マリウス・カサドシュ(Marius Casadesus, 1892年10月24日1981年10月13日 )は、フランスヴァイオリニスト作曲家アンリ・カサドシュは兄で、有名なピアニストで作曲家のロベールは、同世代ながらも甥である。

マリウス・カサドシュ
Marius Casadesus
1911年頃?の古楽器協会の絵葉書。
アンリ、マリウス、リュセット、レジーヌ
およびM・ドヴィリエが映っている。
フランス国立図書館所蔵
基本情報
生誕 1892年10月24日
出身地 フランスの旗 フランス
死没 (1981-10-13) 1981年10月13日(88歳没)
職業 ヴァイオリニスト作曲家
担当楽器 ヴァイオリン

マリウス・カサドシュは、伝・モーツァルト作曲の《ヴァイオリン協奏曲 第7番》への関りによって最大の勇名を(あるいは悪名を)馳せた。この曲は1933年に、マリウス・カサドシュを「校訂者」としてモーツァルトの名のもとに出版された。多くの研究者はこの作品の正統性を信じ込み、作品目録において"K. Anh. 294a."というケッヘル番号さえ与えた("Anh."とはドイツ語の"Anhang"の略語であり、すなわち「補遺」という意味にほかならない)。また、ユーディ・メニューインのようにこの協奏曲を録音した演奏家もいる。しかしながらモーツァルト研究者のアルフレッド・アインシュタインはその信憑性に疑問を呈しており、1977年著作権論争の最中に、マリウス・カサドシュは自分が産みの親であることを法廷で認め、アインシュタインの鑑定眼の正しさが確定した。

なお、マリウスの兄アンリもまた名うての音楽の贋作家であり、《ヘンデル風のヴィオラ協奏曲 ロ短調》や《ヨハン・クリスティアン・バッハ風のチェロ協奏曲》をそれぞれの作曲者の忘れられた真作として発表したことがある。

マリウスはまた、バルセロナにおいて作曲者自身の同席する中でラヴェルの《ツィガーヌ》を上演したことでも名を遺している。

外部リンク 編集