ライアン・ラバーンウェイ

アメリカの野球選手 (1987 - )

ライアン・コール・ラバーンウェイRyan Cole Lavarnway, 1987年8月7日 - )は、アメリカ合衆国カリフォルニア州バーバンク出身の元プロ野球選手捕手)。右投右打。

ライアン・ラバーンウェイ
Ryan Lavarnway
ボストン・レッドソックス時代
(2012年9月30日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
イスラエルの旗 イスラエル
出身地 カリフォルニア州バーバンク
生年月日 (1987-08-07) 1987年8月7日(36歳)
身長
体重
6' 3" =約190.5 cm
239 lb =約108.4 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 捕手
プロ入り 2008年 MLBドラフト6巡目
初出場 2011年8月18日
最終出場 2021年9月12日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
国際大会
代表チーム イスラエルの旗 イスラエル
五輪 2021年
WBC 2017年2023年

ユダヤ系アメリカ人である。

経歴 編集

プロ入り前 編集

エル・カミーノ・リアル高等学校英語版時代は無名の存在で、野球の奨学金を提示する大学もなかったため、アイビーリーグの名門イェール大学に進学。専攻は古代哲学だった。

大学2年時に外野手から捕手にコンバートされると同時に打撃も開眼し、NCAAディビジョンⅠの首位打者を獲得するまでに急成長した。

プロ入りとレッドソックス時代 編集

2008年MLBドラフト直前に右手首を痛めて指名順位が落ち込んだが、6巡目(全体202位)でボストン・レッドソックスから指名され、入団した[1]

2010年は、A+級セイラム・レッドソックスとAA級ポートランド・シードッグスで22本塁打、102打点をマークし、アンソニー・リゾと共にレッドソックスからマイナーの最優秀打者として表彰を受けた[2]

2011年は、AA級ポートランドとAAA級ポータケット・レッドソックスで合計32本塁打を放った。8月18日のカンザスシティ・ロイヤルズ戦でメジャーデビューを果たした。

2012年は、AAA級ポータケットで8本塁打とパワーを発揮できず、8月に昇格してからも打率1割台と苦戦が続いた。この年は同じくイェール大学出身のクレイグ・ブレスロウもレッドソックスに在籍しており、8月18日にはMLB史上初となるイェール大学出身者同士のバッテリーが実現した[3]。イェール大学出身者がチームメイトになるのは、63年ぶり2度目であった[4]

2013年8月7日のヒューストン・アストロズ戦では、初先発となったスティーブン・ライトナックルボールに上手く対応出来ず、メジャータイ記録となる1イニング4捕逸を記録した[5]

2014年3月7日にレッドソックスと1年契約に合意した[6]。3月28日にAAA級ポータケットに配属され、開幕を迎えた[7]。この年はA・J・ピアジンスキーが正捕手として定着し、またピアジンスキー移籍後もクリスチャン・バスケスデビッド・ロスが主に起用されたため、メジャーに昇格しても捕手としての出場はなく、一塁手や代打として9試合の出場にとどまった。オフの11月25日にパブロ・サンドバルの加入に伴ってDFAとなった[8]

オリオールズ時代 編集

2014年12月5日にウェイバー公示を経てロサンゼルス・ドジャースへ移籍した[9]が、12月11日にDFAとなった[10]。12月19日にウェイバー公示を経てシカゴ・カブスへ移籍した[11]が、23日にウェイバー公示を経てボルチモア・オリオールズへ移籍した[12]

2015年1月9日にDFAとなり[13]、傘下のマイナーに配属されたが、この年は開幕ロースター入りを果たした[14]。オリオールズでは10試合に出場したが、5月26日にDFAとなった[10]

ブレーブス時代 編集

2015年5月30日にアトランタ・ブレーブスとマイナー契約を結んだ。6月15日にメジャー契約となりアクティブ・ロースター入りした。27試合に出場して打率.227、2本塁打、6打点を記録した。10月9日に40人枠から外れる形でAAA級グウィネット・ブレーブスへ配属された後、11月24日にマイナー契約で再契約し、2016年のスプリングトレーニングも招待選手として参加することになった[10]

2016年は開幕からAAA級グウィネットでプレーし、25試合に出場して打率.276、10打点を記録した。5月13日に自由契約となった[10]

ブルージェイズ傘下時代 編集

2016年5月27日にトロント・ブルージェイズとマイナー契約を結んだ。傘下のAA級ニューハンプシャー・フィッシャーキャッツでプレーし、66試合に出場して打率.262、6本塁打、38打点、1盗塁を記録した。オフの11月7日にFAとなった[10]

アスレチックス時代 編集

2016年11月21日にオークランド・アスレチックスとマイナー契約を結び、2017年のスプリングトレーニングに招待選手として参加することになった。3月には2017 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)にイスラエル代表として出場し、1次ラウンド・プールAのMVP(最優秀選手)に選出された。開幕はAAA級ナッシュビル・サウンズで迎えたが、7月5日にジョシュ・フェグリーの育休リスト入りに伴い、メジャー契約を結び、アクティブ・ロースター入りした[15]。7月8日にDFAとなり、11日に40人枠から外れる形でAAA級ナッシュビルへ配属された[10]。7月27日に前述のフェグリーの10日間の故障者リスト入りに伴い、メジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りした[16]。8月5日に再びDFAとなり[17]、7日にマイナー契約でAAA級ナッシュビルへ配属された。10月13日にFAとなった[10]

パイレーツ時代 編集

2018年1月22日にピッツバーグ・パイレーツとマイナー契約を結び、同年のスプリングトレーニングに招待選手として参加することになった。シーズンでは傘下のAAA級インディアナポリス・インディアンスでプレーし、77試合に出場して打率.288、9本塁打、33打点を記録した。9月4日にメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りした[18]。オフの11月2日にFAとなった[10]

ヤンキース傘下時代 編集

2018年11月7日にニューヨーク・ヤンキースとマイナー契約を結び、2019年のスプリングトレーニングに招待選手として参加することになった。

2019年シーズンは開幕から傘下のAAA級スクラントン・ウィルクスバリ・レイルライダースでプレーしていたが、7月18日に自由契約となった[10]

レッズ時代 編集

2019年7月18日にシンシナティ・レッズとメジャー契約を結んだ[19]。7月28日にDFAとなり[20]、30日にマイナー契約で傘下のAAA級ルイビル・バッツへ配属された。8月29日に自由契約となった[10]

インディアンス傘下時代 編集

2019年8月30日にクリーブランド・インディアンスとマイナー契約を結び、傘下のAAA級コロンバス・クリッパーズへ配属された[21]。オフの11月4日にFAとなった[10]。またこの年の11月にはイスラエルの市民権を取得した[22]

マーリンズ時代 編集

2019年12月18日にマイアミ・マーリンズとマイナー契約を結び、2020年スプリングトレーニングに招待選手として参加することになった[23]

2020年8月4日にメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りした[24]。8月21日にDFAとなり[25]、25日にマイナー契約となった[26]。レギュラーシーズン終了後の10月15日にFAとなった[10]

インディアンス時代 編集

2021年2月19日にインディアンスとマイナー契約を結び、スプリングトレーニングに招待選手として参加することになった[27]。6月17日にメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りした[28]。6月24日にDFAとなり[29]、28日にマイナー契約でAAA級コロンバスへ配属された。7月には東京オリンピック・野球イスラエル代表に選出された[30]。9月2日に再びメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りした[31]。9月14日にDFAとなり[32]、16日にマイナー契約でAAA級コロンバスへ配属された。レギュラーシーズン終了後の10月6日にFAとなった[10]

タイガース傘下時代 編集

2022年3月14日にデトロイト・タイガースとマイナー契約を結んだ[10]。開幕はAAA級トレド・マッドヘンズで迎え、44試合に出場した。

マーリンズ傘下時代 編集

2022年6月21日に金銭トレードでマイアミ・マーリンズに移籍した[33]。AAA級ジャクソンビル・ジャンボシュリンプで40試合に出場したがメジャー昇格の機会はなく、シーズン終了後の11月10日にFAとなった[10]。その後はオーストラリアン・ベースボールリーグ(ABL)のメルボルン・エイシズでプレーした。

2023年3月に開催された第5回ワールド・ベースボール・クラシックイスラエル代表に2大会連続で選出された。第1ラウンドで敗退となったWBC終了後の3月22日に現役を引退することを発表した[34][35]

詳細情報 編集

年度別打撃成績 編集

















































O
P
S
2011 BOS 17 43 39 5 9 2 0 2 17 8 0 0 0 0 4 0 0 10 1 .231 .302 .436 .738
2012 46 166 153 11 24 8 0 2 38 12 0 0 0 2 11 0 0 41 4 .157 .211 .248 .459
2013 25 82 77 8 23 7 0 1 33 14 0 0 0 1 2 0 2 17 3 .299 .329 .429 .758
2014 9 10 10 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 3 1 .000 .000 .000 .000
2015 BAL 10 32 28 1 3 1 0 0 4 0 0 0 0 0 4 0 0 7 1 .107 .219 .143 .362
ATL 27 74 66 5 15 5 0 2 26 6 0 0 0 0 8 1 0 21 4 .227 .311 .394 .705
'15計 37 106 94 6 18 6 0 2 30 6 0 0 0 0 12 1 0 28 5 .191 .283 .319 .602
2017 OAK 6 13 11 0 3 1 0 0 4 2 0 0 0 0 1 0 1 3 1 .273 .385 .364 .748
2018 PIT 6 6 6 1 4 1 0 0 5 1 0 0 0 0 0 0 0 1 0 .667 .667 .833 1.500
2019 CIN 5 19 18 4 5 2 0 2 13 7 0 0 0 0 1 0 0 5 0 .278 .316 .722 1.038
2020 MIA 5 11 11 0 4 0 0 0 4 0 0 0 0 0 0 0 0 2 0 .364 .364 .364 .727
2021 CLE 9 30 28 2 7 3 0 0 10 0 0 0 0 0 1 0 0 10 0 .250 .276 .357 .633
MLB:10年 165 489 447 37 97 30 0 9 154 50 0 0 0 3 32 1 3 120 15 .217 .272 .345 .617

背番号 編集

  • 60(2011年 - 2012年)
  • 20(2013年 - 2014年)
  • 34(2015年 - 同年途中)
  • 30(2015年途中 - 同年終了、2017年)
  • 63(2018年)
  • 59(2019年)
  • 36(2020年)
  • 50(2021年)

代表歴 編集

脚注 編集

  1. ^ Two Boston Red Sox prospects and former Ivy League rivals find common ground ESPN Boston
  2. ^ Seamless Transition for Lavarnway Pawtucket Red Sox News
  3. ^ Boola Boola battery: Breslow & Lavarnway
  4. ^ RED SOX: Ryan Lavarnway, Craig Breslow just second Yale duo to be major-league teammates The New Haven Register
  5. ^ Gene Duffey (2013年8月7日). “Lavarnway finds redemption following wild first” (英語). MLB.com. 2018年1月23日閲覧。
  6. ^ "Red Sox Agree to Terms With 19 Players on 2014 Contracts". MiLB.com (Press release) (英語). 7 March 2014. 2018年1月23日閲覧
  7. ^ Sox send Britton, Lavarnway to Pawtucket”. ESPN (2014年3月28日). 2014年10月13日閲覧。
  8. ^ Catcher Ryan Lavarnway Designated for Assignment” (英語). MiLB.com (2014年11月25日). 2018年1月23日閲覧。
  9. ^ “Dodgers claim catcher Ryan Lavarnway from Boston”. Associated Press. USA Today. (2014年12月6日). https://www.usatoday.com/story/sports/mlb/2014/12/05/dodgers-claim-catcher-ryan-lavarnway-from-boston/19962261/ 2018年1月23日閲覧。 
  10. ^ a b c d e f g h i j k l m n o MLB公式プロフィール参照。2023年3月25日閲覧。
  11. ^ David Just (2014年12月19日). “Cubs claim catcher Lavarnway, outfielder Peterson off waivers”. Chicago Sun Times. 2018年1月23日閲覧。
  12. ^ Carrie Muskat (2014年12月23日). “Cubs add pitcher, lose two players via waivers” (英語). MLB.com. 2018年1月23日閲覧。
  13. ^ Brittany Ghiroli (2015年1月9日). “O's announce signing of Delmon to 1-year deal” (英語). MLB.com. 2018年1月23日閲覧。
  14. ^ Eduardo A. Encina (2015年4月6日). “Orioles purchase catcher Ryan Lavarnway's contract, designate reliever Ryan Webb” (英語). Baltimore Sun. 2015年4月15日閲覧。
  15. ^ Jane Lee (2017年7月5日). “Phegley on paternity list; Lavarnway joins A's” (英語). MLB.com. 2018年1月23日閲覧。
  16. ^ Jane Lee (2017年7月27日). “Phegley lands on DL; Lavarnway recalled” (英語). MLB.com. 2018年1月23日閲覧。
  17. ^ Joshua Thornton (2017年8月5日). “Garneau delivers in 'whirlwind' debut for A's” (英語). MLB.com. 2018年1月23日閲覧。
  18. ^ Adam Berry (2018年9月4日). “Bucs call up 6, including trio of righties” (英語). MLB.com. 2018年9月6日閲覧。
  19. ^ Mark Sheldon (2019年7月18日). “Hernandez headed to IL; Reds shake up roster” (英語). MLB.com. 2019年7月19日閲覧。
  20. ^ Mark Sheldon (2019年7月28日). “Reds activate Alex Wood, utility man Farmer” (英語). MLB.com. 2019年7月29日閲覧。
  21. ^ Steve Adams (2019年8月30日). “Indians Sign Ryan Lavarnway” (英語). MLB Trade Rumors. 2021年2月21日閲覧。
  22. ^ Klein, Steven (2019年11月22日). “U.S. Baseball Pros Arrive to Claim Israeli Citizenship, Qualify for Olympics”. Haaretz. 2021年9月4日閲覧。
  23. ^ Christina De Nicola (2019年12月18日). “Kemp, Marlins agree on Minor League deal” (英語). MLB.com. 2019年12月19日閲覧。
  24. ^ Joe Frisaro (2020年8月4日). “Marlins resume play with revamped roster” (英語). MLB.com. 2020年8月5日閲覧。
  25. ^ Steve Adams (2020年8月21日). “Marlins Activate Jorge Alfaro, Designate Ryan Lavarnway For Assignment” (英語). MLB Trade Rumors. 2020年8月22日閲覧。
  26. ^ Connor Byrne (2020年8月25日). “Minor MLB Transactions: 8/25/20” (英語). MLB Trade Rumors. 2020年8月26日閲覧。
  27. ^ C Ryan Lavarnway invited to Major League camp” (英語). MLB.com (2021年2月20日). 2021年2月21日閲覧。
  28. ^ Anthony Franco (2021年6月17日). “Indians Select Ryan Lavarnway” (英語). MLB Trade Rumors. 2021年6月18日閲覧。
  29. ^ Mark Polishuk (2021年6月24日). “Indians Make Four Roster Moves” (英語). MLB Trade Rumors. 2021年6月25日閲覧。
  30. ^ “【東京五輪】野球イスラエル代表メンバー2021一覧 発表された24名の内定選手は?【東京オリンピック野球イスラエル国代表】”. ベースボールチャンネル. (2021年7月26日). https://www.baseballchannel.jp/japan/100391/ 2021年9月4日閲覧。 
  31. ^ Cleveland Indians - Transactions” (英語). CBSSports.com. 2021年9月4日閲覧。
  32. ^ Anthony Franco (2021年9月14日). “Indians Designate Ryan Lavarnway For Assignment” (英語). MLB Trade Rumors. 2021年9月16日閲覧。
  33. ^ Evan Petzold (2022年6月21日). “Detroit Tigers trade catcher Ryan Lavarnway to Miami Marlins for cash considerations”. Detroit Free Press. 2023年3月25日閲覧。
  34. ^ Ryan Lavarnway: As I retire from baseball, lessons learned in a decade in MLB”. The Athletic (2023年3月22日). 2023年3月25日閲覧。
  35. ^ Steve Adams (2023年3月22日). “Ryan Lavarnway Announces Retirement”. MLB Trade Rumors. 2023年3月25日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集