ポリス (バンド)

イングランドのロックバンド

ポリスThe Police)は、1970年代後半から1980年代半ばにかけて活躍した、イギリスニュー・ウェイヴロックバンドである。ロックに、レゲエの要素を加えた音楽性は、ホワイト・レゲエとしばしば呼称された(2ndアルバムのタイトルとなった「Reggatta de blanc」とは、「White Reggae」の意味である)。当初は、パンク・ブームメントに乗ってデビューしたが、その後は、メンバーの音楽的資質を柔軟に取り入れたロックをリリースし続けている。

ポリス
再結成コンサートの様子(2007年)
基本情報
出身地 イングランドの旗 イングランド ロンドン
ジャンル
活動期間
レーベル
公式サイト The Police Official Website
旧メンバー

「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100組のアーティスト」において第70位。 トータルセールスは7,500万枚以上[6]

来歴 編集

1976年末、イギリスニューカッスルで、当時プログレッシブ・ロック・バンドのカーヴド・エアに在籍していたドラマースチュワート・コープランドが、偶然ジャズフュージョンバンドラスト・イグジットで活動していたベーシストボーカリストスティングのステージを見て、度重なる説得の末、1977年ギタリストのヘンリー(アンリ)・パドゥバーニ英語版を加えた3人でポリスを結成[7]。後に、ストロンチウム90を通じて、元後期アニマルズのギタリスト、アンディ・サマーズが加入し4人編成となるが、パドゥバーニが脱退しトリオとなる。1978年にはアルバム『アウトランドス・ダムール』でデビュー。同年、シングル「ロクサーヌ」がヒットし、ポリスは順調なスタートを切った・

1979年には、アルバム『白いレガッタ』の収録曲「孤独のメッセージ」(Message In A Bottle)がヒットした[8]。その後も「高校教師」(Don't Stand So Close to Me:1980年)「ドゥ・ドゥ・ドゥ・デ・ダ・ダ・ダ」「マジック」(Every Little Thing She Does Is Magic:1981年)などのヒット曲を続けてリリースしている。。10月には、アルバム『ゼニヤッタ・モンダッタ』をリリース。


1983年には、5作目のアルバム『シンクロニシティー』(Synchronicity)が、Billboard 200に於いて17週連続1位。先行シングル「見つめていたい」(Every Breath You Take)も、Billboard Hot 100で8週連続1位、さらに年間チャート1位にも輝いている。1984年1月に活動停止を宣言した。

1986年に、新たなアルバムを製作するため、再び3人は集まった。ところが、製作は順調に進まず、3年振りの新作シングル「高校教師'86」を発表するに留まり(コープランドが落馬で足を骨折。このため、「高校教師'86」のドラムはすべて打ち込みとなっている)、これを境に再び活動を停止。3人はそれぞれソロ・キャリアを歩むことになる。

2003年に、ロックの殿堂入りを果たし、授賞式ではスティングの結婚式以来11年振りに集結。プレゼンターは、以前からポリスのファンで、スティングとはかつて共演したグウェン・ステファニーが務め、素人時代にスティングからサインを貰った時の写真を披露し、当時のことを回想していた。その後、「ロクサーヌ」と「孤独のメッセージ」を披露し、「見つめていたい」ではグウェンと、同席していたエアロスミススティーヴン・タイラージョン・メイヤーも加わり、計3曲を演奏した。

2007年、デビュー30周年を記念し、再結成。第49回グラミー賞の幕開けに「ロクサーヌ」を演奏した。3月31日には、ポリスのドキュメンタリー映画『ポリス インサイド・アウト英語版』が、2週間限定でTOHOシネマズ六本木ヒルズ他にて公開される。スチュワートが、バンド活動期に撮り続けた映像を集めて作ったもので、自ら監督もしたという。

同年、80本以上のワールド・ツアーを決行。このコンサートは、サポート・メンバーなしの「完全3ピース」で行われた。パリ公演のアンコールでは、初代ギタリストのヘンリー・パドゥバーニフランス語版がステージに上がり、30年ぶりの「4人ポリス」の再結成も行われた。また、スティングは酷く年季の入ったベース(初期モデルのオリジナル・フェンダー・プレシジョンベース)を使用していた(昔から使っていた訳ではなく、スティングが90年代/サムピックで演奏するようになった頃から多用されている)。7月7日には、地球温暖化阻止を呼びかける世界規模のチャリティ・コンサート「ライブ・アース」におけるジャイアンツ・スタジアムでのコンサートにて演奏した。ドキュメンタリー映画不都合な真実』に出演した、元アメリカ副大統領アル・ゴアと握手するスティング、コンサートチューンされたスチュワート、アンディがインターネットと各国のテレビで世界同時放映された。

2013年、映画『ポリス/サヴァイヴィング・ザ・ポリス』が公開される。これは、アンディの自伝『アンディ・サマーズ自伝 ポリス全調書』を原作として、アンディの製作総指揮で作られた。アンディは「もしかしたらこれに触発されて、スティングもポリスの映画を作るかもしれないよ(笑)」と語っている。

2023年9月27日、『シンクロニシティー』発売40周年を機に、公式TikTokアカウントを開設した[9]

アルバム『アウトランドス・ダムール』に収録されている曲「So Lonely」のプロモーションビデオ撮影は、東京都営地下鉄浅草線の地下鉄車内や駅構内で行われた。「週刊文春」の中吊り広告が見え、お忍びの秘密撮影を敢行したものと思われる。香港滞在中の街頭撮影ビデオと一緒に編集したらしく、日本の光景とが混合されている[10]

メンバー 編集

ディスコグラフィ 編集

スタジオ・アルバム 編集

ライブ・アルバム 編集

コンピレーション・アルバム 編集

  • ポリス・ザ・シングルス~見つめていたい英語版』 - Every Breath You Take: The Singles(1986年)
  • 『グレイテスト・ヒッツ』 - Greatest Hits(1992年)
  • メッセージ・イン・ア・ボックス~ポリス・ヒストリー英語版』 - Message in a Box: The Complete Recordings(1993年)
  • 『ポリス・ザ・クラシックス~見つめていたい』 - Every Breath You Take:The Classics(1995年)
  • 『ベスト・オブ・スティング&ポリス』 - The Very Best of Sting & The Police(1997年)
  • 『グレイテスト・ヒッツ』 - The Police(2007年)
  • 『エヴリ・ムーヴ・ユー・メイク: ザ・スタジオ・レコーディングス』- Every Move You Make: The Studio Recordings(LP:2018年/CD:2019年)
  • 『フレキシブル・ストラテジーズ』- Flexible Strategies(2021年)

シングル 編集

※全てA&Mレコード

発売日 型番 タイトル
1979 AMP-1029 A Roxanne ロクサーヌ
B Can't Stand Losing You キャント・スタンド・ルージング・ユー
AMP-1052 A Message In A Bottle 孤独のメッセージ
B Landload ランドロード
AMP-1075 A Walking On The Moon ウォーキング・オン・ザ・ムーン
B Vision Of The Night
1980 AMP-709 A Don't Stand So Close To Me 高校教師
B Friends フレンズ
AMP-713 A De Do Do Do, De Da Da Da ドゥドゥドゥ・デ・ダダダ
B Behind My Camel ビハインド・マイ・キャメル
1981 AMP-734 A Every Little Thing She Does Is Magic マジック
B
AMP-740 A Spirits In The Material World マテリアル・ワールド
B フレキシブル・ストラテジー
1983 AMP-763 A Every Breath You Take 見つめていたい
B Murder By Numbers
AMP-784 A Synchronicity シンクロニシティ
B Someone To Talk To
1986 7Y-3023 A DON'T STAND SO CLOSE TO ME '86 高校教師 '86
B DON'T STAND SO CLOSE TO ME (Live) 高校教師 '86 (ライヴ)

日本公演 編集

関連書籍 編集

脚注 編集

  1. ^ Kemp, Mark (2007). Dixie Lullaby. Free Press. p. 178. ISBN 978-1-416-59046-0 
  2. ^ a b c d Erlewine, Stephen Thomas. “The Police Biography, Songs & Albums”. AllMusic. All Media Network. 2021年12月13日閲覧。
  3. ^ Janosik, Mary Ann (2006). The Greenwood Encyclopedia of Rock History: The video generation, 1981-1990. Greenwood Press. p. 76. ISBN 978-0-3133-2943-2 
  4. ^ Beck, John H., ed (2013). Encyclopedia of Percussion (2nd ed.). Routledge. p. 344. ISBN 978-0-415-97123-2 
  5. ^ West, Aaron J. (2015). Sting and The Police: Walking in Their Footsteps. Lanham, Maryland: Rowman & Littlefield. p. 17. ISBN 978-0-810-88491-5 
  6. ^ Guitarist Andy Summers and Rob Giles Release 'Circus Hero'”. EMusician. Future Publishing Limited (2014年3月27日). 2018年7月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年12月13日閲覧。
  7. ^ 『THE POLICE & STING』 SHINKO MUSIC MOOK アーカイヴ・シリーズ Vol.16 シンコーミュージック 2008/1/31 ISBN 978-4-401-63173-5 History 1978-1983 立川芳雄 P21
  8. ^ Message in a Bottle - The Police  AllMusic Retrieved 25 March 2024}}
  9. ^ ポリスのTikTok公式アカウント開設”. BARKS (2023年9月27日). 2023年9月28日閲覧。
  10. ^ The Police - So Lonely”. www.youtube.com. 2021年12月10日閲覧。

出典 編集

  • 『THE POLICE MESSAGE IN A BOX:THE COMPLETE RECORDINGS』Liner Notes by Phil Sutcliffe
  • Sting, Broken Music, Simon & Schuster, 2003,  ISBN 0-7434-5081-7.
  • Mike Howlett, "Police Academy" album sleeve notes, Pangaea Records, 1997.

外部リンク 編集