リシ

ヴェーダ聖典を感得したという聖者・賢者達

リシ: ऋषि Ṛṣi: Rishi)とは、本来サンスクリットで、ヴェーダ聖典を感得したという神話伝説上の聖者あるいは賢者達のこと。漢訳仏典などでは「」などとも訳され、インド学では「聖賢」などと訳される。または、サンヒターの内の1つ。聖仙とも呼ばれる。

寺院のリシのレリーフ

一般的性格 編集

インド神話に於いては、ヨーガの修行を積んだ苦行者であり、その結果として神々さえも服さざるをえない超能力(「苦行力」と呼ばれる)を体得した超人として描かれることが多い。また、神秘的霊感を以て宗教詩を感得し詠むという。俗界を離れた山林などに住み、樹木の皮などでできた粗末な衣をまとい、長髪であるという。

一般には温厚であるが、一度怒りを発すると手がつけられなくなり、その超能力で、条件付きの死の宣告(「〜をしたら死ぬ」など)をしたり、雨を降らせないなどの災いを引き起こしたりするという。

七聖賢 編集

古来より、ヴェーダの詩聖として七聖賢सप्तर्षि saptarṣi サプタルシ)と呼ばれるリシが並び称されている。彼らは北斗七星と同一視されているが、その7人の名は資料によって様々である。

おもなリシ 編集

七聖賢以外のリシとして知られるのは、アガスティヤヴィシュヴァーミトラヴィヤーサダクシャチヤヴァナなどである。

バラモンの氏族と聖賢 編集

司祭階級バラモンは、ヴェーダ相伝の系譜を示すものとして、神話上のリシを祖とする氏族(ゴートラ)名を持つ。例えばアトリを祖とするバラモンの家系の場合は、アートレーヤ(アトリの末裔)という氏族名となる。

関連項目 編集