ランナバウトRUNABOUT)とは、走ることを楽しむのが前提の小型ボートの総称。

■ランナバウト 小型(20フィート前後を中心に14F~最大30F程度)の4~5人乗りのモーターボート、沿海限定が多い。 湖や湾内など、静水の使用に適しており、波が高い状況の中では高速を維持する事は難しい。

小型で喫水が低い[1]ので、水面が近く、海上を抵抗が少なく、跳ねるように滑走するのに向いている。

キャビンはオープンデッキタイプで、ダイレクトに風圧を感じることが出来る。 艇体が軽量で、推進機は艇体に比較して高馬力の船外機やインボード、インアウトのエンジンを搭載することが多い。 中にはPWCのように、ウオータージェットを搭載するタイプもある。

オートバイのように、ハンドルを切ると船体の傾きをダイレクトに感じることができる。 スピード感と走りそのものを楽しむベーシックスタイルのパワーボートである。

代表例はイタリアのRIVAの戦前の名艇などがある。

メーカー・市場は米国が圧倒的、他には豪州、欧州が多いが、国産の安価な入門艇[2]にも幾つか存在する。

具体的には

  • 米シーレイ・・バウライダーやサンデッキ(ウイークエンダーやサンダンサーはエクスプレスタイプ)
  • 米ベイライナー・・カプリバウライダー、
  • 米リーガル
  • 米スタークラフト
  • 米マクサム・・・SR、スポーツデッキ
  • 米チェックメイト・・・コンビンサー
  • 米グラストロン
  • 米シャパラル
  • 豪ヘインズ・・・シグニチャー
  • 加ボンバルディエ・・・チャレンジャー
  • 日ヤマハ・・SRV/エキサイター/AG

スピード性能がウリで、フィッシングボートの平均的なスピードが24~28ノット程度であるのに対し、 ランナバウトには30~40ノット、あるいはそれ以上の高速パフォーマンスを持っているものも少なくない。

ウエイクボードの専用トーイングボートを見かけるが、これもランナバウトの派生タイプである。

モーターボートの分類として

  • ランナバウト
  • ファミリークルーザー(20-30F程度、クローズドデッキ、FBがある場合あり)、
  • フィッシングクルーザー(20-30F程度、ウオークアラウンドタイプ、デッキ周辺を歩いて作業ができるように船底まで繰り抜いてある)
  • タグボートタイプ(外観をタグボートに似せた排水量型、25~30F程度に多い、最大速度10~20ノット程度)
  • パイロットハウス(操縦用のパイロットハウスと呼ばれるキャビンがあり、通常2F建てになっている)
  • エクスプレス(24F~40F程度、大型で喫水が高いタイプのオープンデッキのクルーザー)
  • モーターセイラー(25F~40F程度、ヨットとパワーボートの混合)
  • セダン(28F~50F程度、フライブリッジ(FB)を搭載した通常の中型、大型クルーザー)、
  • スポーツフィッシャー(30F~50F程度、クルーザー派生の大型フィッシングクルーザー)
  • パワーボート(30F~50F程度、30-40ノット程度と高速で走るモーターボート)
  • トローラー(30F~50F程度の排水量型、大型のキャビンを備え、洋上に別荘を浮かべているイメージ、最大速度10~20ノット程度)
  • モーターヨット(50~80F程度の大型クルーザー)

関連項目 編集

脚注 編集

  1. ^ 大型で喫水が高いタイプのオープンデッキのモーターボートやクルーザーはエクスプレスと呼称される
  2. ^ 国産は小型でもフィッシングタイプが多い為