リターン・トゥ・フォーエヴァー

リターン・トゥ・フォーエヴァーReturn to Forever)は、1970年代のアメリカ合衆国バンドチック・コリアキーボード)とスタンリー・クラークベース)を中心に結成されたフュージョン・バンド。

リターン・トゥ・フォーエヴァー
Return To Forever
リターン・トゥ・フォーエヴァー(1976年)
基本情報
出身地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 ニューヨーク
ジャンル フュージョン
活動期間 1972年 - 1977年1982年 - 1983年2008年
レーベル ECMポリドールコロムビアイーグルス
公式サイト www.return2forever.com
メンバー チック・コリア
スタンリー・クラーク
レニー・ホワイト
フランク・ギャンバレ
ジャン=リュック・ポンティ
旧メンバー アル・ディ・メオラ
ジョー・ファレル
アイアート・モレイラ
フローラ・プリム
スティーヴ・ガッド
ミンゴ・ルイス
ビル・コナーズ
アール・クルー
ゲイル・モラン
ジェリー・ブラウン
ジョン・トーマス
ジェイムズ・ティンズレイ
ジム・ピュー
ハロルド・ギャレット
ロン・モス

来歴 編集

音楽的には、ラテン音楽から影響を受けた第1期、ギタリストを入れてロック色を強めた第2期、大編成のホーン・セクションを加えた第3期に大別できる。

第1期 編集

マイルス・デイヴィスの『イン・ア・サイレント・ウェイ』(1969年)、『ビッチェズ・ブリュー』(1970年)といった作品でキーボードを弾き、エレクトリック・ジャズの黎明期を担ったチック・コリアは、スタン・ゲッツのバンドなどで活動していたベーシストスタンリー・クラークを誘う。その他、ジョー・ファレルサックスフルート)、ブラジル出身のアイアート・モレイラドラム)とフローラ・プリムボーカルパーカッション)を加え、リターン・トゥ・フォーエヴァーは誕生した。なお、アイアートはマイルスの『ビッチェズ・ブリュー』でチックと共演した経験がある。また、チックの友人であり、サイエントロジーに傾倒している詩人ネヴィル・ポッターも、バンドに深く関わる。

1972年、『リターン・トゥ・フォーエヴァー』を発表。チック・コリアのソロ名義だが、実質的にはバンドとしてのデビュー作である。その後、チックとスタンリーとアイアートの3人は、スタン・ゲッツのアルバム『キャプテン・マーヴェル』に参加。また、アイアートのソロ・アルバム『フリー』に、チックとスタンリーも参加する。そして、セカンド・アルバム『ライト・アズ・ア・フェザー』(1973年)発表。イントロにホアキン・ロドリーゴの「アランフエス協奏曲」のメロディを挿入した「スペイン」は、多くのアーティストにカバーされるスタンダード・ナンバーとなった。

第2期 編集

ジョー、アイアート、フローラの3人が脱退し、バンドはビル・コナーズ(ギター)、スティーヴ・ガッド(ドラム)、ミンゴ・ルイス(パーカッション)を迎える。しかし、スティーヴとミンゴは短期間で脱退し、後任として、チックやスタンリーとは旧知のドラマー、レニー・ホワイト(ドラム)が加入。バンドは4人編成となる。サード・アルバム『第7銀河の讃歌』(1973年)は、ブラジル出身のメンバーの脱退と、ビルやレニーの加入で、ロック色が強まった。

そして、ビルに代わってアール・クルー(ギター)が一時的に参加するが、ほどなくアールに代わってアル・ディ・メオラが加入し、『銀河の輝映』(1974年)発表。黄金期と呼ばれることになるラインナップが揃った。5作目『ノー・ミステリー』(1975年)は、グラミー賞のベスト・ジャズ・インストゥルメンタル・パフォーマンス(グループ)部門を受賞。

その後、各メンバーはソロ活動を行う。アルは初のリーダー作『白夜の大地』を発表。チックは『妖精』、スタンリーは『慈愛への旅路』、レニーは『エロスの遊星』をそれぞれ発表。そして、バンドはコロムビア・レコードに移籍し、『浪漫の騎士』(1976年)を大ヒットさせた。しかし、これを最後にアルとレニーはバンドを離れる。

1973年 1974年と2年連続で来日公演を行っている。

第3期 編集

チックとスタンリーは、ジェリー・ブラウン(ドラム)、チックの妻のゲイル・モラン(ボーカル、キーボード)、初期のメンバーだったジョー・ファレルを迎え、更にホーン・セクションを加えた編成で『ミュージックマジック』(1977年)発表。よりファンキーな路線に移行した。しかし、第3期のバンドのステージを収録した『ザ・コンプリート・コンサート』(1977年)を最後に解散。

再結成 編集

1982年、アル・ディ・メオラ在籍時のラインナップで、期間限定の再結成が行われた。チックのアルバム『タッチストーン』収録曲「コンバトレス」で4人が共演し、また、1983年4月には来日公演も行う。

その後チックは、自身のエレクトリック・バンドで、第2期リターン・トゥ・フォーエヴァーの音楽性を継承した。

前回の再結成から二十数年を経た2007年12月には2008年の再々結成が正式にアナウンスされた。公式サイトも開設され、またYouTubeにはリハーサル風景やインタビューなどを収めた公式の映像が投稿されている。2008年5月より全米及び欧州でのツアーが行われ、このライブの模様が2枚組アルバム『リターンズ〜リユニオン・ライヴ』として発表された。「モントルー・ジャズ・フェスティバル」に出演した際の模様を収めたライブDVDも発売されている。

第4期 編集

2011年、アル・ディ・メオラに代わってギタリストにフランク・ギャンバレが加入し、更にヴァイオリニストのジャン=リュック・ポンティが加入した編成で公演を開始した。 28年ぶりの日本公演が行われた。

メンバー 編集

ディスコグラフィ 編集

スタジオ・アルバム 編集

邦題 原題 発売年 レーベル
リターン・トゥ・フォーエヴァー Return to Forever[1] 1972 ECM
ライト・アズ・ア・フェザー Light as a Feather 1973 Polydor
第7銀河の讃歌 Hymn of the Seventh Galaxy 1973 Polydor
銀河の輝映 Where Have I Known You Before 1974 Polydor
ノー・ミステリー No Mystery 1975 Polydor
浪漫の騎士 Romantic Warrior 1976 Columbia
ミュージックマジック Musicmagic 1977 Columbia

ライブ・アルバム 編集

邦題 原題 発売年 レーベル
『ザ・コンプリート・コンサート』 Live (Return Live: The Complete Concert) 1977 (1999) Columbia
『リターンズ〜リユニオン・ライヴ』 Returns 2008 Eagle
『フォーエヴァー』 Forever[2] 2011 Concord
『ザ・マザーシップ・リターンズ』 The Mothership Returns 2012 Eagle

コンピレーション・アルバム 編集

邦題 原題 発売年 レーベル
『ベスト・オブ・リターン・トゥ・フォーエヴァー』 The Best of Return to Forever 1980 Columbia
『第7銀河への帰還』 Return to the Seventh Galaxy: The Anthology 1996 Verve
『アンソロジー』 Return to Forever: The Anthology 2008 Concord
Return to Forever: The Complete Columbia Albums Collection 2011 Columbia

脚注・出典 編集

外部リンク 編集