リプリーズ・ゲーム』(Ripley's Game)は、2002年イタリアイギリスアメリカ合衆国サスペンス映画。監督はリリアーナ・カヴァーニ、出演はジョン・マルコヴィッチダグレイ・スコットなど。パトリシア・ハイスミス1974年の小説『アメリカの友人英語版[注 1]を原作としている。2002年9月2日ヴェネツィア国際映画祭で初公開された。

リプリーズ・ゲーム
Ripley's Game
監督 リリアーナ・カヴァーニ
脚本 リリアーナ・カヴァーニ
チャールズ・マッケオン英語版
原作 パトリシア・ハイスミス
アメリカの友人英語版
製作 サイモン・ボサンクエット
アイリーン・メイゼル英語版
リカルド・トッツィイタリア語版
製作総指揮 マルコ・キメンツ
キャメラ・ガラーノ
ロルフ・ミットウェッグ
マーク・オーデスキー
ラッセル・スミス
出演者 ジョン・マルコヴィッチ
ダグレイ・スコット
音楽 エンニオ・モリコーネ
撮影 アルフィーオ・コンティーニ
編集 ジョン・ハリス
製作会社 Baby Films
Cattleya
Mr. Mudd英語版
配給 イタリアの旗 01ディストリビューションイタリア語版
イギリスの旗 エンターテインメント・フィルム・ディストリビューターズ英語版
公開 イタリアの旗 2003年2月7日
イギリスの旗 2003年5月30日
上映時間 110分
製作国 イタリアの旗 イタリア
イギリスの旗 イギリス
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $30,000,000[1]
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同一原作の映画化作品としては、西ドイツフランス合作の1977年の映画『アメリカの友人』がある(監督:ヴィム・ヴェンダース、主演:デニス・ホッパー)。

日本では劇場未公開だが、2007年4月25日にDVDが発売された。

ストーリー 編集

贋作の絵画を専門に商売をする犯罪者トム・リプリーは、ベルリンの仕事で数百万ドルを手に入れた。彼は初老のアメリカ人だが、稼いだ金でイタリアの由緒ある館を購入し、美しいハープシコード奏者の妻と優雅に暮らし始める。リプリーはプロの殺し屋ではないが、必要な場合は平然と人を殺す男だった。

ある日、犯罪仲間だったリーヴスが、リプリーに殺しを依頼して来た。リーヴスはベルリンでマフィアと縄張りを争っており、敵のボスを殺す計画を立てていたのだ。リプリーは一旦は断るが、足の付きにくい素人に依頼するという案を思いつく。

近所に住む額縁職人のジョナサン・トレヴァニーに白羽の矢を立てるリプリー。ジョナサンは骨髄性白血病で死期が近く、妻子の行く末を案じていた。その上、ジョナサンは最近リプリーの審美眼を辛辣に批判していたのだ。リプリーにとって、こうして気に食わない他人を操って犯罪者に仕立てることなど、単なるゲームに過ぎないはずだった。

面識のないリーヴスから突然「儲け話」で呼び出され、訳が分からないジョナサン。しかも依頼が殺人だと知り、彼は驚いて逃げ帰った。だが、報酬が上乗せされて10万ドルになったと聞くと、気持ちが揺らぎ、ジョナサンは殺しを請け負ってしまう。

ロシアン・マフィアのボス殺しは、あっけなく成功した。すると、リーヴスはジョナサンに更なる殺人を命じる。ボス殺しをマフィア同士の抗争にするために、ロシア系と対立するウクライナ系のボスも殺せと言うのだ。ここで降りれば、いずれジョナサンが犯人だと知られて、報復が家族にも及ぶと脅すリーヴス。ジョナサンは仕方なく、ウクライナ系のボス殺しも引き受けた。

二度目の殺人は素人のジョナサンにとって、荷が重すぎる仕事だった。しかし、思いがけないリプリーの手助けで、ウクライナ系マフィアの殺しも完了した。ところが、わずかな綻びからリーヴスの関与がマフィアに知られてしまった。ジョナサンと共に追っ手を迎え撃つリプリー。ゲームだったはずの計画は、血みどろの銃撃戦で終わる結果となったのだった。

キャスト 編集

※括弧内は日本語吹替

作品の評価 編集

Rotten Tomatoesによれば、批評家の一致した見解は「ジョン・マルコヴィッチの期待通りにいやらしい演技に導かれ、『リプリーズ・ゲーム』はパトリシア・ハイスミスのベストセラーのソシオパスを見事に現実のものとしている。」であり、24件の評論のうち高評価は92%にあたる22件で、平均点は10点満点中7.3点となっている[2]

関連項目 編集

原作の訳書 編集

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 映画『太陽がいっぱい』『リプリー』の原作小説の続編であり、主人公トム・リプリーのその後を描いた『トム・リプリー』シリーズの第3弾。

出典 編集

  1. ^ Ripley's Game (2002)” (英語). IMDb. 2020年8月6日閲覧。
  2. ^ Ripley's Game (2002)” (英語). Rotten Tomatoes. 2021年2月16日閲覧。

外部リンク 編集