ミニバン

クライスラー・タウン・アンド・カントリー
Town and Country
日産・プレサージュ(2代目・後期型)

ミニバン(Minivan)は車体形状や使用形態により分類される自動車の形態のひとつである。

概要

ミニバンは、規格や技術的な定義は存在しないが、一般的に、1.5BOX2BOXワンモーションとも言われる車体形状を包括し、スペース効率を上げて座席数を確保するため着座姿勢が立ち気味(アップライト)で、全長に対する室内長と室内高は比較的大きい車種を示す。欧州ではMPVピープルムーバーモノスペースとよばれる場合が多い。

メーカーの販売戦略上、乗用車の一形態として位置付られ商用車との差別化を図るため、商用車ベースであるキャブオーバースタイルのいわゆるワンボックスカーVanと区別される。

これにより日本では、「ミニ」バンと呼ばれるものの、この場合の「ミニ」という語には大きさを表す意味はすでに無く[1]、また「バン」も貨物車であるVanを表している訳ではないと理解されている。

行政による区分は、アメリカでは商用車light trucksとして安全性や排ガス規制が緩和され、日本では乗用車ステーションワゴンとされるなど、国により取り扱いが異なる。

日本車での3列シートの配置は、1列目がセパレートシート、2・3列目を3人がけのベンチシートとした8人乗り、2列目をキャプテンシート(セパレート)+3列目を3人がけベンチシートとした7人乗り、2列目を3人がけベンチシート+3列目を2人がけのベンチシートとした7人乗りのいずれかが多い。このほか、アメリカ車では、3列すべてがベンチシートのものや、欧州車では、すべてが独立シートのものも存在する。

歴史

日産・プレーリー(初代・前期型)

日本では、1975年の第21回東京モーターショー(東京晴海)にトヨタからマルチパーパスワゴンMP-1が参考出品されている。トヨタはステーションワゴンをアレンジしたRV系の車を以前から参考出品車していたが、より実用的な方向として多目的ワゴンのMP-1が開発された。発売こそされなかったがそのコンセプトや実際の車のつくりは、今日の目でみればミニバンカテゴリーの車である。

日本では多人数が乗れる乗用車という視点から1982年8月発表の日産・プレーリー1983年2月発売の三菱・シャリオが日本でのミニバンの始祖といわれる。三菱自動車シャリオとなるSSW(スーパースペースワゴン)の開発を1977年に開始し、1979年第23回東京モーターショーで発表された。

ダッジ・グランドキャラバン
(初代・後期型)

アメリカでは、「クライスラーKプラットフォーム」という乗用車のモノコックベースで製作されて1983年に1984年モデルとして発売されたクライスラーダッジ・キャラバン(現在のジャーニー)2代目およびプリマス・ボイジャーVoyager)2代目が北米サッカーマム達に受け入れられ[2]、ミニバンのスタイルを決定付けたオリジナルとされる。この型はのちにもう一つの姉妹車種であるクライスラー・タウンアンドカントリー(Town and Country)としても販売され、さらにその後の世代交代で姉妹車種が集約され、クライスラー・ボイジャーも生まれた。バン型で、フルサイズよりもはるかに小さいことからミニバンとの名称が使用されるようになったが、FFの乗用車ベースで、床が低く、乗り心地に優れるというのが大きなセールスポイントの一つでもある。

一方、日本でワンボックスカーと認識されているトヨタのタウンエース / マスターエースだが、米国では「Toyota Van」として同年に発売され、これがキャラバンと並び、米国ではミニバンの始まりの一車種とされている(英語版)。

ゼネラルモーターズ(GM)はキャラバンに対抗して、トラックのフレーム構造をベースとしたフルサイズバンシボレー・エクスプレス / シェビーバン)の縮小版として、1985年に、シボレー・アストロ、GMCサファリを出したが、乗り心地の点で乗用車には及ばず、キャラバンには対抗できなかった。フォードもGM同様、トラック・プラットフォームであるフォード・エコノラインの一クラス下として、1985年にエアロスターを発売している。クライスラー以外はいずれも商用車ベースで、二輪駆動の場合はFRである。

ルノー・エスパス(初代・後期型)

ヨーロッパでは1984年に発売が開始されたルノー・エスパスがミニバンに相当する最初の車種として知られている。エスパスは、当時クライスラー社の欧州子会社(欧州クライスラー)が自社ブランドのシムカから発売しようとマトラ社に製作を依頼していたものだった。マトラ社は1977年にはかなりの開発を進めていたが、エスパスとなるまでに時間を要したのは、クライスラーが欧州から資本を引き上げたためだった。

日欧米の最初のミニバンが共にクライスラーがらみであったためミニバンの源が三菱、日産かマトラか、あるいはクライスラーかは議論の的となる。米国ではクライスラーが最初であるとされ、一方フランスではマトラが最初とされている。

日本での傾向

ブームの前夜

トヨタ・タウンエース(初代)ワゴン

ミニバンというカテゴリーが確立されたのが比較的近年であることから、現在のミニバン(にあたる多人数志向の乗用車)そのものも近年に生まれたモノであるかのように思われることもあるが、実際は違う。現在のノア/ヴォクシーセレナはその前身であるタウンエース/ライトエースバネットから起算すると30年以上の歴史があり、このことからもこの手の車両の登場は決して最近のことではないことが窺える。 ただこれらの車種は所詮「商用バンを乗用車に仕立て上げたもの」と言う側面があり、純然たる乗用車とは言い切れない部分があった。

その後80年代に入り、多人数乗車を目的とした「乗用車」のプレーリーやシャリオが世に送り出されることとなる。

1988年にマツダ・MPVがアメリカに投入され(日本発売は1990年)、1990年に北米向けに開発されたプレビア(トヨタ・エスティマ)が日本にも投入された。それは技術とデザインの面も含めて日本の自動車業界として一つの契機となった。マツダもトヨタも新しい形の高級乗用車として宣伝に努めた。

ただ、この頃はサイズも大きく、当初は300万円前後以上の高価なグレードしかなかったこともあり、乗用車全体への影響はまだ多くなく、メディアやユーザーはまだワンボックスカーとして扱った。

ミニバンのブーム

三菱・シャリオ(初代・後期型)

エスティマ登場後、1992年にトヨタがその5ナンバーサイズ版のエミーナ/ルシーダを投入すると状況は一変した。これが大ヒットし、ミニバン市場は活性化した。

1993年、スズキ・ワゴンRが登場し、軽自動車No.1の売れ筋の車となる。この1.5Boxともいえる背の高い角型ワゴンの大ヒットは各社が追従し、軽だけでなく小型車でも似た形のフォロワ-を多く生んだ。2000年代中ごろから、日本の自動車雑誌では3列シートを持たない「ミニバン」をトールワゴンと呼称するようになる。

これに対し、背の高い登録車の工場ラインを持たないホンダはコストをかけずにアコードの生産設備の制約範囲内で造ったホンダ・オデッセイ1994年に投入。ちょっと背の高いステーションワゴンともいえるオデッセイは車高もセダンユーザーになじみやすく、価格も手ごろで大ヒットを記録した。これを見たメーカー各社は、オリジナルのプラットフォームを持つエスティマの様なタイプではなく、コストをかけなくてもできるオデッセイのような車両の開発販売を急いだ。他のメーカーの同型車も販売は好調となり、乗用車の市場は激変した。

ブームは自動車メーカーや自動車業界関係者の予想を大きく上回った。いままでの日本ではここまで大型の車両が販売の主力になるとは考えられなかった。当初トヨタもホンダもそれぞれが独自の呼び名で宣伝に努めミニバンという呼称は正式には使用していなかった。大きなカテゴリーとなったこの一群を一言で言い表すカテゴリー名が必要とされた。自動車ジャーナリズムはアメリカ発のミニバンという語を盛んに使用し、やがて日本のメーカーが正式採用するに及び、日本特有の状況が加味されたカテゴリー名となった。ホンダはオデッセイをクリエイティブ・ムーバーとカテゴライズし、ミニバンとは決して呼ばなかった。当初はミニバンはRVの1ジャンルという扱いだったが、2000年代に入り、SUVという用語が普及するにともない、RVは自動車メーカーがマーケティング用語としては用いなくなった。一方、ミニバンはそれ自体独立した車種カテゴリーとなっただけでなく、セダンに代わる売れ筋ファミリーカーのカテゴリーの一つとして定着し、最も大きな地位を占めるようになった。

ミニバン販売数が乗用車販売の第一位となり、ミニバンはセダンにかわり日本のファミリーカーの主役の座となった。ミニバンが普及したため、広い荷室をもちながらも乗り心地よく人を運べる車両がこなれた価格となった。このため、寝台車や身体障害者や高齢者を乗せる福祉車両などのベース車として使用されるようになった。時代の要請から福祉車両の個人購入が広まっており、ミニバンはその中心的な車両カテゴリーでもある。

2006年度のボディタイプ別販売台数では、セダンやステーションワゴンを押さえ、もっとも普及している。これらのブームにより、もともとスポーツ志向の車を得意としていたホンダやマツダなどでも、主力車種をミニバンに移行させている。

一方、「大人数・大荷物をのせるためのミニバンに一人しか乗っていない」と言う実情を指して、いわゆるアンチ層から「空気輸送」などと揶揄される場合がある。この背景としては元々のアンチミニバン指向の他に、同一エンジン搭載車であった場合、一般的な乗用車(セダンやハッチバックなど)に比して燃費が悪いと言う事実があるものと思われる。

タクシーへの利用

タクシーに用いる場合、保安基準で3列目の乗客が避難できるように2列目と3列目の間でウォークスルーができるものでなければならないという決まりがあるため、2列目がキャプテンシートの車が多く用いられている。2列目がベンチシートの車は3列目のシートを撤去して5人乗りとして用いるケースが多く、1BOXタイプでは1人掛けシートを撤去して7人乗りとして使用しているケースも稀ながらある。日本ではタクシーには依然として高級感や居住性を求める傾向が強く、このためセダンが一般でミニバンをタクシーに転用されることはあまりない。しかし乗合タクシーには必須であり、大きな荷物を運ぶ必要がある空港タクシーには多く採用されている。

ミニバンの特徴

ボンネットの存在

全てのミニバンに共通して存在しているものがボンネットである。1990年代前半までは3列目シートを備える車はボンネットの無いキャブオーバースタイルが当たり前だった。しかしキャブオーバーは“エンジンが前席床下にあることによって床面が高くなり、乗り降りしづらい”、“セダン等と運転感覚が大きく異なる”、“前席と後席が隔離され、ウォークスルーが困難”、“エンジンの騒音が酷い”、“前面衝突安全性に問題”、“ホイールベースが短く、操縦安定性に劣る”とデメリットが多かった。ミニバンはボンネットを備え、前輪を前に出すことで、キャブオーバーの持つデメリットを全て解消した。しかし、スペース効率の点ではキャブオーバーに及ばない。セダンに比べると一般的に、重量バランスが悪く燃費や乗り心地、走行性能が悪く、また、静粛性や安全性も劣るが、3列目を備える事で多人数乗車できることと荷物等も載せやすいことから一気に普及した。

3列目シートの存在

ミニバンとされる車種の多くは、3列目シートによりセダンよりも多人数の乗車が可能である。この3列シートの有無がミニバンであるか否かを分けるポイントの一つとして見られることも多いが、かつて、多くのステーションワゴンの荷室には(収納式の)ジャンプシートを備えていることが多いため、この限りではない。また、SUVでも3列目シートをもつものもある。

日産・ラフェスタやホンダ・オデッセイ(3代目)は、外観こそはステーションワゴンのごときスタイルであるが、3列目シートを装備しているため、現在の視点ではミニバンと分類される。

一方で3列目シートが無いもののミニバンでは無いと否定し切れない車もある。シートこそは2列目までしか用意されてないが、“背高キャビンによる広い室内空間を有す”、“セダンとは異なる高いユーティリティ性を持つ”、“全席ベンチシートによって多人数乗車能力を持つ”のいずれか、もしくは複数の特徴によってミニバン的性格を備えた車がそれであり、例えばトヨタ・ナディア日産・ティーノホンダ・エディックスフィアット・ムルティプラがこれに当たる。ミニバンに限らない話ではあるが、ユーザーの潜在的需要を発掘するために既存のジャンル分けに捉われない車をメーカーが開発する事はよくあり、このようなモデルは総じてジャンル分けが難しく、メディアによってミニバンに分類されたり、もしくはトールワゴンやステーションワゴンに分類されたりとばらつく場合が多い(ちなみにトヨタ・ビスタアルデオ日産・ルネッサもこの例に含まれる場合があるが、当のメーカーではステーションワゴンに分類している。特にルネッサの車高が高い理由は、本来は電気自動車として開発されたクルマであり、床下に蓄電池室を持つ二重底構造のため)。逆にメディアからは軽トールワゴンとされるスズキ・ワゴンRに対し、スズキ自身が広告で「ミニバン」と言う言葉を使ったという例もある。

逆に、基本的にはミニバンとして売り出されている車種の中に「果たしてこれをミニバンと呼んでいいのか」と言う仕様が存在することもある。たとえばその例として挙がる2代目ストリーム5シーター仕様の場合、「それまでは7シーターゆえミニバンという分類であったが、元々背の低いステーションワゴン然としたスタイリングとスペックを持っていた」と言うストリームの特性から、「これはもはやミニバンではない。5シーター仕様に関してはステーションワゴンに分類するべき」とされることもある。しかしながら同様のケースでも従来のワンボックス系の流れをくむ車種(例:トヨタ・ノア/ヴォクシー)など「見るからにミニバン」と言う車種だと、このような議論の的とはなりにくい。

過去に販売されていた日産・セドリック/グロリアトヨタ・クラウンマツダ・カペラトヨタ・セプターなどに用意されたステーションワゴンは、アメリカ製のステーションワゴンに倣って、後ろ向きのサードシートが設けられ、7人乗車が可能となっていた。セドリック/グロリアとクラウンの場合は、コラムシフト+前席3人掛けベンチシートで8人乗車をも可能としていた。 これ以上に特殊な例としてトヨタ・マークXジオがある。3列シート6/7人乗りモデルも設定されたものの、トヨタ自身はこれをミニバンとして扱ってはいない。(ステーションワゴンとの中間に位置するため当初「新コンセプト」として取り扱っていたが、現在はワゴンとして扱われている。)

一方、ミニバンの先駆者である三菱・シャリオも、7人乗りと5人乗り(3列仕様と2列仕様)を並行販売していた時期がある。また現在でも、メルセデス・ベンツ Eクラスのワゴンモデルは欧米で販売している車種に3列目のシートを用意しており、この他に、以前からトヨタ・ランドクルーザー等のSUVにも用意され、最近ではトヨタ・ヴァンガード等、一部のクロスオーバーSUVにまで用意されている。この点で、3列シートの存在の有無をミニバンとする明確な分類は出来ないが、多くのミニバンと認知されている車種が3列シートなのは事実である。

車高

ホンダ・オデッセイ(3代目)

FRのキャブオーバー車に比べ、FFのミニバンは床が低く、おのずと車高も低くなる。ホンダ・オデッセイ(3代目)やホンダ・ストリーム(2代目)、トヨタ・マークXジオのように1,550mm以下の車種もあるが、ほとんどのミニバンは、一般的な立体駐車場のケージの制限高である1,550mmを超える。

天井を高くする事で乗員の姿勢を立たせ、一人当たりの占有面積を減らしている。アップライトなドライビングポジションの視点は、セダンよりも高くなる。高さにより、見晴らしがよく開放感を持つことが出来るが、人間の視野というものが、左右方向には広く、上下方向にはかなり狭いため、直近の低い位置の物体に対して認識が少なくなる傾向がある。このため特にこれらの特性を認識し意識的に視線の移動を行わないと幼児等の身長の低い存在に対する認知が遅れやすく、また走行中も前走車がセダン等の自車より車高の低い車の場合、車間距離が少なめとなりやすいため注意が必要である。

直近視界の改善のため、サイドアンダーミラーCCDカメラによるモニタリングが考案された。

走行安定性

かつてのキャブオーバー型ワンボックスカーよりも優れた走行安定性を有するとされる車が多い。しかしセダンやステーションワゴンと比べた場合、車高の高いミニバンは、重心が比較的高い位置にあり、走行安定性の面において若干劣った形となっている。特に、ワイディングや高速走行ではこの傾向が顕著なため、タイヤ等の足回りの腰砕け現象が発生し長距離走行では運転者、同乗者ともに比較的疲れやすくなっている。なお、メーカー側もこうした問題について認識しており、一部のメーカーからは低床低重心の車種や、ミニバン専用のタイヤなどがリリースすることにより、こうした弱点を改善し、現在では多くの車種が走行性能を批判されるどころか、「ミニバンの中では」ハンドリングが良いと評価される車種も多数出現するようになった。変わった例としては初代エスティマがミッドシップレイアウトを採用してミニバンらしからぬ走行性能を実現した。

衝突安全性への疑問

1BOXから1,5BOXへと変わっていく中で、前面衝突安全性の向上は図られたが、それでも尚ミニバンの衝突安全性には疑問の声が挙がることがある。

まず、3列目シートはリアハッチゲートにほぼ密着して置かれることがほとんどである。そのため、後方からの追突に対する危険性を問題視する声もある。

また、2010年6月現在JNCAP公式サイトでクラッシュテスト結果が公表されているミニバンクラス23車種のうち、側面衝突時に車両が横転してしまうものが1/3以上の9車種もみられた。このうち7車種はヴェルファイアセレナステップワゴンを含むかつての1BOXカーに近い形態のものが占めており、そのような車種で横転しなかったのはエスティマだけだった。また、同テストの軽自動車部門においても同様な現象が見られ、軽トールワゴンまたはそれに類するもの8車種が横転した。(軽全体:24車種、軽トールワゴン合計:12車種、横転した軽の合計:11車種。

側面衝突後の横転は緊急脱出時に甚大な影響を及ぼすおそれがあるため、ミニバンや軽トールワゴンの購入を検討する際は注意が必要である。[3]

さらに、アルファード/ヴェルファイア(約2t)などのように車両重量が重い車種も多い[4]ため、ぶつけられた相手への被害が大きくなる可能性がある。

ミニバンのスタイル

セミボンネットスタイル

90年代後期には背高箱型キャビンを持つ乗用車や軽自動車のボディースタイルとして、ボンネットを持たない「1BOX」に対し、短いボンネットを持つセミボンネットスタイルは「1.5BOX」とも呼ばれた。今では背高箱型キャビンを持つ乗用車や軽自動車のほとんどがセミボンネットスタイルがであるため、「1BOX」と呼び分ける意義が薄れたため「1.5BOX」という表現が使われる機会は減っている。

キャブオーバー

90年代後期のキャブオーバーからセミキャブオーバーへの移行期に、エンジンを前席床下に配置するキャブオーバーのワンボックスカーをルーツとし、操安性や衝突安全性の向上のため前車軸を前進させ、セミボンネットスタイルを持つキャブオーバーが生まれた。

前席下にエンジンがあるため、キャビン構成(ウォークスルーなど)や制振静音の問題から、乗用車では世代交代で淘汰された。 逆に軽自動車では、全長の制約と衝突安全性という相反する条件を満たしスペース効率を稼ぐためにエンジンを前席下に配置した、セミボンネットスタイルを持つキャブオーバーが多い。

セミキャブオーバー

背高箱型キャビンがエンジンに被さりボンネットの短い、セミボンネットスタイルのボディーを持つ。駆動方式は横置きエンジンのFFもしくは4WDが主流だが、縦置きエンジンのFRもしくは4WDも一部存在する。エンジン排気量は2,000〜3,500cc。ミニバンの中では床面が高いが、視点も高いため前方視界は良好となる。キャビンスペースは広く、3列目まで快適に座れる車種が多い。大型ミニバンに多いタイプである。


2Box

FF乗用車の派生車種に多く見られる。上記の車種に比べ床や室内高はやや低く、キャビンの大きなステーションワゴンと言った風情。駆動方式はFFもしくは4WDで横置きエンジンが主流。そのためこの手の車種の5人乗り仕様はステーションワゴンに分類される、あるいはミニバンとSWのどちらに分類するかを巡って論争になることがある。


ワンモーション

ボンネットとAピラーをスムーズにつなげたスタイル。ドライバーの視点からAピラーの付け根が非常に遠い。



脚注

  1. ^ 全幅が小型車の基準外で3ナンバーの「ミニバン」さえ存在する
  2. ^ そのためかアメリカでのミニバンに対する見方は日本とは大きく異なり、例えばPimp My Rideでミニバンをベース車にする回では「ママのバンだ」、あるいは「若者がミニバンに乗ることになるなんて最悪だ」と言った旨の発言がしばしば見受けられる。
  3. ^ 側面衝突時の横転の様子 → JNCAP公開衝突試験映像「ホンダ・ステップワゴン(YouTubeWebCG公式)
  4. ^ 例えば同じくトヨタ製のセダンだとこれほどまでに重い車種はレクサス・LS(最も軽い460で約1.9t、最も重い600hLでも約2,3t)やGS450h(約1.9t)、マジェスタクラウンHV(約1.8t)などのようないわゆる高級車(しかも大抵ロングボディーやHVと言った重くならざるを得ない仕様である)にしかない。

関連項目