ライプツィヒ市電NGT12-LEI形電車

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NGT12-LEI形は、ドイツライプツィヒ路面電車であるライプツィヒ市電に在籍する電車超低床電車)。ボンバルディア・トランスポーテーションが展開する超低床電車ブランドであるフレキシティ・クラシックの1つで、38形(Typ 38)とも呼ばれる[1][2][5]

ライプツィヒ市電NGT12-LEI形電車
フレキシティ・クラシック・XXL
1211
基本情報
運用者 ライプツィヒ運輸有限会社(LVB)ドイツ語版
製造所 ボンバルディア・トランスポーテーション
製造年 2005年-2007年2011年-2012年
製造数 33編成(1201-1233)
運用開始 2005年9月18日
投入先 ライプツィヒ市電
主要諸元
編成 5車体連接車(3台車)
軌間 1,458 mm
電気方式 直流600 V
架空電車線方式
最高速度 70 km/h
編成定員 265人(着席105人)
編成長 45,000 mm
全長 11,595 mm(先頭車体)
6,115 mm(中間車体、2・4両目)
9,710 mm(中間車体、3両目)
11,575 mm(後部車体)
全幅 2,300 mm
全高 3,500 mm(集電装置除)
台車中心間距離 5,500 mm(車体間)
10,300 mm(車両間)
主電動機 三相誘導電動機
備考 主要数値は[1][2][3][4]に基づく。
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概要 編集

2000年代初頭、ライプツィヒ市電を運営するライプツィヒ運輸有限会社(LVB)ドイツ語版は、老朽化が進行し騒音も課題となっていたタトラカーを置き換える新型電車の導入を発表した。シーメンスコンビーノ[注釈 1]シュタッドラー・レールバリオバーン[注釈 2]などヨーロッパ各地の鉄道車両メーカーが参加した入札の結果、ドイツベルリンに本社を置くボンバルディア・トランスポーテーション2003年に受注を獲得し、同社が展開するフレキシティ・クラシックを導入する契約が同年11月に交わされた。また2006年にはドイツで開催されたFIFAワールドカップの観客輸送に備えて2005年9月に追加発注が実施された他、2010年1月にも9編成が発注された[1][2][3][4][5]

ドレスデン市電2003年以降導入したNGT D12DD形電車[注釈 3]を基に設計された45m級の長大編成[注釈 4]が特徴で、NGT D12DD形と共にフレキシティ・クラシック・XXL(Flexity Clasic XXL)とも呼ばれる。これにより置き換え対象であるタトラカー3両編成(定員238人)を上回る輸送力が確保されている。編成は片運転台式の5車体連接車で、先頭車両・後部車両(動力台車)および3両目の中間車両(付随台車)に車軸付きのボギー台車が設置され、台車がないフローティング車体である2・4両目の中間車両を挟み込む。動力台車は保守や費用、走行特性の面で有利な従来の構造を取り入れているため、低床率はその部分を除いた車内の70%である。運転台部分を含め、車内には空調が完備されている[1][2][3][4][6]

運用 編集

最初の編成(1201)は2005年6月6日にライプツィヒ市電の車庫に到着し、6月8日から試運転が実施された。その後同年9月18日から営業運転が開始したが、その際に障害が発生し運転を停止する事態となった1202は同年中に修理が行われた。翌2006年のFIFAワールドカップ開催までに1次車となる12編成(1201-1212)が揃い、世界中から訪れた観客輸送で高い収容力を発揮した[3][4][7]

同年から2007年までに2次車(1213-1224)が導入され、利用客が増加し続けるライプツィヒ市電の輸送力確保に大きく貢献した。2011年から2012年には更に9編成(1215-1233)の増備が実施されたが、これらについては前面方向幕が改良された他、車内に車内案内表示装置が追加されており、"38a形"(Typ 38a)として区別されている[3][4]

これらの33編成には世界各地の都市の名前が付けられており、導入当初はライプツィヒの姉妹都市FIFAワールドカップの試合会場がある都市が由来となっていたが、2012年以降は姉妹都市と路面電車が走る世界の都市に変更されている[3]

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 提示された価格は最も安かったが、悪条件下での線路上や急曲線を有する路線での走行に難があった。
  2. ^ 車内の全体(100%)が超低床構造だったが高価であり、ライプツィヒでの試験運転も行われなかった。
  3. ^ 導入に際し、エアフルト市電コンビーノと共に1編成がライプツィヒ市電に持ち込まれ試験走行が実施された。
  4. ^ 製造当時世界最長の路面電車車両であったが、後にフランスストラスブール向けのアルストムシタディスに記録を抜かれた。

出典 編集

  1. ^ a b c d FLEXITY Classic – Leipzig, Germany - ウェイバックマシン(2016年3月15日アーカイブ分)
  2. ^ a b c d Leipziger Nahverkehr” (ドイツ語) (2005年2月18日). 2019年9月12日閲覧。
  3. ^ a b c d e f NGT-12 "Classic XXL"” (ドイツ語). BIMMELBUS LEIPZIG. 2019年9月12日閲覧。
  4. ^ a b c d e NGT12” (ドイツ語). Städtischer Nahverkehr Leipzig. 2019年9月12日閲覧。
  5. ^ a b Ergebnisse des Themen-Workshop mit den Leipziger Verkehrs Betrieben (LVB)” (ドイツ語). Ökolöwe Umweltbund Leipzig e.V (2011年5月16日). 2019年9月12日閲覧。
  6. ^ Renate Backmann (2010年). “Straßenbahnen, Stadtbahnen & U-Bahnen Grundlagen der Fahrzeugtechnik und Infrastruktur des ÖPNV in Deutschland” (ドイツ語). HUSS-VERLAG GmbH. 2019年9月12日閲覧。
  7. ^ 鹿島雅美「ドイツの路面電車全都市を巡る 25」『鉄道ファン』第48巻第2号、交友社、2008年2月、156頁。