ポン抜き囲碁」(ポンぬきいご)とは、囲碁のルールを学ぶ過程で用いられることが多いミニゲームである。碁盤と呼ばれる盤上にそれぞれが一色を持って二色の碁石(石)を置いていき、自分の石をうまく利用して相手の石を奪取するのが目的のゲームである。

存在意義 編集

囲碁は、ルールだけを見るとそれほど難しいものではない。しかし、実際に対局するとなると、そのルールを「どう運用して着手すれば良いのか」「勝敗はどのようにつければよいのか」など、難しい点も少なくない。そのため、囲碁教室では初心者に対して、ある程度の段階に分けて、囲碁の遊び方を教えている。「ポン抜き囲碁」も、その一環である。囲碁の根幹を成す「石の生き死に」のルールを勉強する段階で、用いられることが多い。

ルール 編集

ポン抜き囲碁は、囲碁本来の目的である「地の獲得」に関する部分はいったん無視して、「囲碁のルールにのっとり、相手の石をうまく取る」ことを勝利の条件とする。

用いられる用具 編集

用いられる物は、通常の囲碁の対局で用いられるもの(囲碁#用具・囲碁用語参照)と、大差はない。「碁盤」と「碁石」があれば十分である。ただ、碁盤と碁石は、特別に値段が高い物を用意する必要はない。「白紙の上に線をひいたものの上に、オセロのコマを置いていく」といった、手軽なもので代用することもできる。

着手・勝敗のルール 編集

  • 対局者が、交互に自分の石を盤上に打つ。
  • 一度置かれた石を動かしてはならない。
  • 自分の石で、相手の石を、「縦と横で隙間なく囲む」ことに成功すると、取り囲んだ相手の石を「自分の得点」として獲得することができる。
  • 「何個の石を取れれば勝ちにするか」については対局者同士、あるいは囲碁教室の先生などが決める。

「ポン抜き囲碁」からの卒業 編集

ポン抜き囲碁は、あくまでも「囲碁のルールの一部」しか用いていないミニゲームである。そのため、飲み込みが早い方であれば、数時間で要領を把握することも可能である。このゲームを他人の力を借りずに開始・終了できるようになったら、その時点でポン抜き囲碁を卒業させ、「囲碁の本来の目的」を理解するための次の段階に進ませることが多い(各種囲碁教室ごとに対応は異なる)。なお、このゲームそのものの強さは、囲碁の本来の目的から言えば、あまり深く考える必要はない。ポン抜き囲碁の目的は、あくまで「石を取る方法」「取られない方法」の基礎を身につけることにあり、その勝敗にはあまり意味がないからである。

関連項目 編集