マオー=マオンMaó-Mahón)は、スペインバレアレス諸島州ムニシピオ(基礎自治体)。バレアレス諸島メノルカ島東部に位置する。2014年に自治体の正式名称がカタルーニャ語名マオー(Maó)とカスティーリャ語名マオン(Mahón)をハイフンでつないだものに変更された[1][2]。マオー港は長さ5km、幅900m、天然港としては世界第二の深さを持つ。

Maó-Mahón

  


 バレアレス諸島州
 バレアレス諸島県
面積 11,720 km²
標高 72mm
人口 28,904 人 (2008)
人口密度 246.62 人/km²
住民呼称 maonès/-esa
守護聖人 Virgen de Gracia
Maó-Mahónの位置(スペイン内)
Maó-Mahón
Maó-Mahón
スペイン内マオー=マオンの位置
Maó-Mahónの位置(バレアレス諸島内)
Maó-Mahón
Maó-Mahón
バレアレス諸島県内マオー=マオンの位置

北緯39度53分22秒 東経04度15分51秒 / 北緯39.88944度 東経4.26417度 / 39.88944; 4.26417座標: 北緯39度53分22秒 東経04度15分51秒 / 北緯39.88944度 東経4.26417度 / 39.88944; 4.26417
マオー=マオン公式サイト

マオー=マオンの歴史地区

歴史 編集

マオー=マオンの名は、ハンニバルの弟であるカルタゴの将軍マゴ・バルカにちなむ。彼は紀元前205年頃、この地を隠れ家にしていたと考えられている。その後ローマ帝国支配下に入り、町はポルトゥス・マゴニス(Portus Magonis)と改名された。ローマ帝国衰退後、ヴァンダル族東ローマ帝国が支配した。しばしばノルマン人とイスラム勢の攻撃を受け、最終的に903年に後ウマイヤ朝に占領・併合された。

1287年、アラゴンアルフォンソ3世の手に落ち、アラゴン王国の配下にあったマヨルカ王国に編入された。

その後もバルバリア海賊の攻撃を受けた。1535年のチュニス征服後、バルバロス・ハイレッディンによってマオー略奪カタルーニャ語版英語版が行なわれた。マオー港は西地中海有数の要所であり、スペインフェリペ2世はマオー港南部にサン・フェリペ要塞を建設させ、西地中海の制海権を確保した。

スペイン継承戦争の最中の1708年、メノルカ島はイギリスに占領され(ミノルカ島の占領)、1713年のユトレヒト条約でイギリス領有が確定された。18世紀のイギリス支配時代、マオー=マオンはメノルカ島の首府であり、知事の住居が置かれた。1802年にメノルカはスペインへ返還され、現在、メノルカ島議会(Consell Insular de Menorca)がマオー=マオンに置かれている。

20世紀後半、歴史地区の一新が観光収入を財源として行われた。イギリスの作家パトリック・オブライアンの『オーブリー&マチュリンシリーズ』の舞台としてマオー=マオンが登場する。

つづりに関する論争 編集

都市名のつづりに関する英語のスペリングについて一部討論がなされている。外国語のアクセントを無視する英語の全般的な傾向のため、多くの英語の辞書ではスペイン語のマオンに適応するMahonを採用している。一方で多くのその他の出版物では、カタルーニャ語のマオーの使用が正しいと断言している。これに関連し、正しい公式の地名の議論が行われた。マオーはカタルーニャ語正字法によって適切な表記であり、マオー住民、州政府によって承認されている。しかし、一部の保守主義者からはマオンの表記が好まれている。一部の人々は、さらに古いカタルーニャ語表記Mahóも好む。カタルーニャ語はそれ自体が、バレアレス諸島の島々がそれぞれ独自の方言を持つように、地方の方言に従っている。

交通 編集

マオー=マオンのダウンタウンの東4kmの地に、軍事・民間空港であるメノルカ空港がある。マドリードバルセロナなど、本土主要都市との間に定期便が運航されている。

マヨネーズ 編集

諸説あるマヨネーズの発祥地の中で最有力候補とされている[3]1756年フランスリシュリュー公爵(有名なリシュリュー枢機卿とは血縁関係にあるが別人)がイギリス領だったメノルカ島に攻め込んだ時、ふと立ち寄った港町マオン(マオー)の料理屋で肉料理に添えられたあるソースを大変気に入り、パリに持ち帰った。そのソースはフランスで「マオンのソース」として人気になり、それが「Mahonnaise(マオンネーズ)」と呼ばれ、さらに「Mayonnaise(マヨネーズ)」になったと言う。[4][5][6]

脚注 編集

  1. ^ BOIB Núm 170 CONSELL INSULAR DE MENORCA, CONSELL EXECUTIU Canvi de denominació toponímica del municipi de Maó per la denominació de Maó-Mahón.” (カタルーニャ語). Govern de les Illes Balears (2013年12月10日). 2015年4月5日閲覧。
  2. ^ Resolución de 29 de enero de 2014, del Consejo Insular de Menorca (Illes Balears), por la que se publica el cambio de denominación del municipio de Maó por el de Maó-Mahón.” (スペイン語). Agencia Estatal Boletín Oficial del Estado, Ministerio de la Presidencia, Gobierno de España (2014年3月4日). 2015年4月5日閲覧。
  3. ^ マヨネーズ誕生物語|キユーピー
  4. ^ Bardají Mas, Teodoro (1928). La salsa mahonesa. Impr. Julián Peña 
  5. ^ Pisa Villarroya, José M.ª (1999). La salsa mahonesa antes y después de Teodoro Bardají. Angües: La Val de Onsera. OCLC 433597489 
  6. ^ Dr. Thebussem (1998). Segunda ristra de ajos. Zaragoza: La Val de Onsera. pp. 217–219. ISBN 9788488518293 

外部リンク 編集