マイアミ (原子力潜水艦)

マイアミ(USS Miami, SSN-755)は、アメリカ海軍ロサンゼルス級原子力潜水艦の44番艦。艦名はフロリダ州マイアミに因んで命名された。その名を持つ艦としてはクリーブランド級軽巡洋艦18番艦(CL-89)以来3隻目。

艦歴
発注 1983年11月28日
起工 1986年10月24日
進水 1988年11月12日
就役 1990年6月30日
退役 2014年3月28日
母港 コネチカット州グロトン
性能諸元
排水量 満載:6,146 トン、基準:5,751 トン
全長 110.3 m (362 ft)
全幅 10 m (33 ft)
喫水 9.4 m (31 ft)
最大速 水上25 kt (46 km/h)、水中30+ kt (56 km/h)
潜行深度 290 m (950 ft)
機関 S6G reactor 1基
乗員 士官12名、兵員98名
モットー

艦歴 編集

マイアミの建造は1983年11月28日にコネチカット州グロトンジェネラル・ダイナミクス・エレクトリック・ボート社に発注され、1986年10月24日に起工した。1988年11月12日にジェーン・P・ウィルキンソン夫人によって命名、進水し、1990年6月30日にトーマス・W・マダー艦長の指揮下就役した。

2012年5月23日午後、メーン州ポーツマス海軍造船所での定期修理中に、艦前方部の第4区画で火災が発生し、消防員5名と乗組員2名が軽傷を負った[1][2]。当初、火災の原因は掃除機と考えられたが、同年6月16日にも火災があり、捜査の結果、塗装の作業をしていた24歳の民間作業員の放火であることが判明[3]連邦裁判所は禁錮17年以上の判決を下した[4]。修理は、当初修理費は4億5,000万ドルと見積もられていたが、のちに3億9,000万ドルもの増額が必要であることが明らかになり、加えて艦齢がすでに20年以上経過して今後の運用は10年間と予定していたこともあり、2013年8月6日、海軍は米議会に修理と艦隊復帰を断念すると通達した[4]。2014年3月28日に正式に退役した。

登場作品 編集

『トム・クランシーの原潜解剖(Submarine: A Guided Tour Inside a Nuclear Warship)』
トム・クランシーの最初のノンフィクション作品。「マイアミ」の艦内の様子や性能が紹介されている。
『ハンターキラー 潜航せよ (Final Bearing)』
ジョージ・ウォーレスとドン・キース作の小説

脚注 編集

  1. ^ 「海外艦艇ニュース 米攻撃原潜マイアミで火災」 『世界の艦船』764集(2012年8月特大号) 海人社 P.185
  2. ^ 整備中の米原子力潜水艦で火災、原子炉は無事 米国 AFPBB 2012年5月25日
  3. ^ 米海軍の原潜火災は放火、民間作業員を逮捕。先月も火事発生CNN 2012年7月28日
  4. ^ a b 「海外艦艇ニュース 米海軍が火災事故の原潜マイアミの修理断念」 『世界の艦船』787集(2013年11月特大号) 海人社

関連項目 編集

外部リンク 編集