ライベリー (英語: Riberry) はフトモモ科の常緑低中木。オーストラリアクイーンズランド州ニューサウスウェールズ州の海岸に近い温帯雨林熱帯雨林に自生する[1]果実は加工して利用される他、庭木や街路樹としてオーストラリアでは非常に人気がある。

ライベリー
ライベリーの果実
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 core eudicots
階級なし : バラ上群 superrosids
階級なし : バラ類 rosids
階級なし : rosid II / Malvidae
: フトモモ目 Myrtales
: フトモモ科 Myrtaceae
: フトモモ属 Syzygium
: ライベリー S. luehmannii
学名
Syzygium luehmannii
英名
Riberry

別名としてチェリーサティナッシュ、チェリーアルダー、クローブ・リリーピリーなどがある。

特徴 編集

樹高30m、幹径90cmに達し、旺盛に葉を繁らせる。主幹は真っ直ぐ伸び、樹皮は赤茶からピンクまで鮮やかに発色し、ユーカリのように薄くめくれる。栽培環境ではなかなか7m以上の高さには生育しない。

 
ライベリーの新葉

火山灰を多く含む土壌を好み、乾燥を嫌う。

葉と花 編集

光沢のある葉は新葉のうちはピンクまたは赤く発色し、やがて濃緑へと変わっていく。葉には近縁のクローブに似た芳香がある。

開花時期は11月から12月。花弁は約1.5mmでクリーム色、集合花を成す。雄蕊は5mmほどの長さになり、フトモモ科の植物らしい特徴と言える。

 
美しい新葉

果実 編集

果実は直径約13mm、中に約4mmの種子を一つ含む。12月から2月頃に熟し、エミューなどの野鳥に好まれる。種子の発芽率はあまり良くない。

果実は酸味があり、クランベリークローブのような香りを持つ。その為、生食よりも個性的な風味のジャムソースシロップお菓子に加工されることが一般的である。商業栽培はそれほど盛んではない。

1980年代前半から注目を浴びはじめたブッシュ・タッカーとしてはメジャーな存在になっている。

脚注 編集

  1. ^ Floyd, A.G., Rainforest Trees of Mainland South-eastern Australia, ISBN 0-909605-57-2

外部リンク 編集