モーリス・ウィグナルMaurice Wignall1976年4月17日 ‐ )は、ジャマイカセント・アンドリュー教区出身でハードルが専門の陸上競技選手。110mハードルで13秒17、室内60mハードルで7秒48の自己ベストを持つ、両種目の元ジャマイカ記録保持者。オリンピック世界選手権の男子110mハードルにおいてジャマイカ代表初のファイナリストになった選手である。

モーリス・ウィグナル Portal:陸上競技
選手情報
ラテン文字 Maurice Wignall
国籍 ジャマイカの旗 ジャマイカ
競技 陸上競技 (ハードル)
種目 60mH, 110mH
大学 アメリカ合衆国の旗 ジョージ・メイソン大学
生年月日 (1976-04-17) 1976年4月17日(48歳)
出身地 ジャマイカの旗 セント・アンドリュー教区
身長 186cm
体重 75kg
成績
オリンピック 110mH 4位 (2004年)
世界選手権 110mH 5位 (2009年)
走幅跳 決勝記録なし (1997年)
地域大会決勝 英連邦競技大会
110mH 優勝 (2006年
自己ベスト
50mハードル 6秒63 (2008年)
60mハードル 7秒48 (2004年)
110mハードル 13秒17 (2004年)
走幅跳 8m09 (1997年)
獲得メダル
陸上競技
ジャマイカの旗 ジャマイカ
世界室内選手権
2004 ブダペスト 60mH
ワールドアスレチックファイナル
2004 モナコ 110mH
英連邦競技大会
2006 メルボルン 110mH
2002 マンチェスター 110mH
中央アメリカ・カリブ選手権
2001 グアテマラシティ 110mH
1997 サンフアン 110mH
パンアメリカンジュニア選手権
1995 サンティアゴ 走幅跳
1995 サンティアゴ 110mH
カリフタゲームズ (U20)
1994 ブリッジタウン 4x100mR
1994 ブリッジタウン 走幅跳
1995 ジョージタウン 110mH
1995 ジョージタウン 走幅跳
1993 フォール=ド=フランス 走幅跳
1994 ブリッジタウン 110mH
1993 フォール=ド=フランス 110mH
1995 ジョージタウン 三段跳
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経歴 編集

昔は110mハードルとともに走幅跳がメインの選手だった。有名になったのは走幅跳が先で、自身初の世界大会となった1997年アテネ世界選手権は予選で8m09(-0.1)の自己ベストおよび全体3位の記録で決勝に進出(決勝は記録なし)[1]、1999年の全米学生室内選手権では7m96をマークして優勝している[2]

2003年 編集

7月31日、リンツ国際の男子110mハードルで13秒28(+0.4)のジャマイカ記録(当時)を樹立し、クリス・ピノック英語版が2003年にマークした13秒38を塗り替えた[3]

2004年 編集

3月、ブダペスト世界室内選手権の男子60mハードル準決勝を全体2位タイの7秒55で突破すると、決勝では7秒48のジャマイカ記録(当時)を樹立し、アレン・ジョンソン(7秒36)、劉翔(7秒43)に次いで銅メダルを獲得した[4]。これは世界大会で獲得した自身初のメダルであり、世界室内選手権の男子60mハードルで獲得したジャマイカ選手初のメダルでもあった[注 1]

8月、アテネオリンピックの男子110mハードル準決勝を13秒17(-0.1)のジャマイカ記録(当時)および全体3位タイのタイムで突破し、ジャマイカ代表選手初の決勝に進出した[注 2]。決勝では準決勝のタイムに迫る13秒21(+0.3)をマークしたが、劉翔(12秒91)、テレンス・トランメル(13秒18)、アニエル・ガルシア(13秒20)に次ぐ4位に終わり、0秒01差で惜しくもメダルを逃した[5]

9月、ワールドアスレチックファイナルの男子110mハードルで自己ベストに迫る13秒19(-2.0)をマークし、アレン・ジョンソン(13秒16)に次いで銀メダルを獲得した[6]

2005年 編集

8月、ヘルシンキ世界選手権の男子110mハードル準決勝を全体2位のタイムとなる13秒24(-1.9)で突破し、ジャマイカ代表選手初の決勝に進出したが、決勝は13秒47(-0.2)の7位に終わった[7]

2006年 編集

3月、モスクワ世界室内選手権の男子60mハードルで2大会連続の決勝に進出し、決勝では自己ベストに迫る7秒52をマークするも、テレンス・トランメル(7秒43)、ダイロン・ロブレス(7秒46)、ドミニク・アーノルド(7秒52)に次ぐ4位に終わり、3位には同タイム着差ありで敗れて惜しくも2大会連続のメダルを逃した[8]

2009年 編集

8月、33歳で出場したベルリン世界選手権の男子110mハードルで3大会連続の決勝進出を果たすと、決勝では13秒31(+0.1)をマークして過去最高成績となる5位入賞を果たした[9]

自己ベスト 編集

記録欄の( )内の数字は風速m/s)で、-は向かい風を意味する。

種目 記録 年月日 場所 備考
屋外
110mハードル 13秒17 (-0.1) 2004年8月26日   アテネ 元ジャマイカ記録
走幅跳 8m09 (-0.1) 1997年8月3日   アテネ
室内
50mハードル 6秒63 2008年2月21日   ストックホルム
60mハードル 7秒48 2004年3月6日   ブダペスト 元ジャマイカ記録
走幅跳 8m00 1999年2月26日   ブラックスバーグ

主要大会成績 編集

備考欄の記録は当時のもの

大会 場所 種目 結果 記録 備考
1993 カリフタゲームズ (U20) (en   フォール=ド=フランス 110mH 3位 14秒83 (+1.2)
走幅跳 2位 7m13
1994 カリフタゲームズ (U20) (en   ブリッジタウン 110mH 2位 15秒01
走幅跳 優勝 7m49
4x100mR 優勝 41秒13 (3走)
1995 カリフタゲームズ (U20) (en   ジョージタウン 110mH 優勝 14秒44 (-2.3)
走幅跳 優勝 7m78
三段跳 3位 15m24
パンアメリカン
ジュニア選手権 (en
  サンティアゴ 110mH 3位 14秒00 (+0.2)
走幅跳 優勝 7m75
1997 中央アメリカ・カリブ選手権 (en   サンフアン 110mH 3位 13秒78
世界選手権   アテネ 走幅跳 決勝 NM 予選8m09 (-0.1):自己ベスト
1999 パンアメリカン競技大会 (en   ウィニペグ 110mH 7位 13秒76 (+1.1)
走幅跳 6位 7m73 (-0.8)
2001 世界室内選手権   リスボン 60mH 準決勝 7秒81
中央アメリカ・カリブ選手権 (en   グアテマラシティ 110mH 優勝 13秒76 (-0.5)
4x100mR 予選 39秒83 (4走) 決勝進出[注 3]
世界選手権   エドモントン 110mH 予選 13秒88 (+1.0)
ユニバーシアード (en   北京 110mH 5位 13秒70
2002 英連邦競技大会 (en   マンチェスター 110mH 3位 13秒62 (+0.4)
2003 世界選手権   パリ 110mH 予選 DNS
2004 世界室内選手権   ブダペスト 60mH 3位 7秒48 ジャマイカ記録
オリンピック   アテネ 110mH 4位 13秒21 (+0.3) 3位と0秒01差
準決勝13秒17 (-0.1):ジャマイカ記録
ワールドアスレチック
ファイナル
 (en
  モナコ 110mH 2位 13秒19 (-2.0)
2005 世界選手権   ヘルシンキ 110mH 7位 13秒47 (-0.2)
ワールドアスレチック
ファイナル
 (en
  モナコ 110mH 5位 13秒20 (-1.4)
2006 世界室内選手権   モスクワ 60mH 4位 7秒52 3位と同タイム着差あり
英連邦競技大会 (en   メルボルン 110mH 優勝 13秒26 (-1.1)
2007 パンアメリカン競技大会 (en   リオデジャネイロ 110mH 予選 DNS
世界選手権   大阪 110mH 8位 13秒39 (+1.7)
2008 世界室内選手権   バレンシア 60mH 準決勝 7秒70
オリンピック   北京 110mH 6位 13秒46 (+0.1)
2009 世界選手権   ベルリン 110mH 5位 13秒31 (+0.1)
2010 世界室内選手権   ドーハ 60mH 6位 7秒60

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 女子は1997年パリ大会ミシェル・フリーマン英語版(金)とGillian Russell(銀)がメダルを獲得していた。
  2. ^ 1960年ローマ大会キース・ガードナー英語版が決勝に進出しているが、この時はジャマイカ代表ではなく西インド連邦代表として出場していた。
  3. ^ 予選のみ出場。決勝のジャマイカは途中棄権。

出典 編集

外部リンク 編集

記録
先代
クリス・ピノック英語版
(13秒38)
2003年5月30日
男子110mハードル
ジャマイカ記録保持者
(13秒28 - 13秒17)

2003年7月31日 - 2009年8月28日
次代
ドワイト・トーマス
(13秒16)
2009年8月28日
先代
男子60mハードル
室内ジャマイカ記録保持者
( - 7秒48)

20xx年xx月xx日 - 2015年3月14日
次代
オマール・マクレオド
(7秒45)
2015年3月14日