ヤコビの四平方定理(: Jacobi's four square theorem)は、自然数を高々四個の平方数の和で表す方法の数を与える定理[1]。名称はドイツの数学者ヤコビに由来する。

自然数Nを高々四個の平方数の和で表す方法の数は

で与えられる。但し、シグマ記号は4で整除されないNの約数(1とNを含む)について和を取ることを表す。ならばであるから、ヤコビの四平方定理はラグランジュの四平方定理を包含する。

ヤコビの四平方定理はヤコビ楕円関数論を使用して証明した。この定理はガウスが『整数論』の第182条で述べたものと同値である[2]

具体例 編集

例えば、

 

であるが、実際に12を高々四個の平方数の和で表す方法は

 

であり、符号と順序を区別すれば96個になる。

関連記事 編集

脚注 編集

参考文献 編集

  • ガウス, C・F・ 著、高瀬正仁 訳『ガウス整数論』朝倉書店〈数学史叢書〉、1995年6月20日(原著1801年)。ISBN 978-4-254-11457-7 
  • ハーディ, G・H・、ライト, E・M・ 著、示野信一・矢神毅 訳『数論入門』 I、丸善出版〈シュプリンガー数学クラシックス8〉、2012年1月(原著2001年7月)。ISBN 978-4-621-06226-5