ヤナギトラノオ(柳虎の尾; 学名: Lysimachia thyrsiflora)は、サクラソウ科オカトラノオ属多年草[3][4][5]

ヤナギトラノオ
群馬県尾瀬 2013年7月
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Agiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : キク上類 Superasterids
階級なし : キク類 Asterids
: ツツジ目 Ericales
: サクラソウ科 Primulaceae
: オカトラノオ属 Lysimachia
: ヤナギトラノオ L. thyrsiflora
学名
Lysimachia thyrsiflora L.[1]
シノニム
  • Naumbergia thyrsiflora (L.) Rchb.[2]
和名
ヤナギトラノオ(柳虎の尾)[3]

リンネの『植物の種』(1753年) で記載された植物の一つである[6]

特徴 編集

地下茎があり、節を多くもって地中を長くはい、各節から多くのひげを出す。はやわらかく、円柱形で、直立し、高さは30-60センチメートルになる。は対生し、葉柄はなく、葉身は披針形から線状長楕円形で、長さ4-10センチメートル、幅1.5-2.5センチメートルになる。葉先は短くまたは長くとがり、縁は全縁でやややわらかく、葉の表面は無毛、裏面には早いうち淡褐色の長い綿毛が生える[3][4][5]

花期は6-7月。葉腋に長さ2-3センチメートルになる総状花序をつけ、黄色の小さいを多数つける。花序は葉よりは短く、葉の間にかくれる。小花柄は長さ7-12ミリメートルになり、線状の短いがある。は6深裂し、裂片は線形になる。花冠は6深裂し、裂片は長さ4-5ミリメートルの広線形で、萼片の1.5倍の長さになる。雄蕊は6個あり、細長い花糸は花冠より長くのび、突き出る。花柱は長さ5ミリメートル。果実は径2.5ミリメートルの蒴果で、球状になり黒点がある[3][4][5]。花は6数性であるが、まれに5数性、7数性のものがある[4]

分布と生育環境 編集

日本では、本州中部地方以北、北海道に分布し、山地の湿原に生育する[3][4][5]。世界では、北半球の寒帯に広く分布し、寒冷地の湿原に生育する[4]

和名の由来 編集

葉がヤナギ(柳)のようであり、花穂がオカトラノオ(丘虎の尾)に似ることによる[5]

脚注 編集

  1. ^ ヤナギトラノオ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  2. ^ ヤナギトラノオ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  3. ^ a b c d e 『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』p.369
  4. ^ a b c d e f 『日本の野生植物草本III合弁花類』p.17
  5. ^ a b c d e 『新牧野日本植物圖鑑』p.562
  6. ^ Linnaeus, Carolus (1753) (ラテン語). Species Plantarum. Holmia[Stockholm]: Laurentius Salvius. p. 147. https://www.biodiversitylibrary.org/page/358166 

参考文献 編集