マクシム・クレシー

フランス出身でアメリカ国籍のテニス選手 (1997 - )

マクシム・クレシーMaxime Cressy[3]; 1997年5月8日 - )は、フランス系アメリカ人の男子プロテニス選手。身長198cm、体重84kg。右利き、バックハンドは両手打ち。ランキング自己最高位はシングルス33位・ダブルス67位。

マクシム・クレシー
Maxime Cressy
2023年モンテカルロ・マスターズでのマクシム・クレッシー
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 (2018 -)
フランスの旗 フランス (2016 - 2018)
出身地 フランスの旗 フランスパリ
生年月日 (1997-05-08) 1997年5月8日(26歳)
身長 198cm
体重 84kg
利き手
バックハンド 両手打ち
ツアー経歴
デビュー年 2019年
ツアー通算 2勝
シングルス 1勝
ダブルス 1勝
生涯獲得賞金 2,229,580アメリカ合衆国ドル
4大大会最高成績・シングルス
全豪 4回戦(2022)
全仏 1回戦(2022・23)
全英 2回戦(2022)
全米 2回戦(2020・21)
4大大会最高成績・ダブルス
全豪 1回戦(2023)
全仏 3回戦(2022)
全英 1回戦(2022・23)
全米 1回戦(2019)
キャリア自己最高ランキング
シングルス 33位(2022年7月18日)
ダブルス 64位(2023年5月8日)
2023年7月9日現在

選手経歴 編集

ジュニア時代 編集

フランスパリ出身で、母親は元NCAAバレーボールプレイヤー。4歳のときに壁打ちでテニスを始めた。12歳からブルリ英語版にあるFTT英語版下で養成。

高校3年生時に母親の提案でアメリカのテニスアカデミーに編入し、カリフォルニア大学ロサンゼルス校に進学。しかし、新入当時のマクシムは背の大きさを生かしたフラットサーブしか取り柄のないプレーヤーで、チームメイトとの試合ではゲームすらほとんど取れていなかった。そこで、キックサーブやストロークなどプレーに幅を持たせることや、ボレーを主体とするプレースタイルの確立を2年半かけて行うと、4年生時にはUCAAシングルスランキングで17位、ダブルスで1位になるまで成長[4]。特にダブルスではNCAAの公式戦で26戦無敗で優勝。2018年にアメリカ国籍を取得。

2019年 プロ転向 編集

また大学在学中、2019年1月に行われたコロンバス・チャレンジャー英語版のダブルスでチャレンジャー初優勝、翌月のクリーブランド・チャレンジャー英語版でシングルスで初優勝を挙げた。2019年に大学卒業とともにプロへ転向する。プロ転向後は主にシングルスで大会に出場している。

2020年 グランドスラム初勝利 編集

2020年全米オープンでワイルドカードとしてグランドスラム本戦デビュー。1回戦でコバリク英語版を3-1で下しGS本戦初勝利を挙げた。2回戦で第4シードのチチパスと対戦し0-3で敗れた。

2021年 トップ150入り 編集

2021年全豪オープンでは1回戦のダニエル太郎を3-0で下し勝利したが、2回戦は第6シードのズベレフに0-3で敗れた。 同年の全仏とウィンブルドンは予選落ちとなったが、全米オープンは予選を勝ち抜き本戦進出。1回戦で第9シードのカレーニョ・ブスタをフルセットタイブレークの末下す金星を挙げた。2回戦はバシラシビリに0-3で敗れた。翌月のインディアンウェルズで予選を勝ち抜きマスターズ本戦デビュー。1回戦でジェレを2-1下す。2回戦第11シードのシュワルツマンを相手に、ファイナルセット5-4, 40-15の2マッチポイントのところまで追い込むも、ここから3ゲームを連取され逆転負けを喫した[5]

2022年 ツアー初優勝 編集

1月、全豪前哨戦にあたるメルボルン・サマーセット1英語版で予選を勝ち抜き本戦入りすると、1回戦のヒジカタ英語版を2-0、2回戦第2シードのオペルカを2-1で下す。続く準々決勝のムナールを2-0、準決勝第3シードディミトロフも2-0で下し、ATPツアーで初めて決勝に進出した。決勝では第1シードのナダルに0-2で敗れ準優勝となった。この大会によってランキングが112位から75位に上昇、TOP100入りを果たす。

同月の全豪オープンでは、1回戦のイズナーにフルセットの末勝利。続く2回戦のマハーチを3-1、3回戦のオコネル英語版も3-1で下した。

人物 編集

サーブアンドボレーやチップアンドチャージなど、ボレーを主体とするプレースタイル。サーブは最速で135mph (217km/h)ほどで、ファーストサーブとセカンドサーブで球速差があまりなく、時にはセカンドの方が速いときもある[6]。得意サーフェスはグラス、好きな大会はニューポート

憧れの選手はピート・サンプラス

好きなスポーツチームはパリサンジェルマン、好きな選手はクリスティアーノ・ロナウド

自身のアピールポイントとして根気強さ、ウィークポイントとして自己中心的であることを挙げている。

成績 編集

略語の説明
 W   F  SF QF #R RR Q# LQ  A  Z# PO  G   S   B  NMS  P  NH

W=優勝, F=準優勝, SF=ベスト4, QF=ベスト8, #R=#回戦敗退, RR=ラウンドロビン敗退, Q#=予選#回戦敗退, LQ=予選敗退, A=大会不参加, Z#=デビスカップ/BJKカップ地域ゾーン, PO=デビスカップ/BJKカッププレーオフ, G=オリンピック金メダル, S=オリンピック銀メダル, B=オリンピック銅メダル, NMS=マスターズシリーズから降格, P=開催延期, NH=開催なし.

シングルス 編集

大会 2019 2020 2021 2022 通算成績
全豪オープン A Q1 2R 4R 4-2
全仏オープン A Q1 Q1 1R 0-1
ウィンブルドン A NH Q3 2R 1-1
全米オープン Q1 2R 2R 2-2
年別 0–0 1–1 2-2 4-3 5-4

大会最高成績 編集

大会 成績
ATPファイナルズ A 出場なし
インディアンウェルズ 2R 2021, 2023
マイアミ 2R 2023
モンテカルロ 1R 2022, 2023
マドリード 1R 2022, 2023
ローマ 1R 2023
カナダ 2R 2022
シンシナティ 1R 2022
上海 A 出場なし
パリ 2R 2022
オリンピック A 出場なし
デビスカップ A 出場なし
ATPカップ A 出場なし

ATPツアー決勝進出結果 編集

シングルス: 0勝1敗 編集

大会グレード別
グランドスラム (0–0)
ATPファイナルズ (0–0)
ATPツアー・マスターズ1000 (0–0)
ATPツアー・500シリーズ (0–0)
ATPツアー・250シリーズ (0–1)
サーフェス別
ハード (0-1)
クレー (0–0)
グラス (0–0)
結果 No. 決勝日 大会 サーフェス 対戦相手 スコア
準優勝 1. 2022年1月   メルボルン1英語版 ハード   ラファエル・ナダル 6-7(6-8), 3-6

ATPチャレンジャー・ITFワールドテニスツアー決勝 編集

シングルス: 5勝6敗 編集

大会グレード別
ATPチャレンジャーツアー (3勝4敗)
ITFワールドテニスツアー (2勝2敗)
サーフェス別
ハード (5勝4敗)
クレー (0戦)
グラス (0戦)
カーペット (0勝2敗)
結果 勝-敗 日時 大会 サーフェス 対戦相手 スコア
準優勝 0–1 2018年9月   F25, ラグーナニゲル ハード   ブランドン・ナカシマ 4–6, 4–6
準優勝 0–2 2018年12月   F34, ウェーコ ハード (屋内)   ミハエル・ヘールツ英語版 2–6, 6–4, 4–6
優勝 1–2 2018年12月   F35, タラハシー ハード (屋内)   ライアン・ペニストン英語版 6–4, 7–6(7–4)
優勝 2–2 2019年2月   クリーブランド ハード (屋内)   ミケール・トーペゴー英語版 6–7(4–7), 7–6(8–6), 6–3
優勝 3–2 2019年6月   M25, タルサ ハード   サム・リフィス英語版 6–3, 6–1
準優勝 3–3 2019年10月   イスマニン カーペット (屋内)   ルカーシュ・ラツコ英語版 3–6, 0–6
優勝 4–3 2020年2月   ドラモンドビル ハード (屋内)   アーサー・リンダークネッシュ 6–7(4–7), 6–4, 6–4
準優勝 4–4 2020年3月   カルガリー ハード (屋内)   アーサー・リンダークネッシュ 6–3, 6–7(5–7), 4–6
準優勝 4–5 2021年11月   エッケンタール カーペット (屋内)   ダニエル・マズーア英語版 4–6, 4–6
準優勝 4–6 2021年11月   オルティゼーイ ハード (屋内)   オスカー・オッテ英語版 6–7(5–7), 4–6
優勝 5–6 2021年11月   フォルリ ハード (屋内)   マティアス・バッヒンガー英語版 6–4, 6–2

ダブルス: 13勝1敗 編集

大会グレード別
ATPチャレンジャーツアー (2勝1敗)
ITFワールドテニスツアー (11勝0敗)
サーフェス別
ハード (13勝0敗)
クレー (0戦)
グラス (0戦)
カーペット (0勝1敗)
結果 勝-敗 日時 大会 サーフェス パートナー 対戦相手 スコア
優勝 1–0 2017年8月   F2, ミンスク ハード   ユーゴ・アンベール   Ivan Liutarevich
  Vadym Ursu
4–6, 6–3, [10–5]
優勝 2–0 2018年7月   F19, ウィチタ ハード   ブランドン・ホルト英語版   ハンター・ジョンソン英語版
  イェイツ・ジョンソン英語版
3–6, 6–2, [10–6]
優勝 3–0 2018年7月   F20, シャンペーン ハード   Martin Joyce   Charlie Emhardt
  Alfredo Perez
6–3, 6–2
優勝 4–0 2018年7月   F21, ディケーター ハード   Martin Joyce   ニコラス・マイスター英語版
  キーガン・スミス英語版
4–6, 6–2, [10–2]
優勝 5–0 2018年9月   F26, ファウンテンバレー ハード   アレクサンデル・コズビノブ英語版   Alec Adamson
  Conor Berg
6–2, 6–2
優勝 6–0 2018年10月   F27, ヒューストン ハード   ニコラス・マイスター   ジョン・ポール・フルテーロ英語版
  ベルナルド・サライヴァ英語版
7–5, 6–3
優勝 7–0 2018年10月   F28, ハーリンジン ハード   ニコラス・マイスター   ジョン・ポール・フルテーロ
  ロニー・シュナイダー英語版
6–4, 6–2
優勝 8–0 2018年10月   F28B, ウェーコ ハード   ニコラス・マイスター   ジョン・ポール・フルテーロ
  ダニー・トーマス英語版
6–1, 6–4
優勝 9–0 2018年12月   F34, ウェーコ ハード (屋内)   ニコラス・マイスター   Vasile-Alexandru Ghilea
  Robert Kelly
7–6(7–2), 7–6(9–7)
優勝 10–0 2019年1月   M25, ロサンゼルス ハード   アレクサンデル・コズビノブ   ルイス・パティーニョ英語版
  エミリオ・ゴメス英語版
6–4, 6–2
優勝 11–0 2019年1月   コロンバス ハード (屋内)   ベルナルド・サライヴァ   ロバート・ギャロウェイ英語版
  ナサニエル・ラモンズ英語版
7–5, 7–6(7–3)
優勝 12–0 2019年6月   M25, タルサ ハード   ベルナルド・サライヴァ   マーティン・レドリッキー英語版
  エバン・ジュー英語版
6–2, 3–6, [10-8]
準優勝 12–1 2019年10月   イスマニン カーペット (屋内)   ジェームズ・セレターニ英語版   カンタン・アリス英語版
  トリスタン・ラマジーヌ英語版
3–6, 5–7
優勝 13–1 2019年10月   ハンブルク ハード (屋内)   ジェームズ・セレターニ   ケン・スカプスキー英語版
  ジョン=パトリック・スミス英語版
6–4, 6–4

脚注 編集

  1. ^ フランス語の発音記号変換ツール”. easypronunciation.com. 2022年1月22日閲覧。
  2. ^ 英語のIPA発音記号変換(アメリカ英語)”. tophonetics.com. 2022年1月22日閲覧。
  3. ^ フランス語発音: [mak.sim kʁe.si][1]英語発音: /mækˈsim ˈkrɛsi/[2]
  4. ^ Inside Cressy's Incredible Transformation: 'He's Not Even The Same Player' 2022年1月22日閲覧。
  5. ^ Schwartzman Saves Match Points, Evans Defeats Nishikori”. ATP Tour. 2022年1月22日閲覧。
  6. ^ Maxime Cressy: The Craziest Player You’ve Never Heard Of”. 2022年1月22日閲覧。

外部リンク 編集