ムカデ人間
『ムカデ人間』(むかでにんげん、原題:The Human Centipede (First Sequence))とは、2010年に公開されたトム・シックス監督作のホラー映画。
ムカデ人間 | |
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The Human Centipede (First Sequence) | |
監督 | トム・シックス |
脚本 | トム・シックス |
製作 |
トム・シックス イローナ・シックス |
出演者 |
ディーター・ラーザー アシュリー・C・ウィリアムズ アシュリン・イェニー 北村昭博 |
音楽 |
パトリック・サベージ オレグ・スピーズ |
撮影 | グーフ・デ・コニング |
編集 | トム・シックス |
製作会社 | シックス・エンターテインメント |
配給 | トランスフォーマー |
公開 |
2009年8月30日[1] 2010年4月28日 2011年7月2日 |
上映時間 | 90分[2] |
製作国 | オランダ |
言語 |
英語 ドイツ語 日本語 |
製作費 | €1.5 million |
次作 | ムカデ人間2 |
英文字のタイトル通り、3作の1作目でもあるが、続編の『ムカデ人間2』、最終作の『ムカデ人間3』とは、世界観がそれぞれ異なる。
ストーリー 編集
アメリカ人の女性旅行者・リンジーとジェニーの二人が道中の森林で車のタイヤをパンクさせてしまい、近場にあった邸宅に救助を求めやってくる。そこはシャム双生児の分離手術の名医として知られるドイツ人の医師・ハイター博士の邸宅だった。博士は二人を快く迎え入れる。
親切に見えた博士だが、彼にはこれまで自分が行ってきた分離手術とは反対に人間の口と肛門を繋げて「ムカデ人間」を創造するという邪悪な願望があった。博士はリンジーとジェニーをムカデ人間の候補と見定めると、二人を薬で眠らせ地下室に連行する。博士は目覚めたリンジーとジェニー、事前に捕えていたもう一人の候補・カツローの三人にムカデ人間の創造計画を打ち明ける。
博士のおぞましい話に戦慄した三人は抵抗しようとするが、麻酔で眠らされたため叶わず、唯一逃げ出せたリンジーも見つかって連れ戻される。そうして三人のムカデ人間化が遂行され、彼らは手術によって靭帯を切断され、カツローを先頭に口と肛門を接着される。博士は出来上がった「完成品」に大喜びし、三人を訓練したり餌付けしたりして楽しんだ。ただ「最後尾」のジェニーが病気になっていたため、博士は代わりの人間を検討する。
だがそんな博士のもとへ、リンジーとジェニーの捜索願を受けた警官二人がやって来る。博士は秘密を知られないよう三人を地下に閉じ込め警官達を追い返そうとするが、警官達は博士を疑い、捜査令状をもらったらすぐ戻って来ると言って立ち去る。一方で彼らが口論している間、閉じ込められた三人は博士の不在をチャンスと見て、協力し合って脱出を図ろうとしていた。しかしあと少しのところで博士に見つかってしまう。脱出不能を悟ったカツローは手にしたガラス片で首を掻っ切り自害する。カツローの行動を見た博士は唖然とする。
そこへ令状を持った警官二人が戻って来る。博士が銃を持っていたことから撃ち合いとなり、痛み分けの形で両者共に死亡する。更に症状が悪化したことでジェニーも病死する。残された「真ん中」のリンジーがどうすることもできず、必死に呻き声をあげるところで物語は幕を閉じる。
登場人物 編集
- ヨーゼフ・ハイター博士
- 演 - ディーター・ラーザー、日本語吹替え - 若本規夫[3]
- 元シャム双生児分離の権威のドイツ人医師で現在は引退している。極度の人間嫌いで森の中の大きな屋敷に一人で暮らしている。彼の中には今までしてきた仕事とは逆にかつて飼っていた三匹の犬を繋げた写真を見つめ人間を繋げてムカデ人間を作りたいという欲望があった。旅路でタイヤがパンクし、ハイター邸を訪れたアメリカ人観光客のリンジーとジェニーに睡眠薬を入れた水を飲ませ、更に日本人のカツローを拉致し、ムカデ人間を完成する。
- リンジー
- 演 - アシュリー・C・ウィリアムズ、日本語吹替え - 辰巳知里
- ジェニー
- 演 - アシュリン・イェニー、日本語吹替え - 戸田亜紀子
- カツロー
- 演 - 北村昭博 日本語吹替え - 三宅健太
- クランツ刑事
- 演 - アンドリュー・レオポルド、日本語吹替え - 石川和之
- フェラー刑事
- 演 - ピーター・ブランケンシュタイン、日本語吹替え - 平川大輔
- エイミー
- 演 - ローズマリー・アナベラ 日本語吹替え - 森永麻衣子
- 日本版予告編ナレーション
- 声 - 若本規夫
日本公開まで 編集
あまりにも奇想天外で下劣な内容であるため、当初日本ではDVDのみ発売予定であった。インターネットを始め口コミで話題を博し、日本でも劇場公開することが決定した。
ハイター博士の声を日本語で吹き替えている若本規夫は、予告編のナレーションのみを務める予定だったが、好評を呼びハイター博士を吹き替えることとなった。
ムカデ人間∞ 最終解脱 編集
日本オリジナルの漫画版で、2015年に漫画雑誌「NEMESIS」で短期連載された。 作者は吉永龍太で、舞台は日本となり設定は映画版とも異なる。
その他 編集
カツロー役の北村昭博はロサンゼルス在住の日本人で、既に決まっていた「先頭部」の役者が来られなくなった為、代役としてオーディションを受けて採用された。
脚本には台詞が無く、監督の要望で北村が台詞を考えた。またこの映画の出演がきっかけで『HEROES』のファイナル・シーズンに出演することになった[4]。日本語吹き替え版では、北村が声優の起用を希望したため三宅健太が担当している(『HEROES』では北沢力が吹き替えている)。
ヨーゼフ・ハイター博士の名前は、実在したナチス・ドイツのマッドサイエンティストフェター博士、リヒター博士、ヨーゼフ・メンゲレに由来するものである[5]。
関連項目 編集
脚注 編集
- ^ Brendon Connelly (2009年7月3日). “2009 Frightfest Films Unveiled, New Images and Details”. Slashfilm. Slashfilm. 2015年9月23日閲覧。
- ^ 神戸・元町映画館に「等身大ムカデ人間」登場 つながって写真撮影キネプレ
- ^ Facebook公式ページ 1月21日
- ^ 個性的な新しい日本人像を構築したい〜『ムカデ人間』"先頭部" 北村昭博インタビュー
- ^ 映画|ムカデ人間|The Human Centipede (First Sequence) :: ホラー ...
外部リンク 編集
- ムカデ人間 - 日本語公式サイト - ウェイバックマシン(2018年1月8日アーカイブ分)
- ムカデ人間 - allcinema
- ムカデ人間 - KINENOTE
- The Human Centipede (First Sequence) - オールムービー(英語)
- The Human Centipede (First Sequence) - IMDb(英語)
- The Human Centipede (First Sequence) - Metacritic(英語)
- The Human Centipede (First Sequence) - Rotten Tomatoes(英語)