リトルリーグ・ワールドシリーズ

リトルリーグ・ワールドシリーズLittle League World Series、略称LLWS)は11歳から13歳の子供野球トーナメント方式リトルリーグの世界選手権[1][2]。以前はナショナル・リトルリーグ・トーナメントと呼ばれていたが、メジャーリーグベースボールワールドシリーズにならい改名した。1947年から毎年8月にアメリカ合衆国ペンシルベニア州サウス・ウィリアムズポートで開催される[1](組織郵便住所ウィリアムズポートだが、スタジアムはサウス・ウィリアムズポートにある)。

リトルリーグ・ワールドシリーズ
開始年 1947年
主催 リトルリーグ国際本部
チーム数 20チーム
前回優勝 カリフォルニア州の旗 エル・セグンド
最多優勝 日本の旗 東京北砂リーグ (4)
公式サイト
LittleLeague.org
2020年は新型コロナの大流行で中止。
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当初はアメリカ国内のチームのみの試合を「ワールドシリーズ」としていたが、現在は文字通りリトルリーグの世界一を争う。このトーナメントは試合が行なわれESPNで放送されるアメリカ国内で特に人気が増した。2006年、それまで13歳になるのが8月1日だったが5月1日になるなど年齢制限が変わった。8月に試合が行なわれるため、ワールドシリーズの時には多くの選手が13歳になっている。

リトルリーグは野球のみと捉えられがちだが、リトルリーグ・ベースボール・ワールドシリーズはリトルリーグ・インターナショナルによる8トーナメントのうちの1つである。

大会フォーマット 編集

大会は全米の部と国際の部に分かれており、全試合ダブルイリミネーション方式を採用[3]

2010年までは4組に分かれてのグループリーグを経て決勝トーナメントで勝敗を決めていた。それぞれの地区別の部門優勝チームが総合優勝決定戦で世界一を争う。

決勝戦を含め、全試合4回・5回で10点差以上がついた場合はそのイニング終了時点でコールドゲームが成立する。

大会の組み分けは

全米の部
国際の部

日本代表は2006年まではリトルリーグ全日本選手権優勝リーグがアジア・太平洋選手権大会のアジア地域の部[4]に進出し、そこで優勝しないと今大会に出場することができなかったが、2007年以後はアジア・太平洋のカテゴリーから日本が独立[5]し、全日本選手権優勝チームがそのままワールドシリーズの出場権を得ることが出来るようになった。

2021年より以下の地区が新設予定である。

全米の部
国際の部

球場 編集

ワールドシリーズの試合はHoward J. Lamade StadiumLittle League Volunteer Stadium で行なわれる。1959年からLamade Stadium で行なわれており、2001年から出場チームを2倍の16チームに増やし、Little League Volunteer Stadium でも行なわれるようになった。1959年以前はウィリアムズポートの西4番通りのOriginal Little League で行なわれていた。

どちらの球場もホームベースから外野まで68.6 m (225 feet) (2006年まで62.5 m (205 feet) )の左右対称のフェンスが設置されている。

全ての試合が入場無料だが、人気が高いため、どの観戦グループにもランダムで入場券が配布される[6]Lamade Stadium にはフェンスの外側に犬走りがあり、全体で45,000名収容できる。

テレビおよびラジオ中継 編集

1963年、ABCスポーツ(現ESPN on ABC)で初めてリトルリーグ・ワールドシリーズの放送が開始されたが、当初は優勝決定戦のみの放送であった。アメリカ国内グループとインターナショナルグループは準決勝以降に対戦することにトーナメント方式が変更となり、1980年代後期、準決勝も放送されるようになった。さらに数年後、ABCESPNESPN2においてより多くの試合が放送されるようになり、2006年には36試合中28試合がこの3局で放送された。

ABCのスポーツ部門がESPNに完全移行したため、2006年の優勝決定戦はABCスポーツでの最後の放送となった。しかしながら試合は雨天中止で翌日ESPN2で放送された。

2007年1月、ESPN、ESPN2、ABCはリトルリーグとの契約を2014年まで延長したと発表した[7]。ESPN、ESPN2、ABCのいずれかでこの年初めてワールドシリーズ全試合が、1試合は録画でそれ以外は生で放送されることとなった。録画となった1試合はESPN360のオンラインで放送され、翌日ESPN2で放送された[8]。また多くの試合が高精細度テレビジョン放送で放送されるようになった。リトルリーグ・ソフトボール・ワールドシリーズを含め全ての地区の優勝および準優勝決定戦がESPN、ESPN2、ESPNUのいずれかで放送されるようになった。

2011年6月、ESPN 3Dでさらに17試合が放送されることが発表された[9]

ワールドシリーズの試合の多くはクリア・チャンネル所有のローカル・ラジオ局1400AMWRAK で生中継される。この放送はオンラインthe LLWS page at littleleague.orgで聴くことができる。

日本ではJ SPORTSで当日録画放映されている。

歴代優勝決定戦結果 編集

優勝 得点 準優勝
1947年  
ペンシルベニア州ウィリアムズポート
16–7  
ペンシルベニア州ロック・ヘヴン
1948年  
ペンシルベニア州ロック・ヘヴン
6–5  
フロリダ州セントピーターズバーグ
1949年  
ニュージャージー州ハモントン
5–0  
フロリダ州ペンサコーラ
1950年  
テキサス州ヒューストン
2–1  
コネチカット州ブリッジポート
1951年  
コネチカット州スタンフォード
3–0  
テキサス州オースティン
1952年  
コネチカット州ノーウォーク
4–3  
ペンシルベニア州モノンガヒラ
1953年  
アラバマ州バーミングハム
1–0  
ニューヨーク州スケネクタディ
1954年  
ニューヨーク州スケネクタディ
7–5  
カリフォルニア州コルトン
1955年  
ペンシルベニア州モリスヴィル
4–3  
ニュージャージー州マーチャントヴィル
1956年  
ニューメキシコ州ロズウェル
3–1  
ニュージャージー州マーチャントヴィル
1957年  
メキシコ ヌエボ・レオン州モンテレイ
4–0  
カリフォルニア州ラ・メサ
1958年  
メキシコヌエボ・レオン州モンテレイ
10–1  
イリノイ州カンカキー
1959年  
ミシガン州ハムトラムク
12–0  
カリフォルニア州オーバーン
1960年  
ペンシルベニア州レヴィットタウン
5–0  
テキサス州フォートワース
1961年  
カリフォルニア州エルカホン
4–2  
テキサス州エル・カンポ
1962年  
カリフォルニア州サンノゼ
3–0  
イリノイ州カンカキー
1963年  
カリフォルニア州グラナダ・ヒルズ
2–1  
コネチカット州ストラトフォード
1964年  
ニューヨーク州スタテンアイランド
4–0  
メキシコヌエボ・レオン州モンテレイ
1965年  
コネチカット州ウインザー・ロックス
3–1  
オンタリオ州ストーニー・クリーク
1966年  
テキサス州ヒューストン
8–2  
ニュージャージー州ウェストニューヨーク
1967年  
西東京
4–1  
イリノイ州シカゴ
1968年  
和歌山県和歌山市
1–0  
バージニア州リッチモンド
1969年  
台湾台中市
5–0  
カリフォルニア州サンタクララ
1970年  
ニュージャージー州ウェイン
2–0  
カリフォルニア州キャンベル
1971年  
台湾台南市
12–3 (F/9)  
インディアナ州ゲーリー
1972年  
台湾台北市
6–0  
インディアナ州ハモンド
1973年  
台湾台南市
12–0  
アリゾナ州ツーソン
1974年  
台湾高雄市
12–1  
カリフォルニア州レッドブラフ
1975年*  
ニュージャージー州レイクウッド
4–3  
フロリダ州タンパ
1976年  
東京都調布市
10–3  
カリフォルニア州キャンベル
1977年  
台湾高雄市
7–2  
カリフォルニア州エルカホン
1978年  
台湾屏東市
11–1  
カリフォルニア州ダンビル
1979年  
台湾嘉義県
2–1  
カリフォルニア州キャンベル
1980年  
台湾花蓮市
4–3  
フロリダ州タンパ
1981年  
台湾台中市
4–2  
フロリダ州タンパ
1982年  
ワシントン州カークランド
6–0  
台湾嘉義県
1983年  
ジョージア州マリエッタ
3–1  
ドミニカ共和国Barahona
1984年  
大韓民国ソウル
6–2  
フロリダ州アルタモンテ・スプリングス
1985年  
大韓民国ソウル
7–1  
メキシコ バハ・カリフォルニア州メヒカリ (カリフォルニア州として)
1986年  
台湾台南市
12–0  
アリゾナ州ツーソン
1987年  
台湾花蓮市
21–1  
カリフォルニア州アーバイン
1988年  
台湾台中市
10–0  
ハワイ州パールシティ
1989年  
コネチカット州トランブル
5–2  
台湾高雄市
1990年  
台湾台南市
9–0  
ペンシルベニア州シッペンスバーグ
1991年  
台湾台中市
11–0  
カリフォルニア州サンラモン
1992年  
カリフォルニア州ロングビーチ
6–0  
フィリピン サンボアンガ
1993年  
カリフォルニア州ロングビーチ
3–2  
パナマ チリキ県ダビッド
1994年  
ベネズエラ マラカイボ
4–3  
カリフォルニア州ノースリッジ
1995年  
台湾台南市
17–3 (F/5)  
テキサス州スプリング
1996年  
台湾高雄市
13–3 (F/5)  
ロードアイランド州クランストン
1997年  
メキシコ ヌエボ・レオン州グアダルーペ
5–4  
カリフォルニア州ミッションビエホ
1998年  
ニュージャージー州トムズ・リヴァー
12–9  
茨城県鹿嶋市
1999年  
大阪府枚方市
5–0  
アラバマ州フェニックス・シティ
2000年  
ベネズエラ マラカイボ
3–2  
テキサス州ベライア
2001年  
東京都江東区東京北砂
2–1  
フロリダ州アポッカ
2002年  
ケンタッキー州ルイビル
1–0  
宮城県仙台市
2003年  
東京都府中市、武蔵府中
10–1  
フロリダ州ボイントンビーチ
2004年  
キュラソー島ウィレムスタット
5–2  
カリフォルニア州サウザンドオークス
2005年  
ハワイ州エバ・ビーチ
7–6 (F/7)  
ウィレムスタット、キュラソー
2006年  
ジョージア州コロンバス
2–1  
埼玉県川口市
2007年  
ジョージア州ワーナーロビンズ
3–2 (F/8)  
東京都
2008年  
ハワイ州ワイパフ
12–3  
メキシコ タマウリパス州マタモロス
2009年  
カリフォルニア州チュラビスタ
6–3  
台湾桃園県
2010年  
東京都江戸川区、江戸川南
4–1  
ハワイ州ワイパフ
2011年  
カリフォルニア州ハンティントンビーチ
2–1  
静岡県浜松市
2012年  
東京都江東区、東京北砂
12–2 (F/5)  
テネシー州グッドレッツヴィル
2013年  
東京都府中市、武蔵府中
6-4  
カリフォルニア州チュラビスタ
2014年  
大韓民国ソウル
8–4  
イリノイ州シカゴ
2015年  
東京都江東区、東京北砂
18–11  
ペンシルベニア州
2016年  
メイン=エンドウェル, NY
2–1  
大韓民国ソウル
2017年  
東京都江東区、東京北砂
12–2  
テキサス州ラフキン
2018年  
ハワイ州ホノルル
3–0  
大韓民国ソウル
2019年  
ルイジアナ州リバーリッジ
8-0  
ウィレムスタット、キュラソー
2020年 新型コロナウイルス感染症の世界的流行のため中止[10]
2021年  
ミシガン州テイラー
5–2  
オハイオ州ハミルトン
2022年  
ハワイ州ホノルル
13–3  
キュラソーパバオ
2023年  
カリフォルニア州エルセグンド
6-5  ウィレムスタット、キュラソー


  • 完全試合
  • サンボアンガは失格
  • § メキシコ メヒカリ[11]はカリフォルニア州南部エル・セントロ/カレキシコに近く、1957年から1985年までカリフォルニア南部ディヴィジョンで国境のカリフォルニア州カレキシコで試合を行ない、アメリカ合衆国の西部代表として出場した。

国または州別優勝数 編集

順位 国または州 優勝数
1   台湾 17 1969, 1971, 1972, 1973, 1974, 1977, 1978, 1979, 1980, 1981, 1986, 1987, 1988, 1990, 1991, 1995, 1996
2   日本 11 1967, 1968, 1976, 1999, 2001, 2003, 2010, 2012, 2013, 2015, 2017
3   カリフォルニア州 7 1961, 1962, 1963, 1992, 1993, 2009, 2011, 2023
4   ペンシルバニア州 4 1947, 1948, 1955, 1960
  コネチカット州 4 1951, 1952, 1965, 1989
  ニュージャージー州 4 1949, 1970, 1975, 1998
7   メキシコ 3 1957, 1958, 1997
  ジョージア州 3 1983, 2006, 2007
  大韓民国 3 1984, 1985, 2014
  ニューヨーク州 3 1954, 1964, 2016
  ハワイ州 3 2005, 2008, 2018
12   テキサス州 2 1950, 1966
  ベネズエラ 2 1994, 2000
14   アラバマ州 1 1953
  ニューメキシコ州 1 1956
  ミシガン州 1 1959
  ワシントン州 1 1982
  ケンタッキー州 1 2002
  キュラソー島 1 2004

著名な出場者(姓のABC順) 編集

日本人 編集

脚注 編集

  1. ^ a b World Series History Archived 2010年8月17日, at the Wayback Machine.
  2. ^ Little League World Series Format”. ESPN.com (2013年8月12日). 2013年8月18日閲覧。
  3. ^ アーカイブされたコピー”. 2010年4月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年1月16日閲覧。
  4. ^ 2000年までは、極東選手権大会と呼ばれアジアオセアニアも合わせて1枠であったが、2001年以後はアジア枠・オセアニア枠それぞれで1つずつと変更され、日本はアジア枠で出場
  5. ^ これに付随し、日本以外のアジア・オセアニアは2つの地区を合わせて1枠に戻された
  6. ^ アーカイブされたコピー”. 2009年5月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年8月29日閲覧。
  7. ^ . http://www.latimes.com/sports/custom/extras/la-spw-tvcol5jan05,1,6528696.column?page=2&coll=la-sports-extras  [リンク切れ]
  8. ^ アーカイブされたコピー”. 2007年10月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年11月4日閲覧。
  9. ^ Communications Division (2011年6月15日). “ESPN 3D Adds Little League World Series Games to its Broadcast Schedule”. Little League. 2012年10月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年6月28日閲覧。
  10. ^ Little League World Series canceled for first time because of coronavirus pandemic”. ESPN (2020年4月30日). 2020年4月30日閲覧。
  11. ^ See: Mexico in the Little League World Series.
  12. ^ 【早実・清宮の素顔1】北砂リトル恩師 4万人観衆の前で特大弾”. スポーツニッポン新聞社. 2016年11月23日閲覧。

外部リンク 編集