マキシム・コフトゥン

ロシアのフィギュアスケート選手

マキシム・パヴロヴィチ・コフトゥンロシア語ラテン翻字: Maxim Pavlovich Kovtunロシア語: Максим Павлович Ковтун1995年6月18日 - )は、ロシアエカテリンブルク出身の元フィギュアスケート選手(男子シングル)。2019年4月に引退。

マキシム・コフトゥン
Maxim KOVTUN
フィギュアスケート選手
生誕 (1995-06-18) 1995年6月18日(28歳)
ウラル連邦管区
スヴェルドロフスク州エカテリンブルク
身長 182 cm
選手情報
代表国 ロシアの旗 ロシア
所属クラブ CSKAモスクワ
引退 2019年4月23日
ISUパーソナルベストスコア
総合247.552018 CSタリントロフィー
SP87.702019 欧州選手権
FS166.642018 CSタリントロフィー
獲得メダル
フィギュアスケート
主要な国際競技会
大会 1 2 3
欧州選手権 0 2 1
世界国別対抗戦 0 2 0
ユニバーシアード 0 1 0
ジュニアグランプリファイナル 1 0 0
合計 1 5 1
欧州選手権
2015 ストックホルム 男子シングル
2016 ブラチスラヴァ 男子シングル
2017 オストラヴァ 男子シングル
世界国別対抗戦
2015 東京 団体
2017 東京 団体
ユニバーシアード
2019 クラスノヤルスク 男子シングル
ジュニアグランプリファイナル
2012 ソチ 男子シングル

2014年、2015年、2016年、2018年ロシア選手権優勝。2012年ジュニアグランプリファイナル優勝。2015年欧州選手権2位。

経歴 編集

幼少時に幼稚園からほど近かったスケートリンクでフィギュアスケートを始める。10歳の時に習っていたアイスホッケーフィギュアスケートからスケートを選択した。[1]

2010-2011シーズン、ロシア選手権で11位。ユーロユースオリンピックで2位。

2011-2012シーズンよりISUジュニアグランプリに参戦し、初戦のJGPブラショフ杯で優勝、2戦目のJGPタリン杯では2位に入り、ジュニアグランプリファイナルに進出。ファイナルでは4位となる。

2012-2013シーズン、ロシアフィギュアスケート連盟の「オリンピックのプレシーズンのコーチの変更をしてはいけない。」という規定に抵触し、一度は断られたものの、タチアナ・タラソワエレーナ・ブイアノワにコーチを変更。JGPクロアチア杯ではFSでジュニア歴代最高の149.72を出して優勝。ジュニアグランプリファイナルではSP、FSともにパーソナルベストを出して優勝。ロシア選手権では5位だったが、欧州選手権の代表に選ばれ5位。世界選手権は17位。

2013-2014シーズン、シニアのグランプリシリーズに参戦。中国杯では2位。ロステレコム杯ではSPで2度の4回転ジャンプに成功し首位に立つも、FSで崩れ2戦連続で2位。初出場となったグランプリファイナルでは5位。ロシア選手権では初優勝を果たした。欧州選手権ではロシアの3選手のうち最下位で5位となり、エフゲニー・プルシェンコソチオリンピックの代表に選ばれた。世界選手権には2年連続で出場し4位。2年ぶりにロシアの男子シングルの出場枠を「2」に戻した。

2014-2015シーズン、前シーズンに引き続きグランプリシリーズに参戦。初戦の中国杯でGPシリーズ初優勝、続くエリック・ボンパール杯ではSP6位からFSで追い上げ優勝、2連勝で2年連続のグランプリファイナル進出を決めた。ロシア選手権では2年連続の優勝、続く欧州選手権では2位となり、ISUチャンピオンシップスで初めてメダルを獲得した。世界選手権ではSPの遅れが響き総合7位に沈んだ。

2015-2016シーズン、FSの前に開催中止となったエリック・ボンパール杯では銀メダルを獲得。 NHK杯では10位となり、グランプリシリーズで初めてメダルを逃した。地元エカテリンブルクで開催のロシア選手権で3連覇を果たした。欧州選手権では銅メダルを獲得した。世界選手権は18位に終わった。シーズン終了後、メインコーチをインナ・ゴンチャレンコに変更した[2]

2017-2018シーズンは怪我によりロシア国内選手権やグランプリシリーズなどほぼ全ての試合を欠場。2018年1月にコーチのゴンチャレンコがCSKAを辞めた事により彼女と同行する事を公表していたが、2018年4月5日にゴンチャレンコからコフトゥンはCSKAに戻り前のコーチのブイアノワの元でトレーニングしている事が明かされた[3]

2018-2019シーズン、タリントロフィーで優勝。ロシア選手権では3年ぶり4度目の優勝を果たし、欧州選手権の代表に選出された。同大会ではSP5位発進で表彰台圏内につけるも、FSで7本すべてのジャンプを失敗し過去最低の14位に終わった。世界選手権は健康上の問題により欠場が発表された[4]

2019年4月23日、競技からの引退を発表した[5]

主な戦績 編集

大会/年 2008
-09
2010
-11
2011
-12
2012
-13
2013
-14
2014
-15
2015
-16
2016
-17
2017
-18
2018
-19
世界選手権 17 4 7 18 11 WD[6]
欧州選手権 5 5 2 3 2 14
世界国別対抗戦 12 8
ロシア選手権 11 12 5 1 1 1 3 1
GPファイナル 5 4
GP中国杯 7
GPスケートアメリカ 7 棄権
GP NHK杯 10
GPエリック杯 1 2[7]
GP中国杯 2 1
GPロステレコム杯 2
CSフィンランディア杯 3
CSタリン杯 1
CS M.オーナメント 1
冬季ユニバーシアード 2
ロシアJr.選手権 18 5 3
JGPファイナル 4 1
JGPクロアチア杯 1
JGP B.シュベルター杯 1
JGPブラショフ杯 1
JGPタリン杯 2
ユーロユースオリンピック 2

詳細 編集

2018-2019 シーズン
開催日 大会名 SP FS 結果
2019年3月6日 - 9日 2019年冬季ユニバーシアードクラスノヤルスク 1
91.74
3
167.75
2
259.49
2019年1月21日 - 27日 2019年ヨーロッパフィギュアスケート選手権ミンスク 5
87.70
16
128.48
14
216.18
2018年12月19日 - 23日 ロシアフィギュアスケート選手権サランスク 1
95.14
1
186.45
1
281.59
2018年11月26日 - 12月2日 ISUチャレンジャーシリーズ タリントロフィータリン 1
80.91
1
166.64
1
247.55
2017-2018 シーズン
開催日 大会名 SP FS 結果
2017年11月24日 - 26日 ISUグランプリシリーズスケートアメリカレークプラシッド 12
64.98
- 棄権
2016-2017 シーズン
開催日 大会名 SP FS 結果
2017年4月20日 - 23日 2017年世界フィギュアスケート国別対抗戦東京 11
64.62
10
148.29
2
団体
(212.91)
2017年3月27日 - 4月2日 2017年世界フィギュアスケート選手権ヘルシンキ 10
89.38
14
156.46
11
245.84
2017年1月25日 - 29日 2017年ヨーロッパフィギュアスケート選手権オストラヴァ 2
94.53
2
172.27
2
266.80
2016年12月22日 - 25日 ロシアフィギュアスケート選手権チェリャビンスク 7
76.65
2
172.72
3
249.37
2016年11月18日 - 20日 ISUグランプリシリーズ 中国杯北京 10
70.10
7
151.33
7
221.43
2016年10月21日 - 23日 ISUグランプリシリーズ スケートアメリカシカゴ 10
67.43
6
163.32
7
230.75
2016年10月6日 - 9日 ISUチャレンジャーシリーズ フィンランディア杯エスポー 1
88.26
4
141.31
3
229.57
2015-2016 シーズン
開催日 大会名 SP FS 結果
2016年3月26日 - 4月3日 2016年世界フィギュアスケート選手権ボストン 13
78.46
21
131.68
18
210.14
2016年1月25日 - 31日 2016年ヨーロッパフィギュアスケート選手権ブラチスラヴァ 2
88.09
6
154.12
3
242.21
2015年12月23日 - 27日 ロシアフィギュアスケート選手権エカテリンブルク 1
93.05
1
173.08
1
266.13
2015年11月27日 - 29日 ISUグランプリシリーズ NHK杯長野 4
82.27
11
130.36
10
212.63
2015年11月13日 - 15日 ISUグランプリシリーズ エリック・ボンパール杯ボルドー 2
86.82
中止 2
2015年10月15日 - 18日 ISUチャレンジャーシリーズ モルドヴィアンオーナメントサランスク 4
73.14
1
163.24
1
236.38
2014-2015 シーズン
開催日 大会名 SP FS 結果
2015年4月16日 - 19日 2015年世界フィギュアスケート国別対抗戦東京 8
74.83
6
158.91
2
団体
2015年3月23日 - 29日 2015年世界フィギュアスケート選手権上海 16
70.82
6
159.88
7
230.70
2015年1月26日 - 2月1日 2015年ヨーロッパフィギュアスケート選手権ストックホルム 4
78.21
2
157.47
2
235.68
2014年12月24日 - 28日 ロシアフィギュアスケート選手権ソチ 1
98.14
2
173.38
1
271.52
2014年12月11日 - 14日 2014/2015 ISUグランプリファイナルバルセロナ 3
87.02
5
155.25
4
242.27
2014年11月21日 - 23日 ISUグランプリシリーズ エリック・ボンパール杯ボルドー 6
77.11
1
166.24
1
243.35
2014年11月7日 - 9日 ISUグランプリシリーズ 中国杯上海 1
85.96
1
157.38
1
243.34
2013-2014 シーズン
開催日 大会名 SP FS 結果
2014年3月24日 - 30日 2014年世界フィギュアスケート選手権さいたま 7
84.66
5
162.71
4
247.37
2014年1月13日 - 19日 2014年ヨーロッパフィギュアスケート選手権ブダペスト 4
83.15
5
149.22
5
232.37
2013年12月22日 - 27日 ロシアフィギュアスケート選手権ソチ 2
93.08
1
174.05
1
267.13
2013年12月5日 - 8日 2013/2014 ISUグランプリファイナル福岡 5
68.92
5
164.32
5
233.24
2013年11月22日 - 24日 ISUグランプリシリーズ ロステレコム杯モスクワ 1
92.53
4
147.81
2
240.34
2013年11月1日 - 3日 ISUグランプリシリーズ 中国杯北京 2
81.84
1
156.81
2
238.65
2012-2013 シーズン
開催日 大会名 SP FS 結果
2013年4月11日 - 14日 2013年世界フィギュアスケート国別対抗戦東京 7
76.67
8
145.12
8
221.79
2013年3月10日 - 17日 2013年世界フィギュアスケート選手権ロンドン 19
65.85
14
141.55
17
207.40
2013年1月23日 - 27日 2013年ヨーロッパフィギュアスケート選手権ザグレブ 7
74.46
4
152.11
5
226.57
2012年12月24日 - 28日 ロシアフィギュアスケート選手権ソチ 3
75.38
5
149.64
5
225.02
2012年12月6日 - 9日 2012/2013 ISUジュニアグランプリファイナルソチ 2
72.53
1
149.78
1
222.31
2012年10月10日 - 14日 ISUジュニアグランプリ ブラエオン・シュベルター杯ケムニッツ 1
68.13
2
124.91
1
193.04
2012年10月3日 - 7日 ISUジュニアグランプリ クロアチア杯ザグレブ 2
69.47
1
149.72
1
219.19
2011-2012 シーズン
開催日 大会名 SP FS 結果
2012年4月19日 - 22日 2012年世界フィギュアスケート国別対抗戦東京 11
60.93
12
111.53
12
172.46
2012年2月5日 - 7日 ロシアジュニアフィギュアスケート選手権(ヒムキ 5
65.21
2
128.74
3
193.95
2011年12月25日 - 29日 ロシアフィギュアスケート選手権サランスク 12
66.11
11
127.82
12
193.93
2011年12月8日 - 11日 2011/2012 ISUジュニアグランプリファイナルケベック・シティー 4
63.68
4
130.08
4
193.76
2011年10月12日 - 16日 ISUジュニアグランプリ タリン杯タリン 2
58.47
2
128.40
2
186.87
2011年9月21日 - 25日 ISUジュニアグランプリ ブラショフ杯ブラショフ 2
61.14
1
121.77
1
182.91
2010-2011 シーズン
開催日 大会名 SP FS 結果
2011年2月12日 - 19日 ヨーロッパユースオリンピックリベレツ 1
57.30
2
104.45
2
161.75
2011年2月2日 - 4日 ロシアジュニアフィギュアスケート選手権(カザン 4
63.32
6
119.25
5
182.57
2010年12月26日 - 29日 ロシアフィギュアスケート選手権サランスク 6
67.63
12
120.87
11
188.50
2008-2009 シーズン
開催日 大会名 SP FS 結果
2009年1月28日 - 31日 ロシアジュニアフィギュアスケート選手権(サランスク 18
39.48
17
85.13
18
124.61

プログラム使用曲 編集

シーズン SP FS EX
2018-2019 L-O-V-E
ボーカル:ナット・キング・コール
シング・シング・シング
演奏:ベニー・グッドマン
カルメン
作曲:ジョルジュ・ビゼー
KISS
曲:プリンス
ボーカル:トム・ジョーンズ
演奏:アート・オブ・ノイズ
2017-2018 フラメンコ・セレクション Hey You
曲:ピンク・フロイド
2016-2017 Bahamut
演奏:ハズマット・モディーン
Iron Sky
曲:パオロ・ヌティーニ
この素晴らしき世界
ボーカル:ルイ・アームストロング
2015-2016 I Can't Dance
作曲:ジェネシス
振付:ピーター・チェルニシェフ
交響曲第5番
ピアノ協奏曲第3番
交響曲第9番
作曲:ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
振付:ピーター・チェルニシェフ
KISS
曲:プリンス
ボーカル:トム・ジョーンズ
演奏:アート・オブ・ノイズ
2014-2015 ボレロ
作曲:モーリス・ラヴェル
振付:イリーナ・タガエワ
エクソジェネシス:交響曲第2部
演奏:ミューズ
振付:イリーナ・タガエワ
2013-2014 ファルカス
作曲:ペペ・ロメロ
ピアノ協奏曲第1番
作曲:ピョートル・チャイコフスキー
サマータイム
ボーカル:ビリー・スチュアート
2012-2013 映画『アラビアのロレンス』サウンドトラックより
作曲:モーリス・ジャール
映画『カサブランカ』サウンドトラックより
作曲:マックス・スタイナー
Ain't no sunshine when she's gone
ボーカル:ビル・ウィザース
2011-2012 Murka
by Neshchastnyj Sluchai
映画『オースティン・パワーズ』サウンドトラックより
作曲:ジョージ・S・クリントン

脚注 編集

  1. ^ New coaches raise Kovtun's skating to next level
  2. ^ Фигурист Ковтун заявил, что, уходя от Водорезовой, думал лишь о личных интересах
  3. ^ Гончаренко: фигурист Ковтун поставил перед фактом, что вернулся в ЦСКА к Буяновой
  4. ^ Максим Ковтун не выступит на чемпионате мира в Сайтаме по медицинским показаниям
  5. ^ マキシム・コフトゥンのInstagram 2019年4月23日の投稿
  6. ^ https://twitter.com/ISU_Figure/status/1105865386157854722
  7. ^ パリ同時多発テロ事件によるフリー種目の中止でSPの順位が最終結果となった。

参考文献 編集

外部リンク 編集