィルムがボバ・フェットの映画を未だ検討中であることが報じられた[13]。その後『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』(2018年)が興行的に失敗したことを受けてディズニーは『スター・ウォーズ』の映画の公開計画を再検討した。2018年10月時点でボバ・フェットの映画は進展しておらず、ルーカスフィルムはDisney+の配信シリーズ『マンダロリアン』を優先していた[8][14]

2020年2月、アイガーは『マンダロリアン』のスピンオフが検討中であり、同番組により多くのキャラクターを登場させた上でそれらの独自のシリーズが与えられる可能性があると述べた[15]。同年5月、『マンダロリアン』の第2シーズン英語版テムエラ・モリソンがボバ・フェット役で出演することが決定した[16][17]。モリソンは『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』(2002年)でボバの父のジャンゴ・フェットを演じ、それ以後も様々な『スター・ウォーズ』関連メディアでボバの声を務めていた[16]。モリソンの『マンダロリアン』への出演が確定する以前にフェットは第1シーズン英語版の「チャプター5: ガンファイター英語版」でミンナ・ウェン演じるフェネック・シャンド英語版の前の小登場していた[17][18]。モリソンは第2シーズンの初回「チャプター9: 保安官英語版」に小出演した後、ロバート・ロドリゲスが監督した「チャプター14: 悲劇英語版」で本格な出演を果たした[19]

企画 編集

2020年11月初旬時点では『マンダロリアン』の第3シーズンかボバ・フェットに焦点を当てたとみられるスピンオフシリーズのどちらかの製作が同月下旬から12月初旬に開始予定であると報じられていた[20]。12月10日に開催されたディズニーの投資家向けイベントでルーカスフィルム社長のキャスリーン・ケネディは『マンダロリアン』と同一の時代を描くスピンオフシリーズ『Rangers of the New Republic』と『Ahsoka』を告知したが、ボバ・フェットのスピンオフシリーズについては発表しなかった[21]。ケネディは『マンダロリアン』の「次章」が2021年12月に初演されることも発表した[22]

『マンダロリアン』の第2シーズンの最終回「チャプター16: 救出英語版」は2020年12月末に配信され、その回には『The Book of Boba Fett』が2021年12月に配信されることが明らかとなる「サプライズ・エンドクレジット・シークエンス」が含まれた[23]。これを受けてコメンテーターの間ではこれが『マンダロリアン』の第3シーズンのサブタイトルであり、『マンダロリアン』は第3シーズンより主人公がディン・ジャリンからボバ・フェットに変更されるという混乱と憶測が発生した[3]。『マンダロリアン』の発案者兼ショーランナージョン・ファヴローはその後まもなく『The Book of Boba Fett』が『マンダロリアン』の第3シーズンとは別の独立したシリーズであることを明かした。彼はこのスピンオフが投資家向けイベントでケネディによって発表されなかったのは「チャプター16: 救出」の最後に明かされる「サプライズを台無しにしたくなかったから」であると説明した。彼はさらにスピンオフの製作は既に始まっていることも付け加えた。シリーズはファヴロー、デイブ・フィローニ、ロドリゲスが製作総指揮を務め[3]、さらにロドリゲスは数話を監督もする[4]。他のスピンオフ企画と同様に『ボバ・フェット/The Book of Boba Fett』も『マンダロリアン』の時代を舞台としており[3]、「『マンダロリアン』のシーズン2.5」と表現されている[24][25]。製作側は『ボバ・フェット/The Book of Boba Fett』の各話を『マンダロリアン』の第3シーズンのように呼称しており、例えば第1話は連続テレビドラマの初回としてよくある「101」ではなく「301」と呼ばれた[25]。シリーズは全7話構成である[26]

キャスティング 編集

2020年12月のシリーズの公式発表でテムエラ・モリソンとミンナ・ウェンが『マンダロリアン』や他の過去の『スター・ウォーズ』メディアと同じくボバ・フェットとフェネック・シャンドを再演することが明らかとなった[3]。発表前の時点でウェンは『マンダロリアン』の第3シーズンのレギュラーとして雇われたものであると思われていた[25]。フェネックの他にもさらに『マンダロリアン』のキャラクターが登場すると報じられている[24]。2021年11月、ジェニファー・ビールスの出演が明らかとなった[1]

撮影 編集

シリーズの撮影は2020年11月下旬時点で始まっており[3][20]、以前に『マンダロリアン』の2シーズンでも使用されたロサンゼルスのステージクラフト英語版ビデオ・ウォール英語版で行われた[24]。撮影所ではCOVID-19の安全ガイドラインに従ってスタッフは俳優にマスクとフェイスシールドを装着し、3日おきにCOVID-19の迅速検査、1週ごとに通常検査が行われた[27]。2週間の撮影の後、キャストとスタッフたちは自分たちが『マンダロリアン』の第3シーズンではなく『ボバ・フェット/The Book of Boba Fett』を作っていたことを知った[25]。ロドリゲスはシリーズのうち計3話を監督し[28]、他にファヴロー、ブライス・ダラス・ハワード、フィローニ[29]、ステフ・グリーン、ケヴィン・タンチャローエンも監督したと報じられた[30]ディーン・カンディはシリーズの撮影監督を務めた[31]。撮影は2021年6月8日に完了し[32]、『Obi-Wan Kenobi』と共にロサンゼルスのサウンドステージを占拠した[24]

視覚効果 編集

インダストリアル・ライト&マジックがシリーズの視覚効果を担当する[33]

音楽 編集

2021年9月下旬までに『マンダロリアン』の作曲家であるルドウィグ・ゴランソンが『ボバ・フェット/The Book of Boba Fett』へ続投し、スコアリング・セッションが開始されていた[34]

公開 編集

2021年12月29日、Disney+で配信開始[35]。全7話構成であり[26]、2022年2月9日までに週に1話ずつ配信される[36]

参考文献 編集

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脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ a b クレジットなし
  2. ^ パフォーマンスアクター

外部リンク 編集