ヤエムグラ(八重葎、Galium spurium var. echinospermon)は、アカネ科越年草。道端の雑草としてごく普通にみられる。種子はひっつき虫の性質も持つ。

ヤエムグラ
ヤエムグラ
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : キク上類 Superasterids
階級なし : キク類 Asterids
階級なし : シソ類 Lamiids
: リンドウ目 Boraginales
: アカネ科 Rubiaceae
亜科 : アカネ亜科 Rubioideae
: ヤエムグラ属 Galium
: トゲナシヤエムグラ G. spurium
変種 : ヤエムグラ var. echinospermon
学名
Galium spurium var. echinospermon
和名
ヤエムグラ

特徴 編集

華奢な越年草には節があり、節ごとに狭い倒卵形のを8枚ほど輪生する。 茎には下向きのがあり、他の植物に寄りかかり、棘を引っ掛けながら立ち上がる。衣服などに付着するので、これを切り取って服に付ける子供の遊びがあった。また、果実には鉤状のが生えており、これも衣服などに付着する。これは種子散布に関係するものと思われる。

古典の中のヤエムグラ 編集

万葉集和歌に詠まれた「やえむぐら」とは、本種を指している言葉ではなく「『むぐら』と総称される各種の雑草」もしくは「それらがよく茂った状態」のことである[1]。 また、小倉百人一首にも収録されている恵慶法師の作品、

八重むぐら しげれる宿の さびしきに 人こそ見えね 秋は来にけり

に詠われている「八重むぐら」は、秋に繁茂するアサ科カナムグラであると思われる[1]

ギャラリー 編集

関連項目 編集

出典  編集

  1. ^ a b 万葉植物事典 1995, pp. 510–511

参考文献 編集

  • 山田卓三,中嶋信太郎『万葉植物事典』北隆館、1995年。 
  • 林弥栄(監修)、平野隆久(写真)『野に咲く花』山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑 1〉、1989年。ISBN 4-635-07001-8 
  • 北川尚史(監修)、丸山健一郎(文)、伊藤ふくお(写真)『ひっつきむしの図鑑』トンボ出版、2003年。ISBN 4-88716-147-6 


外部リンク 編集