ムスタディー1142年 - 1180年3月30日)は、アッバース朝の第33代カリフ(在位:1170年 - 1180年)。

ムスタディー
カリフ(アミール・アル=ムウミニーン)
ムスタディーの名が刻印されたガラス製品(大英博物館所蔵)
在位 1170年 - 1180年

出生 1142年
死去 1180年3月30日
子女 ナースィル
家名 アッバース家
王朝 アッバース朝
父親 ムスタンジド
宗教 イスラム教スンナ派
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生涯 編集

第32代カリフ・ムスタンジドの子。1170年に父が暗殺されると、重臣から擁立されて跡を継いだ。即位に際して父の寵臣イブン・アルバラディーを処刑、アルバラディーの政敵であるアドゥド・アッディーンを宰相(ワズィール)に任じ、アドゥド・アッディーンの専横が目立つようになると、一度彼を更迭した。再び宰相に登用したアドゥド・アッディーンがニザール派の刺客に暗殺された後、商人出身のイブン・アルアッタールを宰相に起用した。アイユーブ朝サラディンスルターンとしての承認を求めてきたときは、これを了承した。

1180年に死去。跡を子のナースィルが継いだ。

関連文献 編集

  • 『岩波イスラーム辞典』(岩波書店、2002年2月) - アッバース朝の歴代カリフの系図が収録されている

参考文献 編集

  • イブン・アッティクタカー『アルファフリー―イスラームの君主論と諸王朝史』2巻(池田修、岡本久美子訳、東洋文庫、平凡社、2004年9月)
先代
ムスタンジド
アッバース朝
1170年 - 1180年
次代
ナースィル