ヤユク・バスキ

インドネシアの元女子プロテニス選手 (1970-)

ヤユク・バスキYayuk Basuki, 1970年11月30日 - )は、インドネシアジョグジャカルタ出身の元女子プロテニス選手。芝生コートを最も得意とし、1997年ウィンブルドンでベスト8に進出した。WTAツアーでシングルス6勝、ダブルス9勝を挙げた。自己最高ランキングはシングルス19位、ダブルス9位。身長164cm、体重56kg、右利き。

ヤユク・バスキ
Yayuk Basuki
基本情報
愛称 ナニー (Nany)
国籍 インドネシアの旗 インドネシア
出身地 同・ジョグジャカルタ
生年月日 (1970-11-30) 1970年11月30日(53歳)
身長 164cm
体重 56kg
利き手
ツアー経歴
デビュー年 1990年
引退年 2004年
(2008年-2012年復帰)
ツアー通算 15勝
シングルス 6勝
ダブルス 9勝
生涯通算成績 616勝377敗
シングルス 238勝171敗
ダブルス 378勝206敗
生涯獲得賞金 $1,665,152
4大大会最高成績・シングルス
全豪 4回戦(1998)
全仏 3回戦(1996)
全英 ベスト8(1997)
全米 2回戦(1991・97)
4大大会最高成績・ダブルス
全豪 ベスト8(1996・99)
全仏 ベスト8(1997)
全英 ベスト8(1996)
全米 ベスト4(1993)
キャリア自己最高ランキング
シングルス 19位(1997年10月16日)
ダブルス 9位(1998年7月6日)

来歴 編集

7歳からテニスを始め、1990年10月にプロ入り。1991年タイパタヤ市の「ボルボ女子オープン」決勝戦にて、日本の沢松奈生子を 6-2, 6-2 で破ってツアー初優勝を果たし、インドネシアのテニス選手として史上初のプロツアー優勝を飾った。同年の全仏オープン4大大会にデビューし、全仏では1回戦で敗退したが、ウィンブルドン3回戦で第1シードのシュテフィ・グラフに挑戦した。

1992年4月、マレーシアクアラルンプールの大会でツアー2勝目を達成。この年のバスキは国際舞台でも好成績が多く、全豪オープン3回戦でモニカ・セレシュに挑戦し、ウィンブルドンでは前年を上回る4回戦でマルチナ・ナブラチロワと対戦した。同年のバルセロナ五輪でも活躍し、女子シングルス2回戦でフランス代表のマリー・ピエルスを 0-6, 6-3, 10-8 で破った後、3回戦で当時16歳のジェニファー・カプリアティに 3-6, 4-6 で敗れている。1992年から1995年まで、バスキはウィンブルドン選手権で「4年連続」4回戦に進出した。バスキはダブルスでも宮城ナナとペアを組むことが多く、この組み合わせで1993年全米オープン女子ダブルスベスト4に入った。

1994年にバスキは自身のコーチであるハリー・スハルヤディインドネシア語版と結婚した。

1997年、バスキはついに最も得意なウィンブルドンで自己最高のベスト8進出を果たす。この大会では1回戦で杉山愛、3回戦で雉子牟田直子に勝ち、2人の日本人選手を破って勝ち進んだ。初めての準々決勝で、バスキはヤナ・ノボトナに 3-6, 3-6 で敗れた。1998年全豪オープンでは、バスキは4回戦でマルチナ・ヒンギスから1ゲームも奪えずに 0-6, 0-6 で敗れている。1999年全豪オープンで1回戦敗退に終わった後、バスキは出産のため1年余り試合から遠ざかる。9月23日の出産後、バスキは2000年3月にツアーへ復帰し、この年もウィンブルドンで3回戦に進出した。2001年以後はシングルスから遠ざかり、ダブルスに出場試合を絞ったが、2004年1月にインドハイデラバード・オープンの女子ダブルス出場を最後に33歳で現役を引退した。

その後バスキは2008年にダブルスで現役復帰した。2010年全豪オープンでは同じ年のクルム伊達公子とペアを組み主催者推薦で女子ダブルスに出場した。1回戦でサニア・ミルザ&ビルヒニア・ルアノ・パスクアル組に 4-6, 2-6 で敗れている。2012年3月まで下部ツアーであるサーキット大会を中心に出場した。

WTAツアー決勝進出結果 編集

シングルス: 8回 (6勝2敗) 編集

大会グレード
グランドスラム (0–0)
ティア I (0–0)
ティア II (0–0)
ティア III (0–2)
ティア IV & V (6–0)
結果 No. 決勝日 大会 サーフェス 対戦相手 スコア
優勝 1. 1991年4月21日   パタヤ ハード   沢松奈生子 6-2, 6-2
優勝 2. 1992年4月26日   クアラルンプール ハード   アンドレア・ストルナドバ 6-3, 6-0
優勝 3. 1993年4月18日   パタヤ ハード   マリアン・ワーデル 6-3, 6-1
優勝 4. 1993年5月2日   ジャカルタ ハード   アン・グロスマン 6-4, 6-4
優勝 5. 1994年2月20日   北京 ハード (室内)   長塚京子 6-4, 6-2
優勝 6. 1994年5月1日   ジャカルタ ハード   フロレンシア・ラバト 6-4, 3-6, 7-6
準優勝 1. 1996年4月14日   ジャカルタ ハード   リンダ・ワイルド 不戦敗
準優勝 2. 1997年6月16日   バーミンガム   ナタリー・トージア 6-2, 2-6, 2-6

ダブルス: 17回 (9勝8敗) 編集

結果 No. 決勝日 大会 サーフェス パートナー 対戦相手 スコア
準優勝 1. 1991年11月10日   ナッシュビル ハード
(室内)
  カロリネ・ビス   サンディ・コリンズ
  エルナ・ライナッハ
7-5, 4-6, 6-7
準優勝 2. 1992年9月27日   東京 ハード   宮城ナナ   メアリー・ジョー・フェルナンデス
  ロビン・ホワイト
4-6, 4-6
優勝 1. 1993年10月3日   札幌 カーペット (室内)   宮城ナナ   神尾米
  雉子牟田直子
6-4, 6-2
優勝 2. 1993年10月10日   台北 ハード   宮城ナナ   ジョー=アン・ファウル
  クリスティン・カンス
6-4, 6-2
準優勝 3. 1994年4月10日   東京 ハード   宮城ナナ   道城まみ
  杉山愛
4-6, 1-6
準優勝 4. 1994年4月17日   パタヤ ハード   宮城ナナ   パティ・フェンディック
  メレディス・マグラス
6-7, 6-3, 3-6
優勝 3. 1994年11月13日   スラバヤ ハード   ロマーナ・テジャクスマ   長塚京子
  杉山愛
不戦勝
優勝 4. 1996年1月14日   ホバート ハード   長塚京子   ケリー=アン・グース
  朴晟希
7-6, 6-3
優勝 5. 1996年5月25日   ストラスブール クレー   ニコル・プロビス   マリアン・ワーデル=ウィットマイヤー
  タミー・ウィットリンガー=ジョーンズ
5-7, 6-4, 6-4
優勝 6. 1997年8月10日   ロサンゼルス ハード   カロリネ・ビス   ラリサ・ネーランド
  ヘレナ・スコバ
7-6, 6-3
優勝 7. 1997年8月17日   トロント ハード   カロリネ・ビス   ニコル・アレント
  マノン・ボーラグラフ
3-6, 7-5, 6-4
準優勝 5. 1997年9月28日   ライプツィヒ カーペット (室内)   ヘレナ・スコバ   マルチナ・ヒンギス
  ヤナ・ノボトナ
2-6, 2-6
準優勝 6. 1997年11月2日   モスクワ カーペット (室内)   カロリネ・ビス   アランチャ・サンチェス・ビカリオ
  ナターシャ・ズベレワ
3-5, 途中棄権
準優勝 7. 1998年5月24日   ストラスブール クレー   カロリネ・ビス   アレクサンドラ・フセ
  ナタリー・トージア
4-6, 3-6
準優勝 8. 1998年8月23日   モントリオール ハード   カロリネ・ビス   マルチナ・ヒンギス
  ヤナ・ノボトナ
3-6, 4-6
優勝 8. 2000年11月19日   パタヤ ハード   カロリネ・ビス   ティナ・クリザン
  カタリナ・スレボトニク
6-3, 6-3
優勝 9. 2001年2月24日   ドバイ ハード   カロリネ・ビス   アサ・カールソン
  カリナ・ハブスドバ
6-0, 4-6, 6-2

4大大会シングルス成績 編集

略語の説明
 W   F  SF QF #R RR Q# LQ  A  Z# PO  G   S   B  NMS  P  NH

W=優勝, F=準優勝, SF=ベスト4, QF=ベスト8, #R=#回戦敗退, RR=ラウンドロビン敗退, Q#=予選#回戦敗退, LQ=予選敗退, A=大会不参加, Z#=デビスカップ/BJKカップ地域ゾーン, PO=デビスカップ/BJKカッププレーオフ, G=オリンピック金メダル, S=オリンピック銀メダル, B=オリンピック銅メダル, NMS=マスターズシリーズから降格, P=開催延期, NH=開催なし.

大会 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 通算成績
全豪オープン A A 3R 1R 2R 3R 1R 2R 4R 1R A 9-8
全仏オープン LQ 1R A 2R A 1R 3R 2R 1R A A 4-6
ウィンブルドン LQ 3R 4R 4R 4R 4R 1R QF 3R A 3R 22-9
全米オープン A 2R 1R 1R 1R 1R 1R 2R 1R A A 2-8

外部リンク 編集