ユーロラックは、モジュラーシンセサイザーのフォーマットの一つ。DoepferDoepfer A-100のモジュールを共通のラックに取り付けるために定められたが、現在では他社もこの規格に対応したモジュールを製造するようになっている。

ケースに取り付けられたユーロラックモジュール。

規格 編集

サイズ 編集

モジュール

19インチラックの取り付け幅の84分の1(5分の1インチ、約5mm)を1hpとしている。これはモジュールの横幅のピッチであり、ユーロラックのケースに取り付けられる全てのモジュールの横幅が5分の1インチの倍数となっている[1]

 
Intellijel規格の1Uモジュールが取り付けられている(左上、中央下)。

Doepferの定めたモジュールの高さは19インチラックにおける3U(5.25インチ、約13cm)となっているが[1]、Intellijel DesignsやPulp Logicといったメーカーは独自に1Uサイズのモジュールの規格を定めている[2][3]

ケース
 
電源が付属しているユーロラックのケース

ラックマウントできるのは84hp幅のものだが、その他にも104hp、168hpなど様々な幅のケースが存在する[4]。高さについても、6U(2段)、9U(3段)、12U(4段)などがある[4]

ケーブル 編集

モジュールを接続するケーブルには、モノラル3.5mm端子(ミニプラグ)のケーブルが用いられる[1]。外部機器との接続のために、USBDINコネクタ、キャノン端子、バナナジャックが取り付けられたモジュールもある。

電源 編集

ユーロラックのモジュールには、+12V、-12Vのほか、モジュールによって+5Vの電圧の電力が電源から供給される[5]

電圧 編集

ユーロラックのオシレーターは、1V/Oct(ピッチ)に入力された電圧+1V刻みで1オクターブ周波数が増加するようになっている。つまり、12分の1Vづつ電圧を上昇させると半音階となる[5]。オーディオ信号は-5V〜+5V、エンベロープは通常0〜8V、LFOは通常-2.5V〜+2.5V、トリガー/Gateは最大12Vである[5]

出典 編集

  1. ^ a b c Doepfer musikelektronik GMBH. “Mechanical Details A-100”. 2023年2月17日閲覧。
  2. ^ Intellijel Designs Inc. “Eurorack Modules”. 2023年2月17日閲覧。
  3. ^ Pulp Logic. “Tiles”. 2023年2月17日閲覧。
  4. ^ a b fiveG music technology. “【初心者のためのユーロラック・モジュラーシンセ入門講座 Vol.1】モジュラーシンセを始めよう!編”. 2023年2月17日閲覧。
  5. ^ a b c Doepfer musikelektoronik GMBH. “Technical Details A-100”. 2023年2月17日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集