トリトン争覇(トリトンそうは)とは、愛知県競馬組合名古屋競馬場で施行する地方競馬重賞競走平地競走)である。正式名称は「中京スポーツ杯 トリトン争覇」。

トリトン争覇
競馬場 名古屋競馬場
創設 1990年
2023年の情報
距離 ダート1700m
格付け SPII
賞金 1着賞金500万円
出走条件 サラブレッド系4歳以上オープン・東海所属
負担重量 別定
出典 [1]
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概要 編集

1990年に名古屋競馬場のダート1600mのサラブレッド系3歳以上の東海所属馬限定の重賞競走「三重テレビ賞 マイル争覇」として創設。創設当初から数年までは三重テレビ放送が優勝杯を提供し、後に優勝杯の提供を三重テレビ放送から東京スポーツ中部支社に変更。それに伴い、名称を「三重テレビ賞 マイル争覇」から「中京スポーツ賞 マイル争覇」に変更された。

1996年度(1997年)からは東海地区重賞格付け制度施行によりSP(スーパープレステージ)IIに格付けされ、更に施行時期を6月下旬 - 7月上旬から1月下旬 - 3月上旬に変更された。

2002年からは北陸・東海・近畿地区交流競走として施行、金沢所属・兵庫所属の競走馬が出走可能になり、更に2007年からは北陸・東海・近畿・中国地区交流競走となり、福山所属の競走馬が出走可能になり、かつ1着馬に安田記念トライアル競走の北陸・東海・近畿・中国地区のブロック代表馬として安田記念トライアル(マイラーズカップ京王杯スプリングカップ)への出走権が与えられ、このどちらかの競走で上位2着までに入賞すると、安田記念へ出走可能となった。

2010年からは施行場が福山競馬場のダート1600mに変更され、格付けが廃止された(福山競馬で行われる重賞競走にはグレード制が存在しなかった)。また東京スポーツ中部支社が優勝杯の提供から撤退した。福山競馬場の廃止に伴い、2013年の開催をもって休止された。

2018年より名古屋競馬場で5年ぶりに復活し、同時にJRAのGI競走である大阪杯のステップ競走(2018年現在は中山記念金鯱賞が指定[2])への代表馬選定競走となる。寄贈賞を含めた競走名は「日進市長杯 マイル争覇」となり、回次は引き継がれて2018年が第24回となる。格付けはSPII。[3]

2020年より開催時期が12月から1月に変更され、出走資格も3歳以上から4歳以上に変更される。このため、2019年は開催を休止する。

2022年から出走条件が東海所属馬限定に変更。1月の開催では「道新スポーツ杯 マイル争覇」として施行された。同年より名古屋競馬場の移転に伴い、ダート1700mへ距離が変更。また施行時期を6月に、レース名も「中京スポーツ杯 トリトン争覇」に、出走資格も4歳以上から3歳以上にそれぞれ変更される[4]

負担重量は別定重量である。

条件・賞金(2023年) 編集

出走条件
サラブレッド系3歳以上、東海地区所属。
負担重量
別定
賞金額
1着500万円、2着175万円、3着100万円、4着75万円、5着50万円、着外5万円[1]
副賞
中京スポーツ賞[5]

歴史 編集

  • 1990年 - 名古屋競馬場のダート1600mのサラブレッド系4歳(現3歳)以上の東海所属馬限定の重賞競走「三重テレビ賞 マイル争覇」として創設。
  • 1993年
    • 愛知のカズノタンポポが史上初の連覇。
    • 愛知の迫田清美が騎手として史上初の連覇。
    • 愛知の永田三郎が調教師として史上初の連覇。
  • 1997年
    • 東海地区重賞格付け制度施行によりSPIIに格付け。
    • 施行時期を6月下旬 - 7月上旬から1月下旬 - 3月上旬に変更。
  • 1998年
    • 笠松のハカタダイオーが史上2頭目の連覇。
    • 当時、笠松所属の安藤光彰が騎手として史上2人目の連覇。
    • 笠松の柳江俊明が調教師として史上2人目の連覇。
  • 2001年 - 馬齢表示の国際基準への変更に伴い、出走条件が「サラブレッド系4歳以上の東海所属馬」から「サラブレッド系3歳以上の東海所属馬」に変更。
  • 2002年 - この年から北陸・東海・近畿地区交流競走として施行され、出走条件を「サラブレッド系3歳以上の北陸・東海・近畿所属馬」に変更。
  • 2004年 - 金沢のホシオーが他地区の地方所属馬として史上初の優勝。
  • 2006年
    • 愛知のヨシノイチバンボシが史上3頭目の連覇。
    • 愛知の錦見勇夫が調教師として史上3人目の連覇。
  • 2007年 - この年から北陸・東海・近畿・中国地区交流競走として施行され、出走条件を「サラブレッド系3歳以上の北陸・東海・近畿・中国所属馬」に変更。
  • 2008年 - 愛知の原口次夫が調教師として史上4人目の連覇。
  • 2009年
    • 愛知のキングスゾーンが史上4頭目の連覇。
    • 愛知の安部幸夫が騎手として史上3人目の連覇。
  • 2010年
    • 施行場を福山競馬場のダート1600mに移設。それに伴い、重賞表記を「SPII」から「重賞」に変更。
    • 東京スポーツ中部支社が優勝杯の提供から撤退。
    • 愛知のキングスゾーンが福山競馬場のダート1600mのコースレコード1:42.6で優勝と同時に史上初の3連覇。
  • 2011年
    • 愛知のキングスゾーンが史上初の4連覇。地方競馬においての同一重賞4勝は史上4頭目。
    • 愛知の安部幸夫が騎手として史上初の4連覇。
    • 愛知の原口次夫が調教師として史上初の5連覇。
  • 2013年 - 福山競馬場の廃止に伴い、この年をもって一旦休止。
  • 2018年 - 施行場を名古屋競馬場のダート1600mに移設して復活。寄贈賞は日進市長杯。
  • 2020年 - 開催時期が12月から1月に変更され、出走資格も3歳以上から4歳以上に変更。
  • 2022年
    • 名古屋競馬場の移転・及びそれに伴う重賞競走の路線整備の為、本年は2回(2021年度 - 1月、2022年度 - 6月)施行。
    • この年から東海所属馬限定競走として施行。また、日進市が優勝杯提供から撤退し、2021年度は道新スポーツ、2022年度以降は中京スポーツが優勝杯を提供する。
    • 6月開催となる2022年度競走より、(新)名古屋競馬場ダート1700mに移行するとともに、レース名を「トリトン争覇」に、出走資格を3歳以上に変更。

歴代優勝馬 編集

施行年月日 競馬場 距離 優勝馬 性齢 所属 タイム 優勝騎手 管理調教師
1 1990年6月27日 名古屋 1600m ラツキーイソハル 牝6 愛知 1:39.5 戸部尚実 河村功
2 1991年6月26日 名古屋 1600m ペーターマン 牡5 愛知 1:40.9 黒宮高徳 山本茂則
3 1992年7月1日 名古屋 1600m カズノタンポポ 牝4 愛知 1:40.1 迫田清美 永田三郎
4 1993年6月30日 名古屋 1600m カズノタンポポ 牝5 愛知 1:41.5 迫田清美 永田三郎
5 1994年6月29日 名古屋 1600m スズノキャスター 牝6 笠松 1:40.8 安藤勝己 鈴木良文
6 1995年7月12日 名古屋 1600m ライフアサヒ 牡4 愛知 1:39.8 吉田稔 松橋寛
7 1997年2月19日 名古屋 1600m ハカタダイオー 牡4 笠松 1:41.3 安藤光彰 柳江俊明
8 1998年2月4日 名古屋 1600m ハカタダイオー 牡5 笠松 1:41.6 安藤光彰 柳江俊明
9 1999年2月17日 名古屋 1600m シンプウライデン 牡5 笠松 1:41.1 安藤勝己 荒川友司
10 2000年3月1日 名古屋 1600m メモリーデュラブ 牡6 愛知 1:41.7 安部幸夫 荒木市雄
11 2001年3月7日 名古屋 1600m アイリッシュパーク 牡7 愛知 1:41.7 横川健二 冨田光吉
12 2002年3月6日 名古屋 1600m サンキューホーラー 7 愛知 1:40.6 丸野勝虎 本名信行
13 2003年2月27日 名古屋 1600m キウィダンス 牝4 愛知 1:42.0 吉田稔 角田輝也
14 2004年2月24日 名古屋 1600m ホシオー 牡8 金沢 1:41.2 向山牧 松原正文
15 2005年2月17日 名古屋 1600m ヨシノイチバンボシ 牡4 愛知 1:38.9 吉田稔 錦見勇夫
16 2006年2月3日 名古屋 1600m ヨシノイチバンボシ 牡5 愛知 1:40.9 安部幸夫 錦見勇夫
17 2007年2月2日 名古屋 1600m ウイニングウインド 牡6 愛知 1:43.0 吉田稔 原口次夫
18 2008年1月31日 名古屋 1600m キングスゾーン 牡6 愛知 1:43.2 安部幸夫 原口次夫
19 2009年1月29日 名古屋 1600m キングスゾーン 牡7 愛知 1:43.2 安部幸夫 原口次夫
20 2010年2月1日 福山 1600m キングスゾーン 牡8 愛知 1:42.6 安部幸夫 原口次夫
21 2011年2月6日 福山 1600m キングスゾーン 牡9 愛知 1:44.3 安部幸夫 原口次夫
22 2012年1月30日 福山 1600m スマートブレード 牡11 愛知 1:43.8 岡部誠 角田輝也
23 2013年1月27日 福山 1600m エーシンアガペー 牝6 兵庫 1:44.7 田中学 橋本忠男
24 2018年12月7日 名古屋 1600m カツゲキキトキト 牡5 愛知 1:41.7 大畑雅章 錦見勇夫
25 2020年1月16日 名古屋 1600m サムライドライブ 牝5 愛知 1:42.3 岡部誠 角田輝也
26 2021年1月14日 名古屋 1600m カツゲキキトキト 牡7 愛知 1:43.1 大畑雅章 錦見勇夫
27 2022年1月20日 名古屋 1600m トミケンシャイリ 牡4 愛知 1:43.2 今井貴大 竹下直人
28 2022年6月23日 名古屋 1700m ウインユニファイド 牡10 愛知 1:47.3 丸野勝虎 沖田明子
29 2023年6月15日 名古屋 1700m ブリーザフレスカ 牝4 愛知 1:46.9 塚本征吾 塚田隆男

脚注 編集

  1. ^ a b 2023 年度(令和 5 年度)愛知県競馬組合営名古屋競馬賞金等支給基準” (PDF). 名古屋けいばオフィシャルサイト. 2023年6月13日閲覧。
  2. ^ [地]が出走できるGⅠ競走とそのステップ競走について(平成30年度)” (PDF). 日本中央競馬会. 2018年7月13日閲覧。
  3. ^ 平成30年度の重賞競走等の日程について”. 金シャチけいばNAGOYA. 2018年7月13日閲覧。
  4. ^ 令和4年度の重賞日程について”. 名古屋けいばオフィシャルサイト (2022年2月25日). 2022年2月25日閲覧。
  5. ^ 令和5年度 第6回 名古屋競馬番組  トリトン争覇(SPII)シリーズ” (PDF). 名古屋けいばオフィシャルサイト. 2023年6月13日閲覧。