リチャード・トンプソン (陸上選手)

トリニダード・トバゴの陸上競技選手 (1985 - )

リチャード・トンプソン(Richard "Torpedo" Thompson、1985年6月7日 - )は、トリニダード・トバゴの陸上競技選手。2008年北京オリンピックの銀メダリストで、100mのトリニダード・トバゴ記録保持者である。

リチャード・トンプソン Portal:陸上競技
リチャード・トンプソン
選手情報
フルネーム リチャード・トンプソン
愛称 Torpedo
国籍 トリニダード・トバゴの旗 トリニダード・トバゴ
種目 短距離走
生年月日 (1985-06-07) 1985年6月7日(38歳)
生誕地 トリニダード・トバゴ、カスケード
身長 188cm
体重 80kg
自己ベスト
100m 9秒82(2014年)トリニダード・トバゴ記録
200m 20秒18(2008年)
獲得メダル
トリニダード・トバゴの旗 トリニダード・トバゴ
陸上競技
オリンピック
2008 北京 100m
2008 北京 4×100mリレー
2012 ロンドン 4×100mリレー
世界選手権
2009 ベルリン 4×100mリレー
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経歴 編集

トンプソンは、トリニダード・トバゴのカスケード出身。100mを専門とする選手で、ルイジアナ州立大学でも活躍。2008年の全米大学選手権100mのチャンピオンである。

トンプソンは2007年に大阪で開催された世界選手権に出場。しかし、2次予選で8人中8位という結果に終わった。トンプソンの2007年までの100mの自己ベストは10秒09であった。

トンプソンは、2008年北京オリンピックの100mに出場し、2次予選では、同じ組の優勝候補アメリカタイソン・ゲイを押さえ9秒99の1位で準決勝進出。準決勝では、今度は9秒93の自己ベストで、ジャマイカアサファ・パウエルに次いで2位(全体では3位)で決勝進出を決めた。そして、決勝では5レーンを走り、世界新記録で圧勝したジャマイカのウサイン・ボルトに大きく離されたものの(0秒20差)、9秒89と自己ベストをさらに更新。トリニダード・トバゴにとっては、2000年シドニーオリンピックアト・ボルドン以来の男子100m銀メダルとなった。

トンプソンは、さらに、4×100mリレーにも出場。予選では、アメリカ、イギリスなど強豪国がバトンのミスで失格する中、38秒26の予選トップで決勝進出。キーストン・ブレドマンマルク・バーンズエマヌエル・カランダーとともに挑んだ決勝ではアンカーを務め、3位でバトンを受け継いだトンプソンは、2位の日本朝原宣治を抜き38秒06でゴールし、銀メダルを獲得。その後、このレースで金メダルを獲得していたジャマイカチームのネスタ・カーターのドーピングの検体の再検査で禁止薬物の陽性反応を示したため、2017年に2位以下のチームは繰り上げとなり金メダルとなった[1]。トリニダード・トバゴのトラックのリレー種目としては1964年東京オリンピックの4×400mリレーの銅メダル以来のメダルとなった。

2011年8月13日、トリニダード・トバゴ選手権の100mにて9秒85(+1.0 m/s)を記録し、アト・ボルドンの持っていた9秒86のトリニダード・トバゴ記録を更新した。

2014年6月21日、トリニダード・トバゴ選手権の100mにて9秒82(+1.7 m/s)を記録し、自身の持つトリニダード・トバゴ記録を0秒03更新した[2]。これは当時世界歴代9位の記録であった。

自己ベスト 編集

  • 60m - 6秒51 (2008年3月14日)
  • 100m - 9秒82 (2014年6月21日) 
  • 200m - 20秒18 (2008年5月30日)

主な実績 編集

大会 場所 種目 結果 記録 備考
2007 世界陸上選手権 大阪(日本) 100m 8位(qf) 10秒44
2008 オリンピック 北京(中華人民共和国) 100m 2位 9秒89
2008 オリンピック 北京(中華人民共和国) 4×100mリレー 1位 38秒06
2009 世界陸上選手権 ベルリン(ドイツ) 100m 5位 9秒93
2009 世界陸上選手権 ベルリン(ドイツ) 4×100mリレー 2位 37秒62
2011 世界陸上選手権 大邱(韓国) 100m 3位(sf) 10秒20
2011 世界陸上選手権 大邱(韓国) 4×100mリレー 6位 39秒01
2012 オリンピック ロンドン(イギリス) 100m 6位 9秒98
2012 オリンピック ロンドン(イギリス) 4×100mリレー 2位 38秒12
2013 世界陸上選手権 モスクワ(ロシア) 100m 5位(sf) 10秒19
2013 世界陸上選手権 モスクワ(ロシア) 4×100mリレー 7位 38秒57
2014 IAAFワールドリレーズ ナッソー(バハマ) 4×100mリレー 2位 38秒04
2014 IAAFコンチネンタルカップ マラケシュ(モロッコ) 100m 8位 10秒24
2014 IAAFコンチネンタルカップ マラケシュ(モロッコ) 4×100mリレー 1位 37秒97 アメリカ大陸代表
2014 IAAFダイヤモンドリーグ 100m 年間4位 6pt
2016 オリンピック リオデジャネイロ(ブラジル) 4×100mリレー DQ
  • qfは2次予選、sfは準決勝

脚注 編集

  1. ^ “男子400リレーのジャマイカ失格=日本は銀に繰り上がり-北京五輪ドーピング再検”. 時事通信. (2017年1月26日). オリジナルの2017年2月2日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20170202035751/http://www.jiji.com/jc/article?k=2017012600009&g=spo 2017年1月26日閲覧。 
  2. ^ Thompson and Ahye run world-leading 100m times at Trinidad and Tobago Championships”. 国際陸上競技連盟 (2014年6月22日). 2015年1月1日閲覧。

外部リンク 編集