マーティン・エヴァンズ

イギリスの生物学者

マーティン・ジョン・エヴァンズ(Martin John Evans、1941年1月1日 - )は、イギリスの生物学者。1981年に発見した幹細胞の培養法やノックアウトマウス、遺伝子標的法の技術の開発で知られる。2007年にマリオ・カペッキオリヴァー・スミティーズとともにノーベル生理学・医学賞を受賞した。

Martin Evans
マーティン・エヴァンズ
生誕 Martin John Evans
(1941-01-01) 1941年1月1日(83歳)
イギリスの旗 イギリスグロスタシャー
国籍 イギリスの旗 イギリス
研究分野 発生生物学
研究機関 ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン
ケンブリッジ大学
カーディフ大学
出身校 ケンブリッジ大学
ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン
主な業績 幹細胞
主な受賞歴 アルバート・ラスカー基礎医学研究賞(2001)
ノーベル生理学・医学賞(2007)
コプリ・メダル(2009)
公式サイト
www.cardiff.ac.uk/martinevans
プロジェクト:人物伝
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ノーベル賞受賞者ノーベル賞
受賞年:2007年
受賞部門:ノーベル生理学・医学賞
受賞理由:マウスの胚性幹細胞を用いた、特定の遺伝子を改変する原理の発見

グロスタシャー生まれ。既婚で、息子が2人と娘が1人いる。妻のジュディス・エヴァンズは画家クリストファー・ウィリアムズの孫であり、1993年に看護士としての業績が認められて大英帝国勲章第5位を受けた。

経歴 編集

受賞・栄典 編集

幹細胞研究 編集

1981年、エヴァンズとカウフマンは、マウスの胚盤胞より幹細胞を分離し、培養に成功したと発表した。これは同年、ゲイル・マーティンによっても達成されていたが、その培養された幹細胞の扱いやすさによって、生殖細胞に遺伝子特異的な変異を導入することやトランスジェニックマウスを作成することが可能となった。これは、エヴァンズがマサチューセッツ工科大学ホワイトヘッド研究所で働いていた時のことだった。

エヴァンズらは培養中の幹細胞に新しい遺伝子を導入した形質転換幹細胞を用いてキメラ胚ができることも示した。いくつかのキメラ胚は配偶子まで作り、マウスの次の世代にも導入した変異を残すことが可能となった。またヒポキサンチン-グアニン ホスホリボシルトランスフェラーゼ(HPRT)を導入したトランスジェニックマウスを作ることにも成功した。HPRT変異はレトロウイルスを用いて挿入されたが、この遺伝的組換えを用いたトランスジェニックマウスの作成法は後にオリヴァー・スミティーズ、マリオ・カペッキの研究室で完成された。

出典 編集