ムフージ・カイネルガバ

ウガンダの陸軍軍人

ムフージ・カイネルガバ(Muhoozi Kainerugaba[、1974年4月24日 - )は、ウガンダの軍人。 ウガンダ人民防衛軍英語版陸軍司令官を務める。

ムフージ・カイネルガバ
原語名
Muhoozi Kainerugaba
生誕 (1974-04-23) 1974年4月23日(50歳)
所属組織ウガンダ人民防衛軍
親族ヨウェリ・ムセベニ (父)
ジャネット・ムセベニ (母)

人物 編集

1974年4月24日、ダルエスサラームヨウェリ・ムセベニの息子として生まれる。当時、ムセベニ一家は父ヨウェリの指揮する国民抵抗軍の影響もありアミン政権から「テロリスト」扱いされており、ウガンダ国内に入国できない状態が続いていた。

生粋のクリスチャンであり、これは中学時代をケニアニエリにある学校に通っていた事に起因する。その後エジプトの士官学校やサンドハーストを卒業。1997年には政治学の学位取得を果たしている。

論争と政治的主張 編集

1999年、ムフージはウガンダ人民防衛軍に入隊を果たし、父ヨウェリの忠実な部下として軍務を全うしていた。しかし、2020年12月31日から論争を引き起こす発言を2023年現在まで繰り返しており、2022年より政治的な発言を行っている。2022年2月、ロシアのウクライナ侵攻を支持し、プーチン政権を肯定する意見をX(twitter)上に書き込んだ上で「絶対に正しい!」[1]とコメント。2023年3月下旬には「プーチニスト英語版と呼ばれるかもしれないが、モスクワ帝国主義勢力に脅かされることがあれば、ウガンダは防衛のために援軍を送る!」、「東欧問題に関しては、アフリカ人はプーチン大統領を信じるのみだ。西側諸国は、無益な親ウクライナのプロパガンダを流して時間を浪費している。ウクライナでは、ロシア、中国アフリカインド南米が勝つだろう。人類の75%が15%に勝利するだろう。[2]と発言して物議を醸した。また、ロシアのみならず、様々な国の政治家についても言及している。

2022年5月にはドナルド・トランプを称賛、「私が尊敬する唯一の白人[3]」と表現。2022年10月、次期首相になるとして注目を集めていたジョルジャ・メローニ現首相に対し100頭のをプレゼント。これを拒否すれば「ローマを征服する」と脅迫状を突きつけ、注目を集めた[4]。同月3日にはケニアに対し「2週間でナイロビを占領(征服)できる」と脅迫[5]、両国間で緊張が高まるなど外交問題を引き起こし、父ムセベニは謝罪を迫られた。10月4日、ムフージは人民防衛軍司令官から外された[6]

エチオピアに反旗を翻すティグレ州への支持を表明しており、コンゴ東部の紛争英語版大量虐殺人権侵害を繰り返す反政府勢力への支持も行った。これらの過激な言動、広範な影響力やTwitter(X)の多用から「つぶやき将軍」と呼ばれている。

2023年3月15日、2026年の大統領選挙に出馬する旨を公表し、ムセベニの後継者と目されている。父ムセベニの所属する国民抵抗運動英語版内での台頭が高まってきている[7][8][9][10]が、自身はまだNRM(国民抵抗運動の略称)に所属していない。ムセベニ自身もムフージを「汎アフリカ主義者」と言及しつつも、政権世襲は断固否定している。

2024年3月21日、父ムセベニより軍の最高司令官に任命されたことが国防省より発表された[11]

関連項目 編集

脚注 編集

出典 編集

  1. ^ Grey, Charles Frederick, (25 March 1903–7 Sept. 1984), miner; Independent Methodist Minister, Oxford University Press, (2007-12-01), https://doi.org/10.1093/ww/9780199540884.013.u164805 2023年9月1日閲覧。 
  2. ^ モスクワ脅かされれば「援軍派遣」 ウガンダ大統領息子AFP通信
  3. ^ Davis, Dorian Hunter; Sinnreich, Aram (2018-10-26), Tweet the Press, Routledge, pp. 147–169, ISBN 978-1-351-03878-2, https://doi.org/10.4324/9781351038782-9 2023年9月1日閲覧。 
  4. ^ Pellew, Lancelot Vivian, (15 Dec. 1899–8 Dec. 1970), President of the Industrial Court of South Australia, October 1952–December 1964, retd, Oxford University Press, (2007-12-01), https://doi.org/10.1093/ww/9780199540884.013.u51069 2023年9月1日閲覧。 
  5. ^ “Muhoozi faces a complex path to Uganda's presidency”. Emerald Expert Briefings. (2022-03-18). doi:10.1108/oxan-es268059. ISSN 2633-304X. https://doi.org/10.1108/oxan-es268059. 
  6. ^ Dolan, James (2022-12-06). Publications of the U.S. Army Engineer Research and Development Center; Appendix G : FY22 (October 2021-September 2022). https://doi.org/10.21079/11681/46182. 
  7. ^ uganda-public-order-management-bill;hr”. Human Rights Documents online. 2023年9月1日閲覧。
  8. ^ Screenshot of Itunes Library - Archived Platform Itunes 2010”. dx.doi.org. 2023年9月1日閲覧。
  9. ^ “Iraq: Country report on human rights practices—2002”. Human Rights Review 4 (4): 7–41. (2003-07). doi:10.1007/s12142-003-1018-5. ISSN 1524-8879. https://doi.org/10.1007/s12142-003-1018-5. 
  10. ^ Al Jazeera as ‘Alternative’?, I.B.Tauris, (2016), https://doi.org/10.5040/9780755695072.ch-002 2023年9月1日閲覧。 
  11. ^ “Ouganda: le président Museveni nomme son fils à la tête de l’armée”. ラジオ・フランス・アンテルナショナル. (2024年3月22日). https://www.rfi.fr/fr/en-bref/20240322-ouganda-le-pr%C3%A9sident-yoweri-museveni-nomme-son-fils-%C3%A0-la-t%C3%AAte-des-forces-arm%C3%A9es-du-pays 2024年3月29日閲覧。