ラヨーク(раёк)は、ロシア語で、字義通りには「小楽園」ほどの意味。拡大解釈によって、野外市や縁日での見世物小屋(とりわけ「のぞき部屋」のたぐい)を意味するようになり、「アダムとイヴ楽園追放」などが最も人気のテーマである。見世物じたいは、拡大鏡を通してボックス内を覗き込まなければならず、リズミカルなジョークが演出に使われる。

ラヨークは、ユーモラスなトークショーといった意味にも使われる。この場合にのぞきは無い。「喋りのラヨーク」こと「ガヴァリーティ・ライカム(говорить райком)」は、韻文を用いてユーモラスに、早口でまくし立てることを意味する。ラヨークは、ショーの場合にせよ語りの場合にせよ、「ラヨーシニク」と呼ばれる放浪の芸術家によって行われてきた。

「低俗な(または露悪的な)娯楽」を表す楽曲の題名にも利用され、有名な例に、ムソルグスキー歌曲ラヨーク」や、ショスタコーヴィチの世俗カンタータ反形式主義的ラヨーク」がある。

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