マーシフル・フェイトMercyful Fate)は、デンマーク出身のヘヴィメタルバンド

マーシフル・フェイト
ドイツ ヴァッケン公演(2022年)
基本情報
出身地  デンマーク コペンハーゲン
ジャンル ヘヴィメタル[1]
ブラックメタル[1]
活動期間 1981年 - 1985年
1992年 - 1999年
2011年
2019年 - 現在
レーベル ロードランナー・レコード
ミュージック・フォー・ネイションズ
メガフォース・レコード
Combat Records
メタル・ブレイド・レコーズ
メンバー キング・ダイアモンド (Vo)
ハンク・シャーマン (G)
マイク・ウィード (G)
ビャーネ・T・ホルム (Ds)
ベッキー・ボールドウィン (B)
旧メンバー ティミ・ハンセン (B)
シャーリー・ダンジェロ (B)
マイケル・デナー (G)
ほか本文参照

同国を代表する古参のHR/HMバンドとして知られる。解散後その音楽性は、所属するボーカリスト キング・ダイアモンドのプロジェクトに受け継がれた。

概要・略歴 編集

結成から解散まで (1981年 - 1985年) 編集

 
創設者ハンク・シャーマン(1980年)

「ブラック・ローズ」というバンドにいたキング・ダイアモンド(以下キング)と、「ブラッツ」というバンドにいたハンク・シャーマンが出会い、そこにマイケル・デナー(ギター)とティミ・ハンセン(ベース)が加わり、1981年に結成。ドラマーとしてキム・ラッズを迎え、1982年、「Rave-On Records」というインディーズ・レーベルからEP『マーシフル・フェイト』を発表[注 1]

その後ロードランナー・レコードと契約し、1stアルバム『メリッサ』(1983年)でデビュー。キングの特異な声と、ハンクの生み出す捻れたギターリフが相乗効果となって、独特の恐怖世界(ブラックメタル)を創造した。続く2ndアルバム『ドント・ブレイク・ジ・オース』(1984年)では、美しいメロディも取り入れて、更に深みのある世界を築き上げた。

しかし、ハンクがポップな要素をバンドに取り入れようとして、他のメンバーと衝突しバンドは解散。キングはマイケルとティミを連れて、冠バンド「キング・ダイアモンド」を結成し、「マーシフル・フェイト」の世界観を継承。一方のハンクは「フェイト」というバンドを結成し、よりポップで美しいハード・ロックを追究した。

再結成後 (1992年 - 現在) 編集

その後ハンクは「フェイト」を脱退し、「ZOZER MEZ」というプロジェクトを開始する。一方のキングも、バンドとしての「キング・ダイアモンド」が活動停止状態になっていた。キング、ハンク、マイケル、ティミの4人が再び集まり、「キング・ダイアモンド」のメンバーだったスノーウィ・ショウ(ドラム)を迎えて、1992年に復活。新たに「メタル・ブレイド・レコーズ」と契約し、1993年に9年ぶりの3rdアルバム『イン・ザ・シャドウズ』を発表した。本作には、「メタリカ」のドラマーである同郷のラーズ・ウルリッヒもゲスト参加。

しかしその後、ティミが家庭の事情で脱退。後任にシャーリー・ダンジェロを迎え、『ドント・ブレイク・ジ・オース』以来の傑作と言える4thアルバム『タイム』(1994年)を発表するが、その後スノーウィも脱退し、ビャーネ・T・ホルムが加入。更にマイケルも脱退し、6thアルバム『デッド・アゲイン』(1998年)では、元キング・ダイアモンド〜ミメント・モーライのマイク・ウィードが加入。メンバーは流動的になっていった。そして7thアルバム『9』(1999年)を最後に再び解散。キングは掛け持ちしていた「キング・ダイアモンド」に専念し、ハンクは「フォース・オブ・イーヴル」というバンドを結成、シャーリーは「アーチ・エネミー」に加入。

2008年、キングは公のコメントで「少なくとも私の中で、バンドは終わっていない」と、活動を再開する含みを残した。

2011年12月7日、カリフォルニアのフィルモアで行われたメタリカの30周年記念コンサートにおいて、キング、ハンク、マイケル、ティミの4人は再び集まり、彼らと共にメタリカの『ガレージ・インク』収録の「マーシフル・フェイト」を演奏した[2]

2019年より、シャーリーを除く解散時のラインナップに加えて、ティミが再び復帰した上で活動を再開するも、ティミがまもなくを患っていることが判明したため、療養時の代役としてジョーイ・ヴェラを迎えて活動を行っていた[3]。しかしながら、ティミはステージ復帰を果たさぬまま、病状悪化のため同年11月4日に61歳で死去した[4]

メンバー 編集

(2024年4月時点)

現ラインナップ 編集

旧メンバー 編集

  • カルステン・ファン・デル・ヴォルジング (Carsten Van Der Volsing) - ギター (1981)
  • オーレ・フラウジング (Ole Frausing) - ドラムス (1981)
  • ヤン・リンドブラード (Jan Lindblad) - ドラムス (1981)
  • ティミ・ハンセン (Timi Hansen) - ベース (1981-1985, 1993, 2011, 2019)
  • シャーリー・ダンジェロ (Sharlee D'Angelo) - ベース (1993-1999)
  • ニック・スミス (Nick Smith) - ドラムス (1981)
  • キム・ラッズ (Kim Ruzz) - ドラムス (1981-1985)
  • ベニー・ピーターセン (Benny Petersen) - ギター (1981-1982)
  • マイケル・デンナー (Michael Denner) - ギター (1982-1985, 1993-1996, 2011)
  • モルテン・ニールセン (Morten Nielsen) - ドラムス (1993)
  • スノーウィー・ショー (Snowy Shaw) - ドラムス (1993-1994)

ディスコグラフィ 編集

スタジオ・アルバム 編集

  • Mercyful Fate (1982年) - 自主制作EP
  • メリッサ』 - Melissa (1983年)
  • 『ドント・ブレイク・ジ・オース』 - Don't Break The Oath (1984年)
  • 『イン・ザ・シャドウズ』 - In The Shadows (1993年)
  • 『タイム』 - Time (1994年)
  • 『イントゥ・ジ・アンノウン』 - Into The Unknown (1996年)
  • 『デッド・アゲイン』 - Dead Again (1998年)
  • 『ナイン』 - 9 (1999年)

コンピレーション・アルバム 編集

  • In the Beginning (1987年)
  • 『リターン・オヴ・ザ・ヴァンパイア』 Return of the Vampire (1992年)

カヴァー 編集

メタリカカヴァー・アルバム『ガレージ・インク』(1998年)には、「Mercyful Fate」という曲が収録されている。これは、「Evil」「Curse Of The Pharaohs」「Satan's Fall」「A Corpse Without Soul」「Into The Coven」といった、マーシフル・フェイトの初期の代表曲をメドレーにしたもので、ラーズ・ウルリッヒの選曲である[注 2]

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 本作は、今もこの形ではCD化されていないが、後に「ロードランナー・レコード」が出したコンピレーション・アルバム『In The Beginning』に、4曲とも収録された。
  2. ^ ラーズは以前から彼らのファンだった。

出典 編集

関連項目 編集